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悪い予感のかけらもないさ [music]

「愛しあってるかい?~キング・オブ・ロック 忌野清志郎~」(5/10)
「SONGS 忌野清志郎ライブ 完全版」(5/12)
NHKで追悼番組が放送されました。

若い若い清志郎の姿を見られるとは。
そうそう動きがミック・ジャガーみたいだったよね。
くるくるよく回ってた。
このステージを見たらファンにならずにはいられない。

以下、一ファンのひとりごと的あれこれ。

「観てると思うけどNHKで忌野清志郎の特集してるよ」
と妹からメールがきた。
汐留PITのLIVE映像が出たので
このライブ見に行ったよねとメールすると
「行った。誰かとのジョイントだった
ストリートスライダーズだっけ?」

1988年12月30日放送となっていたけれど
実際のライブはもっと前だったはず。
だって11月に長男を産んだばかりの私が
12月に出かけられるわけがない。
(4月10日でした)
この時の清志郎は何というか虚ろな感じがした。
ルーティンワークを粛々とこなしているような。
手を抜いているわけではないけれど
冷ややかな手触り。
「COVERS」をめぐるいざこざの直前でした。

怒濤の子育て期間が一段落して
TVを見る余裕ができた頃、
清志郎はサイクリングにハマっていた。
以前にも増して自由な空気をまとい
唄う姿は楽しそうだった。

清志郎を知って人生が変わったわけではない。
清志郎が支えだったという人たちとは立場が違う。
だけど好きだった。
ファンでしたとしか言えない。

葬儀に代わる「青山ロックンロールショー」
竹中直人の芝居じみた弔辞
日本を代表する女優・大竹しのぶの涙の弔辞
TVshow的にいい人選ですね。
きちんと役割を果たす大人の二人
そしてヒロトの訥々と語る言葉。
ワイドショーではほとんどスルーされていたけれど
これこそがファンの胸に響きました。

まるで本人が選んだかのようなラインナップ。
復活ライブの前夜祭としてスマスマに出てしまうような
清志郎にふさわしいにぎやかさ。
家族やスタッフ、周りにいる人々が
本当に清志郎を理解し
心から大切に思っていたのがわかります。

いつものマントをいつもの人がさっと取りのぞくと
マイクスタンドの前には身代わりの大きな位牌。
これはつらかった。
だって今にも清志郎が出てくるみたいだったじゃない。

*
*
*

革ジャンにTHE・WHOのTシャツでキヨシローと呼びかける
ヒロトの弔辞

 

清志郎ーっ。あなたとの思い出にろくなものはございません。
突然呼び出して、知らない歌を歌わせたり、
何だか吹きにくいキーのハーモニカを吹かせてみたり、
レコーディングの作業中に
とんちんかんなアドバイスばかり連発するもんで、
レコーディングがとどこおり、
そのたびに我々は聞こえないふりをするのが必死でした。
でも、今思えば、全部冗談だったんだよな。

きょうも、「清志郎、どんな格好してた?」って知り合いに聞いたら、
「ステージ衣装のまま寝転がってたよ」と言うもんだから、
「そーか、じゃあ、オレも革ジャン着ていくか」と思ってきたら、
何だか浮いてるし。
清志郎のまねをすれば浮くのは当然で、
でも、あなたは、ステージの上はすごく似合ってたよ。
ステージの上の人だったんだな、うん。

一番最近会ったのは、去年の11月、
それはザ・フーの来日公演で武道館の、
その時はあなたは客席の人でした。
ステージの上の清志郎じゃなくて、客席の人でした。
たくさんの人が清志郎にあこがれるように、
あなたはロックンロールにあこがれていました。
僕もそうです。
そんな一観客同士の共感を感じ、とても身近に感じた直後、
あなたはポケットから何かを出されて、
それは業界のコネをフルに生かした戦利品とでもいいましょうか、
ピート・タウンゼントの使用するギターのピックでした。
ちっともあなたは観客席の一人でなかった。
僕があまりにうらやましそうにしているので、
二枚あったそのうちの一つを僕にくれました。
(ポケットを探り)こっちじゃねえや、これだ。
ピート・タウンゼントが使っていたピックです。
これはもう、返さなくていいね。収めます。ありがとう。
一生忘れないよ。
短いかもしれないけど、一生忘れない。

そんで、ありがとうを言いに来たんです。
数々の冗談、ありがとう。いまいち笑えなかったけど。
きょうもそうだよ。ひどいよ、この冗談は。
そんでね、ありがとうを言いにきました。清志郎ありがとう。
それから後ろ向きになっちゃってるけど、
清志郎を支えてくれたスタッフの皆さん、
それから家族の皆さん、親族の皆さん、友人の皆さん、
最高のロックンロールを支えてくれた皆さん、どうもありがとう。
どうもありがとう。
で、あと一つ残るのは、
きょうもたくさん外で待っているあなたのファンです。
彼らにありがとうは、僕は言いません。
僕もその一人だからです。
それはあなたが言ってください。

どうもありがとう。ありがとう。


タグ:清志郎
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DEBDYLAN

ヒロトの弔辞。
らしいですね(笑)
キヨシローも笑ってるんじゃないかと^^。

泉谷しげるのコメントも印象深かったです。
僕とおんなじ気持ちだったから。

僕も熱心なファンてわけじゃなかった。

でも。
バンドでカヴァーしたり。

『COVERS』の頃は、
僕も勝手に世の中に唾吐きかけてた時期だったり(汗)

いろいろありました。。。

僕は僕なりに。
笑って挨拶した。

キヨシローの歌、僕は歌ってた。

お別れじゃないんだよなぁ。
だってこれからも聴き続ける、歌い続ける歌だから。

あんま悲しくない自分が悲しかったりしたよ(苦笑)

変なコメントすみません^^;

by DEBDYLAN (2009-05-15 23:22) 

miyuco

>DEBDYLAN さん
ヒロトもこういう席は苦手でしょうに
よく引き受けてくれたなと思います。
「清志郎」に「さん」をつけるべきだったとか
つまんないこと言うつまんない人たちがいたけれど
DEBDYLAN さんがおっしゃるように
清志郎は笑ってると思う。

テレビをつけると清志郎が出ていて
不意打ちにお会いできて嬉しいと思う場面が
いままで何度もあったから
それがなくなると思うと寂しいです。
でも、お別れだとは私も思いません。
nice!とコメントありがとうございます!

by miyuco (2009-05-16 19:08) 

おきざりスゥ。

マルちゃん歌った時の映像ながしたらNHKも漢だったのに(笑)ぃぇ懐かしいライヴ観られて有難いことでした。
動画ぢゃなかったけどBGMにダーリンミシンかかったのも嬉しかったナ♪結構マイナー扱いだけど可愛らしくて大好きな楽曲。
RC結成…何周年だったっけ?記念アルバム発売に当たりファンの投票を募るってCDショップで用紙みつけた時ずいぶん悩んでダーリンミシンにしました。有名な曲は誰か他の人が書くと思ったから。CDが出ても(出たのか?もワカンナイ^^;)買いませんでしたが…
ファンと云いながら持ってたアルバムは6枚くらい。
今は1枚も手元になくて訃報を聞いた晩は動画サイト巡り。
でもソラで歌える歌は一杯あるから許して貰えるかナー?
by おきざりスゥ。 (2009-05-19 08:34) 

miyuco

動画サイトに続々とアップされる
貴重な映像の数々。
ありがたいことです。
私もyoutube巡りがとまりませんでしたわ。
清志郎へのはなむけみたいでした。

NHKの番組は作り手の
清志郎への深い敬意と愛情を感じました。
すごくよかった!
やっぱかっこいいよ、清志郎!
by miyuco (2009-05-19 18:59) 

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