SSブログ

『DIVE!!』 森絵都 [読書]

夏ですね~。海や川やプール、水の季節です。
そんな季節に、大好きな本、『DIVE!!』 

    

高さ10メートルの飛込み台から時速60キロでダイブして、
わずか1.4秒の空中演技の正確さと美しさを競う飛込み競技。
その一瞬に魅了された少年たちの通う弱小ダイビングクラブ存続の条件は、
なんとオリンピック出場だった!
運命のオリンピック選考会を前に少年たちに襲いかかるプレッシャーや故障。
感動のラストへ向けて、勢いは止まらない! 
 ― Amazonより

    

『DIVE!!』を初めて読んだのはずいぶん前です。
文庫本になって嬉しかった。
児童書の棚に置かれていると読者は限定されてしまいます。
こんなにおもしろくて爽快な本が、埋もれているようで、
もったいないなと思っていました。
大人が読んでも、子供が読んでも、
さわやかで気持ちのいいストーリーです。

「飛び込み」というスポーツを舞台にした物語。
中学2年生坂井知季
自分自身を平凡な選手だと思っている彼が
実はダイヤモンドの原石であった
というシンデレラストーリー。
無自覚だったが知季が
迷い戸惑いながら徐々に目覚めていく。
自分を囲んでいるようなさまざまな枠を越えるために。

高校2年生、沖津飛沫
生まれ育った土地の海で飛んでいた男。
名前にさんずいが3つもある、
水に愛された飛沫。
元天才ダイバーの血筋を引き、
またその血筋に縛られている。
そんな彼が純粋に「飛び込み」と向き合っていく。
そして未知なる世界に飛び出す、
武器はシンプルで美しい、スワンダイブ。

飛沫と同じく高校二年生、富士谷要一
元飛び込みのオリンピック選手だった父親と、
同じく元飛び込み界のマドンナ的存在だった母親から生まれたサラブレッド。
恵まれた容姿と強い精神力を持っている。
要一は、悩み苦しみながらも、
他人に用意されたレールを拒み、
自分で掴み取る道を選ぶ。

そしてもうひとりの主役は、麻木夏陽子。
どんな時にも化粧にかける時間は惜しまない、
猫の瞳の女コーチ。

彼らの夢を賭けた舞台、オリンピック選考会が始まった。

ここからはハラハラドキドキしながら、一気読みです。
この3人を取り巻く人々のエピソードも語られていきます。
要一の父、富士谷コーチ、
不器用な愛情表現がすてきですね。
会長を要一に会わせようと、
捨て身の(ちょっと笑える)談判をする母もいいな。
飛び込みの仲間たち。
見守る知季の弟。そして飛沫の彼女、恭子。

結果は…
この結末も見事です。
甘すぎず、苦すぎず、爽快!

単行本の『DIVE!!』には、
飛び込みのイラストがついていて
技を想像しやすかったのに、
文庫には載っていませんでした。
それがちょっと残念。

昔々10代の頃、私はプールが大好きだった。
飛び込みに失敗して、
水に叩きつけられるショックや、
うまく飛び込めた時の喜びがよみがえってきます。
水っていいよね!水の中はクリアだと知季は言います。
同感!

d0052997_14542443.gif

DIVE!!〈上〉

DIVE!!〈上〉

  • 作者: 森 絵都
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/06
  • メディア: 文庫
DIVE!!〈下〉

DIVE!!〈下〉

  • 作者: 森 絵都
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/06
  • メディア: 文庫
 

タグ:森絵都
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0