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『戸村飯店青春100連発』 瀬尾まいこ [読書]

兄弟の物語なのに一番印象に残ったのは
ふたりの親父さん
子どもたちの本質を理解しているのに
それをおくびにも出さず
さり気なく後押しし温かく見守るお父さん。
かっこいいです。

大阪の下町にある中華料理店・戸村飯店の二人の息子は、
性格も見た目もまるで正反対。
東京、大阪と離れてくらす兄弟が再会をきっかけに
人生を見つめ直していく。
一番大切なことは近すぎて見えないもの。
単純でバカでかっこわるいけどかっこいい男子の姿を見事に描いた、
瀬尾まいこ・渾身の一作。
                       理論社HP より

弟のコウスケのストレートな青春っぷりも楽しかったけれど
兄・ヘイスケの回り道迷い道ストーリーがとてもよかった。
躍動感にあふれた大阪弁が小気味良いです。

コウスケの視点で見ると
兄貴は要領のいいお調子者で長男なのに店の手伝いもせず
高校卒業と同時に東京の専門学校に通うため
家を出ていってしまった勝手なヤツ。

兄・ヘイスケの印象は第二章を読むと変わってきます。
ヘイスケは彼なりに感じるところがあり
生まれ育った場所を離れることで何とかしようと思っていた。

自分がまとっていた空気がどんなものだったのか
見知らぬ街での暮らしの中ではっきりと見えてくる。
そうしたらもう次に進むべき場所はひとつしかない。

「料理おぼえたで」
と久しぶりに帰ってきた長男に余計なことは一切言わず
店を手伝えと声をかける親父さん、すてきです。

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戸村飯店青春100連発

戸村飯店青春100連発

  • 作者: 瀬尾 まいこ
  • 出版社/メーカー: 理論社
  • 発売日: 2008/03/20
  • メディア: 単行本


タグ:瀬尾まいこ
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