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佐野元春のザ・ソングライターズ ゲスト小田和正 [music]

「ザ・ソングライターズ」は、シンガーソングライターの
佐野元春さんがホスト役を務め、
日本のソングライターたちをゲストに招いて、
「歌詞」すなわち音楽における言葉をテーマに
探求してゆく番組です。
会場は、佐野さんの母校である立教大学の教室。
音楽・言葉表現を志す学生たちを招き、
ゲストのソングライターと学生との対話も
番組の中に織り込んでゆきます。
NHK教育テレビで、2009年7月から9月にかけての
夜11時台に、12回シリーズで放送予定。


「テーマは歌詞
つまり音楽における言葉がいったいどのように生み出され
多くの人に届いていくのか学生たちと探求していきます」

「僕はポピュラー音楽のソングライターこそが
現代の詩人なのだと思っています」

「ポップソングは時代の表現であり
時代を超えたポエトリー」

第一回のゲストは小田和正(「7/4」「7/11」放送)
若い人たちに「伝えたい」という心づもりで
真摯に語っていく佐野元春と小田和正の姿に
とても好感が持てます。
二人とも先生っぽい雰囲気ですね^^

特に印象に残っているのは
「さよなら」(1979年)について語っていた部分。

もちろん否定はしないんだけれども
いつまでも他人の顔をしているような
なんか商業的なこう歌ったら喜ぶのかな
(と思いながら書いた)
歌っていて不快なことはないけれど
ちょっと自分からは距離があるような曲

だからこそ次のシングルは
「問題提起するような曲」を出したかった。
それが僕らのやってきたことだから。
「生まれ来る子供たちのために」

私も「さよなら」という曲は苦手です。
当時小田さんが「ヒットを狙って書いた」と
言っていたことが頭にあるからかもしれないけれど。
「さよならっ さよなら さよなら」
の絶叫がエレガントではないと思う。
「もう終わりだね」
という出だしの歌詞もあざとい。
(つかみはオッケーって感じではないですか)

しかし、鷲掴みにされるようにグッとくる歌詞も
この曲にはあって、それがなんとも複雑です…

「僕が照れるから誰も見ていない道を 
寄りそい歩ける寒い日が 君は好きだった」

曲先行で、しかも歌詞を書くのが苦手と言っている人から
どうしてこの歌詞が出てくるのかな。

「メロディの中にはこれしかないって言葉が
含まれてると信じている
それを丹念につむぎ出すのがソングライターの仕事 」

昔々、オフコースのドキュメント番組を見ました
「若い広場 オフコースの世界」
(アルバム「OVER」の曲作りからレコーディングまでを密着取材
1982年NHK教育テレビで放送された)
この番組で小田さんが歌詞をつくるために
四苦八苦して言葉を選んでいる姿を見ました。
まるで身を削るような作業風景でした。
小田さんの歌詞は自然にわきでるものではなく
しぼり出すように探りながらできていくのだと
このとき初めて知りました。
だからこそ小田さんが生来備え持っている資質が
歌詞に強く反映されるのかもしれない。
技巧を凝らすという思惑は微塵も感じられないです。
小田さんは自分が思ってるより
はるかにロマンチストな人間だと私は思う。

【言葉にできない】
オフコースというバンドがあって
最後のツアーで最後に歌う歌だった。
詩を書くのが嫌なんです
メロディに対して自然な言葉を探すのが大変
詩を書くのが嫌で詩を書かないで済む方法はないかと
みんなが勝手にイメージして膨らませてくれるもの
悲しい、悔しい、嬉しいことをlalala・・・に託す。
そうか、嬉しくてが最後に来るんだ
これは届くなと思った。

「あなたに会えてほんとうによかった
嬉しくて嬉しくて言葉にできない」

多くの人の心をとらえて離さないこの曲の魅力は
この部分に凝縮されているように思います。
私も大好きな曲です。

【歌詞のなかで繰り返してどうしても使ってしまう言葉】
風、好きなんですよ 
風好きだからまた風かよって言われてもね
ホントは平気なんだけども
やっぱりなんでもかんでも出てきてもなんだなと思って
ホントは全部風でもいいんだオレ

「ホントは全部風でもいいんだオレ」

…なんという名言!
思わず笑っちゃった^^

【好きな映画】
ローマの休日 オードリー・ヘップバーン、好きですね。

「Moon River」をカバーしてましたね。

「同級生が聞いたらどう思うだろう」と
思いながら曲を書いているという言葉も
印象に残りました。

余所行きの顔をした小田さんもいいもんです。
おもしろがるようないたずらっぽい顔をして
誤解を招きかねないきついことを平気で言う小田さんも
大好きだけどね。


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DEBDYLAN

ご無沙汰してます^^;

元春好きな僕なのに、
この番組見逃してます。。。(汗)

再放送やらないかなぁ。。。

興味深い話がたくさん聞けそうですね♪
できれば元春の曲のエピソードばっか聞きたい(笑)
ゲストなしでモノローグでお願いしたいです(爆)

by DEBDYLAN (2009-07-24 23:32) 

関口ちゃん

こんばんは[__わーい] 偶然再放送だったのかな?
見つけて 見ました[__TV]
うんうん歌詞を書くのが苦手って言ってましたね~。
【言葉にできない】は印象に残りますね~[__ぴかぴか]
佐野さんのスマートな進行具合もよかったです^^
それにしても小田さん どうしていつまでもあのような
澄んだ声が出せるのでしょう[__ぴかぴか]
by 関口ちゃん (2009-07-25 19:17) 

miyuco

DEBDYLANさん、こちらこそご無沙汰です^^;
今夜、さだまさしをゲストにした回の後半が
放送されます。
佐野元春、かっこいいですよ♪
相手がいるからこそ飛び出す発言がおもしろい。
「僕は歌詞を書くのは嫌いじゃない」
「〆切があるとプレッシャーになる」
「(曲は)できたら渡す」なんて言ってました。
それじゃあアルバム完成まで
時間がかかりそうだわ…
nice!とコメントありがとうございました!
by miyuco (2009-07-25 21:54) 

miyuco

>関口ちゃん
佐野さんの司会、落ち着いた語り口が
とても素敵でした[ラブラブハート]
小田さんの声は奇跡だなといつも思います。
「言葉にできない」は作ったときの小田さんの
心情がストレートに反映されているので
説得力を持って聴く人の心に届くのでしょうね。
私もこの曲大好きです^^
nice!とコメントありがとうございました!
by miyuco (2009-07-25 22:03) 

おきざりスゥ。

番組の冒頭テーマ曲に使われているカフェボフェミアを聞く度にワクワクしてます♪

>メロディの中にはこれしかないって言葉が含まれてる
素材の石や木の中に既に像は存在していて彫刻家の仕事はソレをそのまま採り出すだけなのだと云う言と同じですネ。
創作する人達は皆そのように考えるものなのでしょうか?

球はいつでも自分の飛びたいコースを持っている。選手はただその通りにラケットの面を合わせてやるだけでいい。それができたときその打球は決して返されない。

正確な文章ではないけれどエースをねらえ!にも↑のような言葉があったはず。
創作に限らず全てに通ずる基本なのかもしれません。

そう考えれば同番組は“音楽・言葉表現を志す学生たち”だけでなく全ての人々に有益な情報を提供していると云えるでしょう。

佐野サン昔SOMEDAYは歌詞ごとサビのメロディが降ってきたって云ってましたっけ^^

苦心惨憺で歌詞を彫り出している小田サンにも稀には降臨の瞬間はあるのでしょうか?
by おきざりスゥ。 (2009-07-28 23:21) 

松matsu

VTRは録画してそのまんまです。
前フリあってよかったかもです。
でも、いつ落ち着いて観られるのか・・・・

夏季講習と研修ですごい夏休みです(笑)
本は3冊がめいいっぱい。
飲み会はもっと少ないです(* ̄m ̄)プッ
by 松matsu (2009-07-29 01:07) 

miyuco

>スゥ。さん
チャンチャラ~チャンチャラ~チャンチャラ[__グッド]
というテーマですよね^^

私は萩尾望都のエッセイ漫画を思い出しました。
「ネームづくりは海に深く深く潜水していくことに似ている」
少年が海の底に潜っていくイラストもよく覚えています。これだと思うものが見つかったときの快感、それが忘れられなくて苦しくても潜っていくというような内容でした。
アーチストは皆こんなふうに感じるのかもしれない。
私も文章を書いていて探り当てたときの快感を
感じることがごくたまにあります。
スケールはとても小さいですが(笑)
nice!とコメントありがとうございます♪
by miyuco (2009-07-29 18:06) 

miyuco

>松matsu
小田さんと佐野さんの声を聞き
顔を見ているだけでなんだか嬉しくなりました。
ぜひご覧になってくださいませ^^
nice!とコメントありがとうございます♪

飲み会は増やすべきですっ[__!!]
by miyuco (2009-07-29 18:10) 

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