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『ソウル・コレクター』 ジェフリー・ディーヴァー [読書・海外]

そいつは電子データを操り、証拠を捏造し、殺人を繰り返す
──どの証拠が犯人につながるのか? 
新たな強敵にライムとアメリアが挑む
リンカーン・ライム・シリーズ最新作

前作『ウォッチメーカー』のようにひねりにひねった展開を
期待していると肩すかしをくらったように感じる。
(あれ以上を望むのはハードル高すぎだけど)
今回の犯人はライムの相手には役不足ではないかな。
それでもおもしろかった。
いつものように読み始めたらとまらない!


 

リンカーン・ライムのいとこアーサーが
殺人容疑で逮捕された。
本人は容疑を否認しているが証拠は十分揃っている。
有罪は確定的に見える。
しかしライムは証拠がそろいすぎていると感じる。
アーサーははめられたのではないか。

今回の犯人・未詳五二二号はそれほど賢くないのでは。
神のごとく万能なツールを手に入れただけの
ちょっと知恵の回る人物であり
ライムの相手としては物足りない。
容疑者を仕立て上げる手段はワンパターンだし
何よりライムのいとこをターゲットに選んだ時点で
アウトでしょう。

個人情報、購入履歴、住居、車、
クレジットカードの利用履歴など
あらゆるデータが蓄積されている情報サービス会社から
必要な情報を手に入れ、それを悪用し
偽の証拠を作り上げるという手口。
情報は被害者に近づくためにも使われる。
ここまで徹底的にリサーチされ
さらにデータを改竄されたら手も足も出ない。

結局真犯人にたどりついたのは
不審な侵入者の落としたレシートがきっかけという
ずいぶんアナログな展開でした。
ライムの頭脳の出番が少なくて残念。

捜査陣が犯人の行動の先手を打ち
自分に捜査の手が及ぶとは全く思っていない犯人が
「なぜだ」とあわてふためく場面は
いつもながらスカッとします。

あわやこれまでかという局面が
アメリア・サックスと“ルーキー”プラスキーそれぞれにあり
ハラハラしました。
勘弁してくださいよ、ディーヴァー先生。
心臓に悪いってば…

偽の証拠で濡れ衣を着せられそうになった人物の家に
捜査陣が先回りした場面とか犯人との直接対決のときの
筆致はスピード感がありスリリングでした。
ライムの部屋での頭脳戦もおもしろいし
アクションシーンもおもしろい。よくできています。

いとこをリサーチしたときに
ライムが引っ掛からなかったのは
10年もの間、疎遠になっていたから。
回想という形でライムの若い頃の様子が描かれます。
ライムもデータ改竄の被害者だったわけですね。

真っ赤なカマロに合掌【T__T】

ソウル・コレクター

ソウル・コレクター

  • 作者: ジェフリー・ディーヴァー
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/10/29
  • メディア: 単行本


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