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隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS [日本映画]

おもしろかった。
黒澤明監督『隠し砦の三悪人』の痛快な脚本が元にあるのだから
おもしろいのは当然です。
特に黒澤版に沿った展開の前半部分はおもしろい。
アレンジされた後半は突っ込みどころ満載でちょっと軽いけど。

「戦国の世、敗軍の将が姫と黄金を擁して
敵中を突破するという娯楽時代劇」

役者陣がとても魅力的でした。

長澤まさみ
きちんとセリフを言えるんだと(失礼にも)思った^^;
お姫さま言葉をお姫さまのように話していました。
汚い格好の男装姿でのきりりとした表情が美しい。

阿部寛の六郎太
三船敏郎と比べられてしまう役どころですが
ストイックな風情が似通っていると感じました。
馬で疾走する姿がなんてお似合い。

松本潤の強い眼の光は印象に残ります。

宮川大輔、「酒、オンナ、メシ」
黒澤版の農民コンビが醸し出す雰囲気を
ひとりで再現していました。
ここを外したら残念だなと思っていたけれど杞憂でございました。
とてもよかった。

前情報ほとんどなしで映画を観た連れが
「松潤が若い頃の真田広之に似ていた」
「角川映画「里見八犬伝」を思い出した」
「雪姫はお姫さま衣装を着たときはいまいちだったけど
その前はほんとにかわいかった」
おもしろかったと言っていました。

1958年公開の黒澤明の名作『隠し砦の三悪人』が、

ストーリーもキャラクター設定もごく基本的な部分のみを残し

大胆にアレンジされ新たな作品として甦った




戦国時代、隣国・山名に攻め込まれ陥落した秋月では、
消えた埋蔵金と世継ぎである雪姫の行方を追って
山名軍が躍起になっていた。
金掘り師の武蔵ときこりの新八は、
偶然、秋月の隠し金を見つける。
が、突如現れた真壁と名のる男に捕えられ、
金も奪われてしまう。
金を秋月の同盟国・早川へ持ち出そうと企む六郎太に
武蔵は敵国の山名を横断する奇策を提案し、
金の分け前を要求するのだった。


黒澤明の『隠し砦の三悪人』を観たのはもう20年以上前。
「なんておもしろい映画なんだろう!」
と感動したことを覚えています。
完全に手詰まりだろうと思いながら見ていると
思いもよらない方法で突破する。
しかも一行は一枚岩ではなく
農民ふたりの裏切りや失態があってもおかしくない状況。
お見事でした。
(でも、姫の声が割れてしまってよく聞き取れなかった)
一分の隙も「もたつき」もないスピーディーな黒澤映画の再現を
「THE LAST PRINCESS」に求めるなんて無謀なことはできない。

黒澤版にはない「障気」を使って派手な演出を仕掛けてます。
でもあの脱出にはちょっと笑っちゃった^^;

高嶋政宏の関所でのシークエンスはいらないんじゃない?

「裏切り御免」
という言葉もずいぶん軽く使ってるなと思いました。

今回の三悪人は、武蔵、新八、雪姫なのかな。
雪姫を残して前作とはチェンジですね。

『椿三十郎』はリメイクを観る前に黒澤映画を観てしまい
三船敏郎のあまりの素晴らしさに
織田裕二はもういいやとなってしまったので
今回は観るのをやめておきました。

『隠し砦~』の三船敏郎は『椿~』のときの
人を食ったような人物ではなく
強く厳めしいばかりで
いまいち魅力的ではなかったような気がします。
したたかでユーモラスな部分は
C-3POとR2-D2のモデルとなったふたりが担っていました。
絶品でした。

しばらくしたら黒澤映画『隠し砦の三悪人』を
観たいと思っています。

kakusitoride.jpg

井上雄彦のイラスト かっこいいですね。
松潤の顔だけどまぎれもなく武蔵がそこにいます。



黒澤版『隠し砦の三悪人』の予告篇がありました。
一瞬、あやしげな画像がうつりますがご容赦ください^^;


タグ:黒澤映画
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