SSブログ

『鹿男あをによし』 万城目学 [読書]

「さあ、神無月だ―出番だよ、先生」

おもしろかったです。
幕切れも鮮やか。

二学期だけという期間限定で奈良の女子校に赴任した先生が
「鹿」に人間の言葉で話しかけられ、とある任務を依頼される。
先生は人類の危機を救うためいろいろとがんばるというお話。

不思議な物語。
鹿の運び番になる男はいつも東からやってくる。
鹿島大明神の使いの証を身につけて。
足元に「大なまず」がいることも知らずに
その上にどっかと鎮座し、押さえつけ
絶妙な人選で「使い番」「運び番」を選ぶ鹿島大明神
「超天然なのか大明神」
と心でつぶやきたくなる気持ちもわかります。

「大和杯」での剣道部の試合がとてもよかった。
ワタクシゴトながら息子二人が剣道部だったので
臨場感をひしひしと感じながら読みました。
「あきらめるなッ」
と叫ぶ先生は神経衰弱なんかじゃないです。

今年の1月から放送されていたドラマが大好きだったので
本を読んでいても、どうしてもオーバーラップします。
鹿のセリフはドラマの声(山寺宏一)で聞こえてきました^^;

藤原先生が同僚の男性教師だったところが
ドラマとの大きな違いですがあとはほとんど同じでした。
原作の藤原君もとてもいいキャラです。

先生が鹿から話しかけられ「行けばわかる」と
とても納得できない雲をつかむような話に巻き込まれる。
生徒の堀田イトがつっかかってくる理由もわからない。
先生と同じくわけがわからず混乱したまま
読者も物語を読んでいきます。
「大和杯」での剣道部の優勝プレートという
はっきりしたターゲットが現れて
やっと謎の端緒が見えてくる。
このあたりから俄然おもしろくなってきます。

「重さん」の独特な口調が好きだったのですが
原作もまったく同じだったので驚きました。

本を読めば読むほど
ドラマはよくできていたなと感心します。
それにしてもこの荒唐無稽な物語を
映像化しようなんてよく思いつきましたよね^^;

以下、未読の方はご注意を

 

ジャマをする者の正体が判明するまで
あまりにも出番が少なくて唐突のような気がしました。
もうちょっと匂わせてくれてもよかったのに。

でもそれはドラマを先に見てしまったから
そう思うのかもしれません。
リチャードはナイスキャスティングでした。

「お前はとても美しい」
ヒメにこう言われてとてもうれしかった。
だからこの人の願いをずっと守り続けようと思った。
そんなふうに言う「鹿」が好きです。

ポッキーはあんまり食べ過ぎないほうがいいよ^^

 

鹿男あをによし

鹿男あをによし

  • 作者: 万城目 学
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2007/04
  • メディア: 単行本

鹿男あをによし DVD-BOX ディレクターズカット完全版

鹿男あをによし DVD-BOX ディレクターズカット完全版

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: DVD


タグ:万城目学
nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 2

松matsu

DVDも購入予約しましたよーんヽ(^◇^*)/
楽しみです~[__るんるん]
by 松matsu (2008-07-09 23:32) 

miyuco

松matsu先生、本を読んでいてもドラマのメンバーが
ちらついて仕方ありませんでした^^;
ドラマに出てきた奈良の風景をもう一度見たいので
DVD、レンタルしてきます!
nice!とコメントありがとうございました♪
by miyuco (2008-07-10 20:11) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0