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『植物図鑑』 有川浩 [読書]

かわいくて甘い甘いラブストーリー
楽しいです。さわやかです。

さやかの一人称で語られる物語。
イツキのさりげない行動にときめき
勝手に傷つき、泣いたり笑ったり。
自分について多くを語ろうとしないイツキに
別れの予感を拭いきれないせつなさが
ついてまわります。
ふたりはどのような結末を迎えるのでしょうか。

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「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか? 
咬みません。躾のできたよい子です」
「 ――あらやだ。けっこういい男。」
ある日、道ばたに落ちていた彼。
「樹木の樹って書いてイツキと読むんだ」。
さやかが彼から聞いたのは、それだけ。
でも、それで充分だった。
二人の共同生活は
次第にかけがえのない日々となっていく?
花を咲かせるよう、この恋を育てよう。
野に育つ草花に託して語られる、
有川作品いちばんの特濃ベタ甘ラブストーリー!!
web KADOKAWA

プロローグは「ヘクソカズラ」

ビルの隙間に挟まっている月極駐車場のフェンスに
つる草がびっしりと絡みついており、
白い色彩はそのつる草が咲き誇らせている小花だった。
百合にフリルのカッティングをつけたような形と
中心を飾るえんじの色が愛らしい。

上司のお供で外回りをしていたさやかは
「なかなか見事なものだな」と言う上司に
あれは雑草ですよと教える。
和名はヘクソカズラ

それを教えてくれた樹(いつき)は
さやかの元から突然消えてしまった。
今はもういない。
別れがあったことを読者は最初に知らされる。
そして出会いからの日々が語られることとなる。

飲み会からの帰り、酔った勢いで拾った躾のいい犬
リュック一つで行き倒れていたイツキは料理上手だった。
胃袋をがっちり掴まれてしまったさやかは
ルームシェアを提案。居候の条件は家事全般の管理。

凄腕ハウスキーパーは重度の植物オタクだった

「狩りをかねた散歩」
「フキノトウ」「フキ」「ツクシ」「ノビル」「タンポポ」
河川敷や山を拓いて造成した空き地などに散歩
そこで手に入れた「獲物」を持ち帰り料理して食す。
植物に詳しいイツキがいるからこそできること。
楽しそうですね^^

カーテンコールが二編入っています。
書き下ろしの「ゴゴサンジ」
さやかに交際を申し込んだ同僚の営業マンの
心配りがとても優しくてすてきでした。
そしてそれを書いてくれる有川浩さんも素敵です。

表紙絵が大好き。
描かれているのはヘクソカズラの可憐な花
シロツメクサの花かんむり。
私も小学生の頃、空き地でよくつくってました。
草を結んでつくったトラップもたくさんつくってた^^;
イツキとさやかはなぜ四つ葉のクローバーを
探さなかったんだろう?

ノビルをセイヨウカラシナとベーコンとあわせて
パスタの具にしていた。それもおいしそうだけど
私の実家では味噌をつけてそのまま食べていました。
わりと頻繁に食卓に上っていたような気がするけれど
どこで採ってたんだろう?水道道路かな
よもぎを摘んで作ってくれたお饅頭も
なつかしく思い出します。

雑木林を通り抜けて小学校に通ってました。
学校が終わると遊び場所は
あちこちにある林と空き地
すみれの群生地を見つけたり
満開の桜にのぼったり
野に咲く花を摘んでおままごと
「雑草」という認識はまったくなかった
あるのは「お花」というくくりだけ
ノイチゴを食べ花の蜜を吸って遊んでた

そんな日々を思い出しました。


タグ:有川浩
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春分

はじめて来たかと思ってましたら、「バナナブレッドのプディング」の記事にnice!とコメントを残しておりました。再訪問です。こんな面白いブログを忘れていたとは、なんともったいないと反省しています。
また、参ります(よろしければ)。
なお、野生のノビルはどうもスジが硬くて、売っているノビルがやはりおいしいと思います。
by 春分 (2009-08-09 20:49) 

miyuco

>春分さん
コメントいただいたことよく覚えております^^
私はびっけさんの大ファンなので
びっけさんのコメント欄の常連さんのブログには
よく伺っているのですが失礼とは思いながらも
いわゆる「読み逃げ」ばかりでございます。
春分さんのブログもこっそりと拝見してます^^
最近ドラクエばかりでさぼりがちのブログですが
こちらこそよろしくお願いいたします。

ノビルって売ってるんですか[!?]
by miyuco (2009-08-10 23:18) 

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