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『パコと魔法の絵本』 [日本映画]

[MIDSUMMER CAROL ガマ王子vsザリガニ魔人]
2004年初演の舞台劇が原作です。中島哲也監督作品。
クリスマスキャロルではなくて「MIDSUMMER CAROL」
クソジジイ・大貫は冷酷無慈悲のスクルージのような老人。
「お前が私を知ってるってだけで腹が立つ!」が口癖。

笑って泣かされた映画でした。
ヤンキー看護師が元・子役に思いの丈をぶちまけるような
ベタなところも残しつつ、
訳ありの登場人物たちの心情の変化を
説明的なセリフではなく映像で見せてくれる。
言葉に頼りがちな昨今の映画のなかでは
稀有なことだと思います。

役所広司が大声を上げると迫力がある。
怒り狂った目つきは凄みがあります。
怖いです。
それがあんなに優しい目になるなんて。
役者として高評価の理由を今さらながら納得できました。
(遅すぎっ)

オカマさんの國村隼はすごかった^^;
土屋アンナはいつも通り素でやってるみたい。
妻夫木聡はのたうちまわってたりコスプレしてたり
薄汚れたメイクだったりでほとんど素顔が見えなかった。
ダメな人を演じるといい味が出ますね。

劇団ひとり演じる消防士、人命救助を果たし
消防士ならではの力でラストの大事な雨を降らせる。

ピーターパン気取りで登場するあのへんてこな医者が
上川隆也だとしばらく気がつかなかったorz
押しつけがましくなくていいお医者さんですね。
「いいじゃないですか。弱くたって。」

「おじさん…昨日もパコのほっぺに触ったよね?」
TVCMで映画館の予告篇で何度も聞いたこのセリフ。
何度も聞いていたのにここでもう堪らず(><。)。。
大貫はきのうパコのほっぺに触ったんじゃなかった。
何をしたのか映画を観て初めてわかりました。
あんなに酷いことをしたのにパコはそれを覚えていない。
それどころか親しい人に再会したように目を輝かせる。

交通事故の後遺症でパコの記憶は一日で消えてしまう。
そんなパコが大貫が触ったことを覚えていた。
「お前の頭の中になんかいたくないんだ!」
大貫はいつもそう言っていたけれど
パコの一言に涙が止まらない。
この子の頭の中にいたい。何かしてあげたいと思い始める。

 

 

パコが大事に持っている本は
朝、枕元に置いてあるママからの誕生日プレゼント。
「毎日読んでね」とママからの添え書きがあるから
いつもその本を読んでいる。
一日しか記憶が保たないパコにとっては
毎日が七歳の誕生日です。
大貫はその絵本をみんなで演じてパコの心に残そうとする。
そこからは絵本の世界を実写化した
にぎやかでカラフルで楽しい映像でした。

思いがけない悲しい結末が待ってましたが
映画はそこでは終わらなかった。
上手に救いを残していて、そこが好き。
カラフルなコーティングだけどシンプルで
とても上質な映画でした。

原作の舞台をちょっと見ましたが
セリフはほとんど原作のままなんですね。

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コメント 4

リュカ

この作品、小説化されたのを読んでめちゃくちゃ感動して泣きました><。
映画も観てみたいです。
by リュカ (2008-09-27 22:50) 

miyuco

リュカさん、ぜひ映画もご覧になってください!
絶対のオススメ作品ですよ^^
nice!とコメントありがとうございます♪

by miyuco (2008-09-28 17:52) 

かずりん

はじめまして!びっけさんのところから来させていただきました!
『パコ・・・』よかったですよね♪
私、二回も行ってしまいました・・・!・・・で、同じところで泣けます。
舞台とは全く違う映像に、初め心配だったんですが(舞台の方を
先に見ていたもので・・)
大切なところ・・そして大好きなセリフもほぼそのままで
とっても安心・・・そして感動しました!
また、あぞびに来させていただきます♪
by かずりん (2008-10-12 22:25) 

miyuco

かずりんさん、はじめまして。
おお、人気ブログびっけさんのところから
来てくださいましたか!バンプファンの方ですね^^
舞台をご覧になった方にも映画が納得できる出来だとしたら
とても幸福な映画化だったと思います。
今年観た映画でこれが一番好きな作品です。
(あんまり観てないけど^^;)
コメントありがとうございました♪
by miyuco (2008-10-13 17:36) 

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