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「リアル」 5 井上雄彦 [コミック]

リアル 5 (5)

リアル 5 (5)

  • 作者: 井上 雄彦
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2005/11/18
  • メディア: コミック

井上先生、一年に一冊は待ち遠しすぎです(ノ_<。) 
HERO」に感動。

思い通りに動かない体。
「この体はもうほとんど俺のものじゃなくなってきてる」
絶望から、清春に冷たい投げやりな言葉を放ってしまうヤマ。
清春のモノローグ
「あんなに強い人間をここまで追い込んだ病気を 
俺は心底憎んだ

15歳の頃の清春のヒーロー、勝田虎
もう一人のヒーロー、山内仁史

ヤマからのメール 
「こわい」
「僕の知らなかった僕がどんどん出てきてあせる。
死ぬ頃には僕は最低最悪の人間になってそうで…」
清春の返信 
「これだけはいっとくぞヤマ お前は俺のヒーローだ 
今でもそうだ
ヤマのベッドサイドにあるミスチルの「シフクノオト」
「HERO」という曲が呼応します。

自分を傷つけるヤマではなく、病気を憎むと言う清春。
死ぬのがこわいではなくて、
最低最悪の人間になることがこわいというヤマ。
泣かされました。

野宮、「前に進むには免許をとらなくちゃならねえ」 
彼は前に進もうとしています。
清春のチームにはナガノが入る。タイガース第3章。
「これからは清春の章 それを俺が支える」

辛いのは高橋のパートです。
彼は今まで生きていた自分の全てに
立ち向かわなくてはならない。
簡単なことではありません。
「また来ると 来やしないのに 誰もいう…」夏美のつぶやき。
私のように意気地のない人間はもう近づかないようにすると思う。
井上雄彦はそうではない。
ギリギリと爪をたてるように「リアル」を描いている。
すごいです。【本物】としか言いようがない。

「鋼の錬金術師」12巻の見返しに
荒川弘のこんなふうなコメントがありました。

「やっぱり作り話<フィクション>はかなわねぇなぁと思う。
そんな事を先輩のマンガ家さんに話したら
「作り話<フィクション>だからこそ、本来なら救いの無い話にも
救いを作ってあげられるんだよ」
とおっしゃった。
なんだか、マンガ魂が引き締まる思いがした。」

「リアル」を読んで、このコメントを思い出しました。
現実には救いを求めることも出来ずに敗れ去る人もいると思う。
自分はそっち側のような気がする。
だからこそ、井上雄彦の作品を読んで胸を打たれるんだと、
そう思います。

 
シフクノオト

シフクノオト

  • アーティスト: Mr.Children, 桜井和寿, 小林武史
  • 出版社/メーカー: トイズファクトリー
  • 発売日: 2004/04/07
  • メディア: CD

タグ:井上雄彦
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コメント 2

更紗

いや、ホンマ一年に一度って待ち遠しいよね!
新刊買っても、次巻来年秋!!と堂々と書かれてると、(TT)な気持ちになるよね~。

今回も、感動しました!!
清治のヒーローは虎なのはわかるけど、もう一人のヒーローがヤマっていうのが、すごい事だと思う。
そして、ヤマは聖人君子じゃない。
井上雄彦さんという作家は本当によく人間を観察していると思います。
スラダンはヒーローになりたいヒーローの花道が立派な(笑)主人公だったんだけど、リアルは、この漫画に登場する誰もがヒーローです。
さだまさしの詩の文句に『あなたの人生の中ではあなたが主人公』というのがあるけれど、リアルを読んでいると本当にそうだと思います。
これからも楽しみな作品の一つです!

ハガレンはいよいよクライマックスが近づいてますねー♪
毎月ウチの高校生男子(笑)がガンガン買って来るので、二人で盛り上がってます(^^)
by 更紗 (2005-12-04 16:07) 

miyuco

>更紗さん
スローペースで連載しているのに、破綻もせずにこのクオリティーですからね。
井上雄彦はやっぱりすごい人です。
>リアルは、この漫画に登場する誰もがヒーローです
どの登場人物も絶対に捨て駒にしないですね。スラムダンクもそうでした。
(ハガレンにもそれは言えると思います)

鋼の錬金術師、アニメから一年遅れで、やっとブラッドレイ大総統の正体に気づきましたが、まだ、なんか後ろのほうから出てきそうですね。
エルリック兄弟のとーちゃんの出番もあるのでわ?
(ガンガンは読んでませんので勝手な予想です)

さだまさしの「主人公」読みながら自然に歌っちゃったよ~
大好きでした。
by miyuco (2005-12-05 08:54) 

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