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『鴨川ホルモー』 万城目学 [読書]

隣の奥さま(生協仲間)は万城目ファン
おもしろいよと常々お薦めされていた。
けれども「鴨川ホルモー」という題名のうさんくささのため
(ホルモーってなによ^^;)
なかなか手に取るまでに至らなかった。
「鹿男あをによし」でこの作者のテイストがわかったので
読んでみました。

主人公と同じように読者もわけがわからないまま
不思議なルールに巻き込まれていく。
「鹿男~」と同じように。
それに主人公の大学生活と恋愛事情が絡み
意外な展開になっていきます。

主人公の恋が破れたあたりから面白くなりました。
読み終えると八百万の神々の存在感がずっしりと残ります。

京都では密かにいろいろなことが行われている。
歴史ある場所の持つ濃密な空気を感じさせてくれる物語でした

楠木ふみがかわいかったです!

眉毛をすっかり覆うほどに分厚く切り揃えられた前髪に、
いまどきどこで売ってるのかと問いただしたくなるような、
ふちが太く、面の広いメガネ

無礼な男子が密かに凡ちゃんと呼んでいる
(「大木凡人」に似ているので)
無愛想な彼女がどんな女の子かわかってくると
なんてかわいいんだろうと思うようになります。

京都三大祭りの一つ、葵祭。
エキストラとして葵祭に参加した二浪の京大新入生・安倍は
帰り道でサークルの勧誘をうける。
「京大青竜会」という広域指定暴力団のような響きをもつサークルから
新入生歓迎コンパのビラを手渡された。
コンパの場所は三条木屋町居酒屋「べろべろばあ」
その席である女性に(正確には女性の「鼻」に)一目惚れをした安倍は
彼女目当てでサークルに入会することになる。

当初は野外リクリエーション活動をメインとする
サークルかと思われた「京大青竜会」だが
実は「ホルモー」という競技を戦う集まりであった。
「ホルモー」とは「オニ」を使い勝敗を決める対戦型の競技。
京都を舞台に一チーム10人で戦う。
現在は4つのチーム、京都産業大学玄武組・龍谷大学フェニックス
立命館大学白虎組・京都大学青竜会で争われている。

以下、未読の方はご注意を
 

新歓コンパで三つの恋が生まれていたことが
後に明らかになる。それがもつれた結果、
サークルを二分して戦う事態になるのですが
そこに至るまでに不思議な力が働いていたようです。
やっぱり八百万の神々のひまつぶし?

でも幸福な結末になってよかったよかった。

使役するオニが全滅した者は雄叫びをあげる。
「ホルモオオオォォォーッ」
それに抗うことはできない。
ペナルティもある。
「その人が大事だと思っていたものが奪われる
でも大丈夫」
高村の場合はチョンマゲ姿になってしまったが
アイデンティティを取り戻すことができたということ。

ちょんまげ男・高村、個性的な楠木ふみは印象的ですが
主人公の安倍くんはちょっと影が薄いですね。
さだまさしを心の師とあおぐ21歳の京大生というのは
ユニークでございますが^^;

「よかったら今度、俺とまさしのコンサートに行かないか」

デートの誘いのこの言葉に爆笑。

しかし何故に「レナウン娘」の歌なのか?
若者が知っているはずがないでしょう。
もちろん私は知っている。
読みながら唄ってしまったよ^^;

山田孝之主演で映画化されるようです。
凡ちゃんは栗山千明が演じます。

kamogawahorumo.jpg

http://eiga.com/buzz/20080522/8

なかなかいいではないですか^^

鴨川ホルモー

鴨川ホルモー

  • 作者: 万城目 学
  • 出版社/メーカー: 産業編集センター
  • 発売日: 2006/04
  • メディア: 単行本


タグ:万城目学
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