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『マスカレードホテル』 東野圭吾 [読書]

東野圭吾は嫌なヤツを書くのがうまいですね。
そしてエピソードを連ねて人の内面が
徐々に変化していくさまを描くのもうまいです。
ホテルの内情もおもしろかった。
ミステリーとして読むととりたてていい出来とは言い切れない。
しかしそういう枠は作者にはもう必要ないのかもしれない。
エンタテイメントとしては申し分ない作品です。
冴えないと思いきや有能極まりない能勢刑事がかっこよかった!
(イメージは蛭子さん^^;)


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新田浩介、刑事。
彼の仕事は、相手の仮面をはがすこと。
山岸尚美、ホテルスタッフ。
彼女の仕事は、お客様の仮面を守ること。
舞台は都内の一流ホテル。
ターゲットも犯人も不明のままに、
事件を食い止めようとする二人の前に、
さまざまな人間がやってくる。

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ホスピタリティとは無縁のこわもての刑事が
有能なホテルスタッフの女性と組んで仕事をすれば
反発しあうのは当然です。
しかしふたりには自分の職業にプライドを持ち
妥協しないという共通点があります。
客から持ち込まれるさまざまなトラブルを
それぞれの経験を生かして解決するうちに
いつしかお互いを認め合うようになります。

「ホテルで犯罪(殺人事件)が起こるはず」
ということだけで張り込むのは雲をつかむような話です。
トラブルが起こるたびに犯罪に結びつかないのかと
警察は神経をとがらせるわけですが
エピソードが小粒なので、
これが連続殺人に連なるとはとても思えないなと
途中、ちょっと冷めた気持ちになってしまった。
結局はそれを反転させた作者の勝ちってことだけど。

新田はプライドが高いだけの鼻持ちならないヤツだと
最初は思っていたけれど、実は優秀な刑事だったのですね。
能勢刑事は最強すぎる^^;
新田の手足となって動きまわり事件を解決に導く。
若造の新田に対する先輩刑事としてのまなざしも温かでした。

ラストも気が利いてました。
おもしろかった!

以下、未読の方はご注意を


 

*
*
*

・緯度・経度は見当がついたけど
その先は私にはムリだった・・・

・日付が入っているから不確かな状況での殺人は
発生しないと指摘する能勢さんに感心しました。

・犯人を油断させるためにワンクッションおくという
細かな描写が好き。
小説でも映画でもこういうところはお約束なのに
おろそかにして単調に仕上げる作家さんが結構いるので
もったいないと思うことがままあります。興醒めします。
東野圭吾がそんなことするわけないけど。

・大きい仕掛けだったけどそれほど必要ではなかったかも。
犯人は頭が良すぎて考えすぎた感じ。

・新田を演じるとしたら誰かな?
若い頃の阿部寛だったらぴったりだったかな。
嫌なヤツ演技はムカイくんとか小栗くんかな
などといろいろ考えて楽しみました(*^^*)

マスカレード・ホテル

マスカレード・ホテル

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2011/09/09
  • メディア: 単行本


タグ:東野圭吾
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ミナモ

こんにちは☆
この本、今から読み始めるところです~。
東野さんはあまり読まない方なのですが、評判が良さそうなので3年ぶりに著作を手に取ってみました。
どんな噺が待っているのか、楽しみです(ノ´∀`*)

by ミナモ (2011-11-10 11:48) 

miyuco

ミナモちゃん、nice!とコメントありがとうございます。
東野圭吾の上手さを実感した本でした。
感想、楽しみにしています☆
by miyuco (2011-11-20 18:18) 

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