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佐野元春のザ・ソングライターズ ゲスト・矢野顕子 [music]

おもしろかった!

同時代を生きてきた矢野顕子と佐野元春
互いに絶対的な信頼感を持っていることが
見ていてよくわかる^^
心地よいやりとりでした。

矢野さんの歌を聴いて素敵だなと思ったのは
【同性へのシンパシー】だと佐野元春は言ってました。
同じ女性を励ます歌。

本当のこと知ったから もう うそにはもどれない
GO GIRL

本当のことを知りたいと思う人
知るまで探し続ける人

どうでもいいじゃない
本当のことに関心がない人

世の中には二種類の人間がいる
だからこの歌詞のラインは
全ての人が共鳴するものではないと思っている
<矢野顕子>

「愛をめぐる5W1H」
いつ?When?
誰が?Who?
どこで?Where?
なぜ?Why?
何を?What?
どうしたHow?
学生たちがそれぞれの項目を簡潔にまとめて記入する。
それに矢野顕子が曲をつける。

言葉のかけらがメロディをまとい
ふくよかなストーリーが目の前に現れる。
素晴らしかった!
 

学生の書いたものはシンプルなフレーズ
これを一文字も直さずに曲をつけてました。

いつでも
私は
どこでも
君とつながっていたくて
ケータイを
何度も見てしまう

メロディがつくことによって
そこに聴いた人の想像力が入り込む
余地ができる。
<矢野顕子>

カバーするのは男性が作った曲ばかり
それはなぜか。
女性が書いたものは
いつでもそこに【ワタシ】がいる。
だから矢野顕子は入れない。

これはなんだかわかるような気がします。

次に選んだのは「恋愛」ではなく
親子の間にある「愛情」

先週
自分が
自宅で
映画のワンシーンを見て 電話をした
1.5年ぶりに親にかけた。
声が変わっていた
(見ていた映画は<LIFE IS BEAUTIFUL>)

矢野「このままで曲をつけるのは…
   できないことはないけど」
佐野「できないことはないけど
   もうちょっと細部を磨いたほうがいいですよね」
矢野「この気持ちをちゃんと表現するだけの詩を…
   これはね、佐野元春のほうがうまいですよ、たぶん」
   「………」
   「これ、リライトして?」(プレッシャー気味の口調で)
佐野「ハイ」

<LIFE IS BEAUTIFUL>

先週のこと
僕が住む部屋から 電話した
映画をみたあと 電話した
ひさしぶりに母の声をきいた
僕が知っている 声じゃなかった

「すっばらしい!信じられない!」
矢野顕子が曲をつけて歌い終わったとき
佐野さんは感嘆してましたが
見ている私も同じ気持ちでした。
鳥肌が立った。

「音楽、言葉が立ち上がってくる瞬間」
感動でした。
即興で弾くピアノが素晴らしい。

そして佐野元春の歌詞をつくるセンス
これも素晴らしかった。
原文を書いた学生に質問をして
スラスラと言葉を紡いでいく。
意図を汲みながらも
リズムがのったらどうなるか
メロディがのったらどうなるのか
小節が加わったらどうまとまるのか
同時にいろいろな事を考えながら書きあげる。
出来上がった詩は
まさに佐野元春らしい詩でした。

この回を見た人はお得でしたね^^
ゲストの矢野顕子だけではなく
佐野元春のソングライティングも見ることができました。

学生たちの質問に矢野顕子は丁寧に答えていく。
【聴く人が違う解釈をしたらその作品は失敗か?】
むしろ成功ではないでしょうかと言いながら
奥田民生の唄う「ラーメン食べたい」を例に出す。

私が食べたいラーメンじゃないの
なのにね、すんごくいいんですよ。
私はこのラーメン食べないけど
みんなはそのおいしそうなラーメン食べられて
よかったねって言えるの。
むしろ他の人の想像力が
歌い手であろうが聞く人であろうが
とんどん入ってくれたほうが
私はその曲が喜ぶんじゃないかと思うんですけど。

【法律を学んでいるのですが
女性であることで制限されることが多い
女であることに対してどう考えているか】

社会は不公平にできている。
ならばできる手段としてこちらの考え方を変える。
私自身が幸せであるために何が必要かといえば
私が私に誇りを持つ、
私が存在することに意義があるという事に対する
認識を高く持つ。
法律を学んでいるならば
そこで自分の満足する方法を確立する
そうすれば例え負けることがあってもオッケーだから
そしてそういう姿をちゃんと認めてくれる人は
意外といるもんですよ。

矢野顕子さんは一本芯の通ったすてきな女性だと
再認識した次第でございます。
 

*
*
*
「本当のことを知りたいと思う人」
たぶん自分はそう思う側にいるのだと思う。
若い頃は全ての人がそうだと思いこんでいた。
そうではない人がいるなんて思いもしなかった。
今ではいろいろな人がいるとわかる。
そうしなくてはいられない時もあるとわかる。
若い頃はイヤなヤツだったなとしみじみ思います。
不快な思いをさせてしまった方たち、
申し訳ありませんでした。(何をいまさら…)
今でも時々やっちまったと思うときがあります。
被害者は主にオット、および家族^^;

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meicha

はじめまして。清志郎が亡くなった時、ネットをいろいろ見ていて、こちらのブログにたどりついて以来、時々おじゃましています。矢野顕子さんは、高校生のころから、ずっと好きで、この番組もとても楽しみにしていました。本当に、おふたりの間の信頼感のような雰囲気がとてもよかったですよね。音楽のマジックも、真剣に見入って、聴き入って、しまいました。私にとって、矢野さんは「人間、ひとりであること、をきちんと受け止めること」をなんとなく教えてくれた大人の女性という印象です。昔、宝島のインタビューで、「結婚しても、お母さんになっても、面白がる、という気持ちを忘れないでほしい。」と話されていて、結婚して、母になって、四十代になった今、そうだよね~と励まされています。
長々、すみません★
by meicha (2009-09-23 22:42) 

miyuco

meichaさん、はじめまして^^
ゲストが矢野顕子さんだと知って
私もとても楽しみにしていました。
本当におふたりの醸し出す雰囲気が
すてきでしたよね。
「人間、ひとりであること、をきちんと受け止めること」
ああそうですね。
受け入れるけれど寄りかからないというような
毅然としてしかも柔らかい佇まいを感じます。
「面白がる」という気持ち、
私も持ち続けたいです。
コメントありがとうございました^^

清志郎にこの番組に出て欲しかったなと
いつも思ってしまいます。
by miyuco (2009-09-24 19:28) 

miyuco

スゥ。さん、nice!ありがとうございます!
by miyuco (2009-09-25 17:16) 

おきざりスゥ。

無責任な云い方をすれば矢野顕子は天才。もうネ一言で終っちゃう。

はじめて彼女の楽曲に触れた時は万葉の歌人みたいと思ったものです。
大きく明るく豊かで力強い。始源的な逞しさのある歌詞に惚れ惚れしました。

ちゃちなプライドなぞ吹き飛ばす根源的な誇り高さ。

松本隆の繊細で緻密に計算された(ように思える)作詞とは同じベクトルの対極へ乗ってる感じ。同じ器でもバカラグラスと火焔土器くらい違ってる。

それぞれの器から注がれる飲み物は異なる美味で舌を悦ばせてくれるけれど命を養うのはアッコちゃんの縄文式土器からの水な気がする。

キヨシロさんと2人彼らの歌詞は特別でした。

松本隆が松田聖子プロジェクトで飛ばした驚異的なヒットの数々に比べ矢野顕子はタイアップ物の2曲(春咲小紅とDivid)をチャートインさせたに留まるのは単に方向性の違い。

それは作詞だけに特化して担当するのと作詞作曲アレンジ演奏歌唱と全てを1人で賄うのの違いに関係するかもしれません。

このソングライターズは歌詞をクローズアップする番組だから歌詞だけを担う作家も共に俎上に載るけれど学生のシンプルな5W1Hがピアノの音色と一緒に立ち上がってきた時やはり楽曲の力は凄いと再認しました。



何度か携帯ボタンちまちま打ち直したンですが(今またPCダメなの >_< )このコメ纏まりません^^;
もうネ矢野顕子は天才!って一言で無責任に終わりにすれば好かった^_^;

そんなわけでnice!押し逃げ状態で放置しといて失礼しましたm(__)m
by おきざりスゥ。 (2009-10-02 07:42) 

miyuco

スゥ。さん、コメントありがとうございます!
「押し逃げ」なんて…
気にしないから大丈夫^^
矢野顕子は歌詞に技巧を凝らしてないはずがなく
それはプロだから当然の事だけれど
自然にわき上がってくる言葉が
そのまま曲に乗っかって出てきただけの
ナチュラルなものに感じられます。
「始源的な逞しさ」同感です。

「WORKSHOP」感動でした。
矢野さんも佐野さんも素晴らしかった!
いいものを見せていただきました^^

by miyuco (2009-10-03 00:08) 

miyuco

saraさん、nice!ありがとうございます!

by miyuco (2009-10-08 17:07) 

miyuco

Studio-Ozさん、nice!ありがとうございます!
by miyuco (2010-02-21 18:13) 

たか

すべてのソングライターズをみましたけど、この矢野顕子の回は何度も見てしまうくらい、自分にすっと落ちてくるものがあります。

学生さんの若さが、見ている自分にとって、とても心地が良かった。
by たか (2013-02-06 23:27) 

miyuco

たかさん、コメントありがとうございます^^
矢野さんも佐野さんも楽しそうに学生に
向き合ってましたよね。
その上でプロフェッショナルな仕事ぶりを
見せてくれて本当に素晴らしかった。
by miyuco (2013-02-07 21:50) 

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