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『アバター』 [外国映画]

22世紀、地球から遠く離れた惑星パンドラへと
やってきた元海兵隊員ジェイクは、
自らの分身となる“アバター”を操り、
先住民ナヴィと交流するが、
やがて鉱物資源を巡って勃発する人類とナヴィとの
戦争に巻き込まれていく。

「パンドラ」には莫大な利益をもたらす鉱物が眠っている。
しかし乱暴な手段で「宝」を手に入れようとする人間たちは
先住民ナヴィにとって自然の秩序を乱す存在であり
とうてい相容れることはできない。
元海兵隊員ジェイクの目的は
人間とナヴィのDNAの結合体「アバター」を遠隔操作し
ナヴィの信頼を得ることだった。

熱帯雨林が大陸の大部分を占め
アマゾンをスケールアップしたような惑星「パンドラ」
巨大な樹木が絡みあいどう猛な生物が跋扈する
空中に浮かぶ岩石、神聖なる「魂の木」
映画館の大きいスクリーンで見てよかった。
圧倒される映像。
2時間40分があっという間でした。

人間の1.5倍、身長は3メートル
しっぽと硬化した青い皮膚を持つナヴィ
最初は顔立ちに違和感があったのに
徐々にネイティリがかわいらしく見えてきました。
ジェイクがアバターと似ていると気づかなかったけれど
シガニー・ウィーバーがそっくりだったので
きっとジェイクも似ているんだわと思いながら見てたら
似ているように思えてきた^^;

ストーリーはシンプルです。
大勢の方が「ダンス・ウィズ・ウルブズ」に似通っていると
指摘していますが、たしかにそうですね。
そしてジブリ映画のさまざまなシーンが頭をよぎります。

「母なるエイワは誰の見方もしない。自然の調和を保つだけ」

このセリフはまさしく宮崎駿のジブリ映画から
くり返し受け取ったエッセンスと同じです。

「エイワ」
惑星全体に張り巡らせた神経繊維ネットワークの総称
パンドラの神に近い存在
ナヴィは体の一部を使って直接アクセスできる

急死した双子の兄の身代わりとして
ジェイクはパンドラにやってくる。
(DNAが一致するのでアバターを無駄にしないですむ)
科学者の兄だからこそプロジェクトに参加できたはず
元海兵隊員のジェイクには無縁の仕事だったが
軍人としての資質をアバターに吹き込んだことによって
ナヴィとのコンタクトに成功し物語は動き出す。
ジェイクでなかったらナヴィの儀式をこなすことは
難しかったでしょう。
この辺りの設定はよく考えられています。

アバターが眠ると機械に入っていた人間の体が
目覚めるというのもおもしろかった。
どちらの世界が本来の自分が属する場所か
わからなくなるというジェイクの気持ちがよくわかります。
現実では下半身マヒの不自由な体なのに
アバターに精神が移行すると自由に走りまわれる。
それだけでもアバターにシンクロしていたほうがいいよね。

悪の化身・大佐との一騎打ち、生身の対決が
ラストに用意されていて娯楽としての映画の法則を
きちんと見せてくれるのがいいですね。
戦闘機から落っこちて終わりじゃつまんない。
大佐は見事なヒールっぷりでした。

以下、つぶやきっぽいいろいろ


・「トルーク・マクト」として現れた瞬間に
裏切り行為を忘れたかのように
ナヴィがひれ伏すのは何だかなあ
・そうでもしないとナヴィを勝たせることはできないけど
・ジェイクは結局、部族の支配者になるのか
・人間の体からアバターへと魂をうつしかえることに
力を貸したのだからエイワはジェイクをはっきりと選んだことになる。
・支配者にならずにかっこよく去っていくってほうがよくない?
(しかしどこへ^^;)
・「ヤツらはどこにでも神がいるという(嘲笑)」大佐・談
わたしは(日本人は)その概念が自然と身に付いているので
それを理解しない人がいるということを忘れてしまう。
わかってたつもりだったのにハッとしました。
・後頭部から出ている長い巻き毛のようなものを
コンセントのように使ってエイワと接続する。
目に見えるかたちできちんと説明しなければいけないのね。
なんだか即物的なように感じてしまった…
・女性パイロットが男前すぎる!なんてかっこいいんだ!

Avatar-Teaser-Poster.jpg

これを言うのは御法度かもしれないけど
宮崎駿はやっぱりすごいと思った次第です。
ストーリーの厚みが違いすぎる。

 

 


 


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おきざりスゥ。

◆ダンス・ウィズ・ウルブスは未見なのでナウシカなハッピーエンドのラストサムライというのが一言での感想でスゥ。

パンドラは楽園でしたネ。
農耕の要がない狩猟採集のみの生活を支える豊かな森。

病や怪我は魂の木で癒されるし祖先の知恵もまた魂の木から得られる。

不治の病や怪我も在るが(あんな風に自らの肉体を動かせる快感が喪われるのは辛いだろうけれど)喪われるのは肉体だけで知識や経験はエイワに融合され蓄積され生者との交流も可能。

個人は確立しているが孤立している者は皆無。

完璧。
そりゃ物々交換の必要もないでしょうパンドラには何もかも揃ってるンですもの。

あの星の住民に生まれたら幸せだろーなー^^


◆ところでレアメタルは非常に高価であるという説明しかされてませんでしたけどアレ何だったンでしょう?

(ホームツリーの下に大鉱床があるということは丸っきり無関係と云えないかもしれませんが)
他の星で鉱石の埋蔵している場所に似たような植生がないのなら…ホームツリーと無関係に鉱床が在るのなら…
物々交換ぢゃなくてタダ頂戴って云えば好かったと思うンです^^;

(鉱石がエネルギー体なのか医療用なのか兵器転用可能なのかで話は変わってきましょうが)ナヴィたちは満ち足りているが地球人は不足を補うものを欲している。その石があれば地球で幸せになれる人が大勢いるから貰えないかしら?って云ったら掘削を弊害のないよう丁寧にすると約束すれば彼らはタダくれたと思うンですがネェ?

平べったく云うと例えば愛する女と同衾を望むとき百億が千億でも金銭を介在させたら侮辱きわまるけれど欲する純粋な想いを受け入れられるならば行為は無償が当然でしょう?そんな感じ。

タダで譲って貰うって発想なかったンでしょうネ。
ジェイクは授業料なしに部族生活のイロハを教わったのに。


◆設定で巧いナと思ったのは地球人側が地球政府の代表でないところ。
軍人も単なる傭兵で忠誠を誓う国を背負っての行動でもなく況してや同胞を守る戦いでもない。
企業の経済活動だから撤退しやすい(笑)
あのレアメタルが入手出来なければ地球人類滅亡とかの設定ぢゃないもンネ^^

だから軍用ヘリの女性パイロットが組織に背くのに心理的葛藤場面が省かれていても違和感がなかったし(星や人類の命運が懸かっていたら…)
しかし彼女には生き残って貰いたかった。

んで彼女だけが小石っくらいのレアメタルを土産に地球へ帰還する…みたいなストーリーを期待さたンですが…残念(>_<)


◆いかにトルーク・マクトであっても戦闘爆撃機と戦う術はあるのかとハラハラしたら掴んで投げてブッつけるという素晴らしい戦法が展開されたのは胸がスッとしました♪

ヒャアまたも長文失礼しましたァ(携帯電話からョ♪)
by おきざりスゥ。 (2010-01-22 20:51) 

miyuco

ジジョさん、nice!ありがとうございました^^

by miyuco (2010-01-24 12:15) 

miyuco

あきんたんさん、nice!ありがとうございました^^
by miyuco (2010-01-24 12:15) 

miyuco

スゥ。さん、ケータイからのコメントありがとうございます!
私は逆に「ラストサムライ」を観ていないのでした^^

>物々交換ぢゃなくてタダ頂戴って云えば好かったと思うンです^^;
きっとそういう考えがないんでしょうね。
だって相手は野蛮人だし~とか
あくまでも上から目線でいくのが人間の
というか利益を上げようとする企業の考えなのでは。

「人類を裏切った気分はどうだ」
というようなことを大佐がジェイクに言ってたけど
ものすごく違和感がありました。
君たちはいったいいつから人類代表になったんだね?
スゥ。さんがおっしゃるように「企業」であるという設定は
うまく機能してましたね。
戦闘機も輸送機を改造しただけのものだったし。

強靱な意志を持ったカリスマ性のある軍人が
ひとりでもいればあっけなくクーデターを起こせる
というのはちょっと怖かったです。

by miyuco (2010-01-24 12:30) 

♪~Daisy

はじめまして。
大佐の戦闘機の名前を調べようとしていたら、コチラへたまたま当たりました!
同感~!と思うとこがあったので、コメント残させていただきました。

私もどうしても、宮崎駿がチラついて仕方ありませんでした。
影響を受けたのでしょうか、それとも両者同じ元ネタがあるのでしょうか。
はたまた、こういうテーマを描くと、こうなっちゃうんでしょうか…。

そうそう!ネイティリの心が、いきなりジェイクに戻るところ!
私も、もっと彼女の葛藤とか、彼の説得とか、なんか欲しかったです。

あのUSBみたいな毛…
ナヴィが自然の象徴のように描かれているにも拘わらず、機械的なものを感じて、私も違和感がありました…。
なるほど、おっしゃる通り、分かりやすくする必要があるのかも、ですね。

あの女性パイロット(ミシェル・ロドリゲス)は、私も愛するドラマ「LOST」のシーズン3にも出ていて、その勇敢で一本気なイメージは、同じです。
ああいう役がハマリますね~。
ぜひご覧になって下さい!

私も「アバター」について、ブログで持論をつらつらとつづっておりやす。
おヒマな折、、いらしていただければ幸いです♪
by ♪~Daisy (2010-03-20 00:25) 

miyuco

♪~Daisy さん、はじめまして^^

「ミヤザキの新作は必ず見ている
実は映画の最後に『もののけ姫』に
オマージュを捧げた場面があるんだ」
とキャメロン監督は語っているようですよ。

宮崎駿監督の映画を観てきた日本人が
ジブリの気配(?)を感じ取ってしまうのは
当然なのですね。
女性パイロット(ミシェル・ロドリゲス)は
印象的でかっこよかった。
男前でした!

コメントありがとうございました♪
by miyuco (2010-03-21 17:30) 

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