『三月のライオン』 羽海野チカ

この男の子が主人公「桐山零」
１７歳、職業「棋士」
東京の下町に一人で暮らす。
彼は幼い頃、事故で家族を失っていた。
そんな彼の前に現れたのは
あかり・ひなた・モモの三姉妹。




人と人が出会い、出会ったことによって変わっていく。
「ハチミツとクローバー」もそうでした。
相手を思いやったり逆に相手からやさしくされたり
そんなやりとりが繰り返され自分を見つめ直すきっかけとなる。

「If March comes in like a lion it goes out like a lamb」
三月の初めが厳しい寒さならば、終わりは穏やかな気候になる
（三月がライオンのように始まったら子羊のように終わる）

「三月のライオン」という題名には
厳しい時期はもうすぐ終わるよという意味があるのかな。
「一陽来復」と同じような。
零くんの心にもあたたかい季節が訪れるといいなと思います。

こちらで一話の試し読みができます。
http://www.younganimal.com/3lion/index.html

家族を失った零は家族の次に好きだった人と暮らすために
ウソをついた。
「将棋、好きか？」という問いに「はい」と答えた。
苦手だったのに。
「契約」したと零はいいます。
しかしその人に喜んでもらいたいと努力すればするほど
その人の家族を傷つけてしまう。
生きるために精一杯だった子どもに罪はないのかもしれない
でも、もう一緒にいることはできない。

大きな川沿いの小さな町。

この町に越してきてしばらくの間

どこを歩いても夢の中にいるみたいだった

音がよく聞こえないし　町が白黒にチカチカしたりした

でもあとで気がついた…

緊張していたのだ　慣れない町に　そして一人暮らしに

でも知ってるひとができたとたん

橋の向こうに色がついたような気がした

ハチクロの竹本くんの「クリスマスは苦手だった」
というエピソードを思い出しました。

あかりさんはガリガリの子を見るとほっとけないらしい。
で、フクフクにするのが好き。
だから零のことも拾ってきたようです。
「大丈夫、おねいちゃんがすぐにフクフクにしてくれるよ」
とひなちゃんは零に言います。
なんて温かい言葉なんだろう。

零の終生のライバルであり
親友であると自認する（笑）二海堂晴信
故村山聖九段がモデルになっている二海堂は
かなりシリアスな病を抱えているようで心配です。
憎めないキャラで大好き。じいやの花岡さんも大好き
「ボドロ」には笑いました。

あかりさんたち三姉妹は
母親を亡くしてからそう何年もたってないようです。
失った家族を思い出さないようにするしかなかった零は
消えることない喪失感を誤魔化すことなく
ゆっくりと癒していこうとしているような彼女たちを見て、
心のなかに不自然に封じ込めていたものがあったと
気づいたかのようです。

嵐のように激しい気性で美しい香子に
零は憧れていたのでしょうね。
傷つけ傷つけられることしかできない関係だったのに。

タグ：羽海野チカ

コメント 10

ヤングアニマル…目が届きませんでした。さすがmiyucoｻﾝ。
記事読んで連載開始時に電車の中吊り広告みたのを薄ら思い出しましたが馴染みのない雑誌って手に取りにくい…
やはり漫画喫茶三昧の1日を企画すべきかしらん？
オールナイトコースだと割安よねー(^_^ゞ
by おきざりスゥ。 (2008-03-10 14:34) 

＞スゥ。さん
最近の「ＴＵＴＡＹＡ」や「GEO」はＣＤやＤＶＤだけでなく
コミックまでレンタルしてるんですよ[目玉]
比較的新しい本は揃っているのでいいですよ～
「ヤングアニマル」と羽海野チカって
ミスマッチのような気がしますよね[汗汗]
nice!とコメントありがとうございました♪

by miyuco (2008-03-10 19:28) 

コンビニで再版されていた「ハチクロ」が
昨日出た6巻目で完結しました。
懐かしいドキドキ感や、胸が締め付けられるような
郷愁に似た思いで読み続けていたけれど、
最後の最後に泣かされました。

記事にある作品は再版コミックにずーっと広告されてて
気にはなっていたんだけど、ハチクロが完結しない事には
進めなかったので・・・・。
羽海野さんの絵が苦手でしたが、ストーリーが暖かく
傷ついた人にとても優しくて読んでいて切なくなります。
読まず嫌いをやめようと誓いました（笑）

ちなみに・・・テレビ版・・・モーレツに違和感（爆）です。



by ayaka (2008-03-11 16:14) 

直chanさん、nice!ありがとうございました♪
by miyuco (2008-03-11 18:41) 

＞ａｙａｋａさん
実はＴＶの「ハチクロ」見てます＾＾；
チラッと見たら真山がとてもよかったので[ラブラブハート]
生田斗真くんも成海璃子ちゃんもミスキャストだなんて思わないのですが、オリジナルのセリフがどうも[ショック！]
はぐちゃんが「好きです」と言っているスポットを見た瞬間にこの脚本はダメだと思ってしまったのでした[汗汗]
役者さんがホントに気の毒です。

本文でこれと同じようなことを書いて削除したのに
コメント欄で語ってしまった…
nice!とコメントありがとうございました♪


by miyuco (2008-03-11 18:56) 

コメント欄についてありがとうございました。
助かりました～～[ニコニコ]

私も原作読んだら原作の良さがテレビ版になかった事を
ハッキリ感じてしまいました。
でも斗真くんは竹本くんにぴったりだと思うし、なにより
真山くんは原作読んであまりにテレビ版と同じで驚きました（笑）
キャストは確かに合っているので、もっと原作の世界観を
大切にして欲しかったです。
１クールじゃ無理な話ですかね・・・[汗]
by ayaka (2008-03-11 21:43) 

こんばんわ＾＾

リンクから飛んで一話を読みました。痛々しさとかすかな温かさを感じました。
チカさんの真骨頂[！？]

んんん、早く完結しないかな(笑)

by こにゃ (2008-03-11 23:47) 

ayakaさん、お役に立てて光栄ですわ[ぴかぴか]
リニューアル後の仕様で疑問なことがあって
「What's new?」の記事へのＴＢをたどっていたら
「スパムブロックの禁止ワードに"http"などを設定しているとログイン状態のコメントを受け付けなくなる」
というのがあったのです。
「So-net」が対応するべき事をブロガーさんたちの
善意の記事で解決せざるを得ないってヘンですよね。
不具合なのか仕様変更によるものなのか
わけわかんなかったし…

真山くん、すてきですよね[ラブラブハート]

by miyuco (2008-03-12 18:00) 

＞こにゃさん
零くんは「天才」と言われているらしいので
才能を授かった者の苦しみが
これから出てくるのかなと思ったりします。
「ハチクロ」の天才ふたりのように。

完結するのは…ずいぶん先になりそう[目玉]
nice!とコメントありがとうございました♪

by miyuco (2008-03-12 18:06) 

ドラゴンパパさん、nice！ありがとうございます。
by miyuco (2011-10-14 17:25)