SSブログ

『つくもがみ貸します』 畠中恵 [読書]

つくもがみ(付喪神)とは、長い年月を経て古くなった対象
(その多くは何らかの道具や器物であることが多いが、
稀に動物などの生物も含まれるとされる)に
魂や精霊が宿るなどして妖怪化したものの総称 ― Wikipedia

生まれて百年を経ると器物のなかには付喪神になるものがある。
ただの物であったのが妖となり、言葉をしゃべり人の言うことも分かる。
そういった長年大切にされていたものは高直なものが多い。
お紅と清次という姉弟がいとなんでいる深川の古道具屋兼損料屋
「出雲屋」にはなぜか付喪神が集っている。
「損料屋」というのは今でいうレンタルショップのこと
今日もつくもがみたちは姉弟の商売のために貸し出されてやり
店に戻ったらにぎやかに出先で見聞きしたことを報告しあうのでした。

権高い付喪神たちは人間に使われるなんてまっぴらだと思っている。
一筋縄ではいきません。
そこをお紅と清次はうまく動かしていきます。
彼らの旺盛な好奇心をくすぐったり、脅したりしながら。
そして様々なトラブルを解決するのでした。
おもしろかった!

出雲屋のふたりは血の繋がらない間柄であったが
清次はお紅を「姉さん」と呼び力をあわせて商売をもりたてている。
「蘇芳」という銘を持つ香炉とそれを持っているであろう人物の行方を
お紅はずっと気にかけている。だから嫁にいこうともしないのだと
清次は思っている。

つくもがみは清次の気持ちなんかお見通し^^
清次が年上のお紅へ抱く秘めた想いが文章から窺えてせつないです。

「しゃばけ」シリーズの主人公・一太郎はたった一人と思い決めた
恋愛に憧れています。
「まんまこと」の主人公・麻之助は秘めた愛情をつらぬきます。
決して報われないとわかっていても。
「つくもがみ貸します」での清次とお紅の結末は
一太郎と麻之助の願いを叶えたようでありました。

つくもがみ貸します

つくもがみ貸します

  • 作者: 畠中 恵
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2007/09
  • メディア: 単行本


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0