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『いっちばん』 畠中恵 [読書]

廻船問屋長崎屋の若だんな一太郎と妖たちが活躍する
「しゃばけシリーズ」第七弾。

幼なじみの栄吉は菓子づくりの修行のため三春屋を離れ、
松之助も嫁をもらい新しい店に行ってしまった。
寂しそうな若だんなを妖たちが放っておくはずがない。
慰める品を贈ろうという話になるが
では若だんなが喜ぶものは何かというと意見がまとまらない。
「いっちばん」の品をそれぞれが贈ろうとする表題作。
レギュラーの妖たちが大活躍。
ついでに日限の親分を悩ます難事件解決にも
一役買います。(成り行きですが^^;)

「いっぷく」
江戸には江戸なりの商売のやり方があるんですね。
若だんなに新しい友が出来てよかった!
三途の川にいたあの子がどうなったのか
気になっていたので、再会できて嬉しかったです。

天狗だって寂しいときもある。
「天狗の使い魔」

栄吉とお雛ちゃんは地に足をつけて生きている
真っ直ぐなところが大好きです。
(松之助もそうですね)
栄吉が主人公の「餡子は甘いか」
お雛ちゃんの「ひなのちよがみ」
この二つの作品がとてもよかった。

 

 

栄吉は修業先の老舗菓子屋・安野屋でも
自信をなくすことばかり。
挙げ句の果てに菓子づくりを休めと言われてしまう。
八助という盗人がひょんなことから
親方に弟子にならないかと声をかけられる。
いきなり現れて菓子職人としての資質を認められた
八助に栄吉は心中穏やかではない。

真面目に働きつづける人間が
最後には報われるとはかぎらない。
でも、そうあってほしいと願わずにはいられない。
栄吉さん、がんばって。
若だんなも鳴家もみんなで応援してるからね!

お雛ちゃんもがんばっています。
紅白粉問屋一色屋は火事で倉ひとつ残して
燃えてしまった。何とか店は建て直したものの
余裕がない苦しい状態である。
そこでお雛は高齢の祖父母にかわって
自分が一色屋を支えようと決心した。
考えついたのは「千代紙」でつくった可愛い袋。
そこに白粉をいれて売りだそうとする。

分厚く白粉を塗りたくったお雛ちゃんはもういない。
アイデアをしぼり出し何とかして店を軌道にのせたいと
力を尽くす一生懸命な姿が健気です。

若だんなのお雛ちゃんへのアドバイスを
商売の勉強になると仁吉と佐吉のふたりが見守ります。
そうだよね、ふたりは熟練の手代だものね。
若だんなも跡取りとして商売のノウハウを覚えねば。
さてどのような結果となったでしょうか?

正三郎さん、お雛ちゃんの気持ちを
もっともっと大切にしてください。
きっとお似合いの良い夫婦になれますよ。
若だんなは今よりもっと羨ましく思うでしょうね。

いっちばん

いっちばん

  • 作者: 畠中 恵
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/07
  • メディア: 単行本

 


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コメント 2

びっけ

こんにちは。
まだ『いっちばん』の順番が回ってきません。
あと47人後です。大泣き。

ところで、私の記事に「しゃばけ」シリーズのことを書いたのですが、この記事のリンクをつけさせていただいても、よろしいでしょうか?

by びっけ (2008-09-13 22:08) 

miyuco

びっけさん、こんにちは。
しゃばけシリーズ大人気ですものね。
ダッシュで図書館に予約しないと
何ヶ月も待つことになってしまって悲しいです(v_v。)

リンクはもちろんオッケーで~す^^
こちらからもTBさせて下さいませ。
nice!とコメントありがとうございます♪

by miyuco (2008-09-14 11:43) 

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