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『見えない誰かと』 瀬尾まいこ [読書]

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『誰かとつながる。それは幸せなことだ』
に加筆訂正したエッセイ集。

「誰かとつながる。それは幸せなことだ」
いい言葉ですね。
「私のそのときの毎日を楽しくしてくれている人は、確実にいる」
これは見返しにしるされている、文中から抜き出した言葉。
この本は、そんな人たちのお話。

『図書館の神様』の垣内くんのモデルになった生徒は中学生だそうです。
実物の彼は小説の中の彼よりも、もっとずっと素敵だった。
実際の活動は、もっと愉快だった。
どれだけ言葉を使って表現しても、
なかなか本物の中学生には追いつかない。
ちょっとやそっとで表現できないくらい、
素敵な中学生にもっともっと出会っていきたい。

瀬尾まいこさんは、きっと、いい先生だな。
九回連続で教員採用試験に落ち続け、
十年間、講師を務めていたそうです。
中学生って思いがけない力を見せてくれたりする。
この場面でこんなふうに人を救う言葉をかけたりできるんだと
感動したことが私にもあります。
同時にここまで残酷になれるのかと愕然とすることもありました。



生徒が好きだから学校で働いている。
生徒のためだから何でもできる。
生徒を嫌だなって思う気持ちが少しでも出てきたら、
私は学校を辞めようと決めている。

保護者として、子供たちの先生を見ていると
「生徒が好き」という気持ちで接してくれている先生がほとんどで、
本当にありがたいと思ってました。
メンドクサイ中学生に対して、
親よりもていねいに接してくれているのを見ると
感謝の気持ちでいっぱいになります。
でも…たまに
「言うことをきいてくれる生徒だけが好き」
な先生がいるんですよね。
支配できる生徒だけが好き、と言い換えても良いのかな。
人間だから、しかたない部分もあるのでしょうけれど、
プロフェッショナルではないなと思ってしまう。

ユニークな個性を持った校長先生。
受け持った中学生たち。
進化するおかあさん、家族の話。
ヨン様に夢中になって若返ったおばあちゃん、素敵

愛すべき人たちが、優しい視線で描かれています。

見えない誰かと

見えない誰かと

  • 作者: 瀬尾 まいこ
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2006/12
  • メディア: 単行本

 


タグ:瀬尾まいこ
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