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魔法使いハウルと火の悪魔 [読書・海外]

原題は「HOWL'S MOVING CASTLE」 
ご存じ「ハウルの動く城」の原作です。
最初に読んだのはジブリで映画化される前でしたが、
ハウルの魅力にまいってしまいました。
かんしゃくを起こして
緑のねばねばを大量発生させるんだものね

ソフィーが見ると、根もとまでいつもの金髪で、
わずかにかすかに赤みが入っているだけなのに
「髪の毛がだいなしだ!
ベーコンエッグみたいな色じゃないか」
そして苦痛と恐怖のまじったかん高い悲鳴をあげ始めます。
ポートヘイヴンの町の人々までが
耳の痛くなるような叫び声に追い立てられて、
港や海岸に逃げる始末。
海が騒音を多少は吸いとるでしょうから。
それが収まって城に戻ると今度は緑のねばねば。

ソフィーは、ひどいかんしゃくには、
たいてい他にわけがあると経験からわかっています。
「これほど夢中なのに、ぼくの求愛を無視して、
ほかの奴に心を動かすなんて。
あんなに愛情を示したのに、
どうしてほかの奴なんかにかまうのさ、えっ?
いままでの子はぼくが通いだすと、
ほかの奴らをみんなふってたもんだけど」
・・・それで緑のねばねばになるのね。
「それならどうしてその娘さんにほれ薬を飲ませて、
さっさととりこにしないの?」
「とんでもない。それじゃ、ゲームにならない。
ちっともおもしろくないだろ」
これだものね いい性格してるよね
うぬぼれ屋で考えなしの浪費家でしばられるのが大嫌い、
で言い争うのも腹を立てるのも嫌い。
ハウルは魅力的です

 

原作とジブリの作品は違ったモノになってしまったけれど、
ハウルの造形は原作のままです。
原作のマイケルは、マルクルより年齢が上なので恋人がいますが、
マルクルと同じようにハウルを尊敬していて、
動く城での生活を大切に思っています。
映画で動く城を見たときは嬉しかった。
宮崎駿のイメージする力はやっぱりスゴイです 
木村拓哉の声はハウルそのもの。
私のなかでは全く違和感を感じません。
人を喰ったような自惚れやさんで、しかも気が小さくてやさしい。
もともと彼の声は「ビューティフル・ライフ」のナレーション以来
大好きなのであります。

映画を観た後に読み返してみると、
やっぱり原作と映画は全く別のものだと強く思います。
映画は最後のほうがとてもわかりにくいけれど、
原作もこんがらがっていきます。
ただし、内容は全く別物で原作には戦争は出てきません。
原作のカオスは魔女のかけた魔法と
ソフィーの思いこみが原因になっていますが
その結果がとても愉快です。
もちろんハッピーエンド。

「ぼくたちって、これからいっしょに
末永く幸せに暮らすべきなんじゃない?」
ハウルが本気で言っていることは、
ソフィーにもよくわかっていました。
いっしょに暮らすとなれば、
何事もなく幸せに暮らすおとぎ話とは大違い、
もっと波乱に満ちた暮らしになることでしょう。
でも、やってみる覚悟はできています。

カルシファー大好き。
映画のカルシファーは可愛かった

魔法使いハウルと火の悪魔―ハウルの動く城〈1〉

魔法使いハウルと火の悪魔―ハウルの動く城〈1〉

  • 作者: ダイアナ・ウィン ジョーンズ
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1997/05
  • メディア: 単行本


佐竹美保さんのカバー画が素晴らしいです。
内容が完璧にこの中に詰まっていますね。


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