『ゆず、香る』 有川浩 [読書]
とてもすてきなラブストーリーでした。
「大学の英会話サークルで出会った彼女と彼は、
付かず離れずの微妙な距離感。
お互い社会人になった今も数カ月に一度、
友人として曖昧な時間を過ごす。」
ふとした出来事で身動きがとれなくなり
臆病になり、一歩が踏み出せなくなる。
ましてやそれが失いたくない相手だったらなおのこと。
「曖昧な時間」を変化させるのが、『ゆず』
「礼儀正しい今までの歴史」はもうおしまい。
ラストの成り行きにあたたかい気持ちになりました。
この本は変わった形態で本屋さんの棚に並んでいて
なんだろうと思わず手に取ってしまった。
文庫本1冊と入浴剤1包でワンセットの「ほっと文庫」。
バンダイ×角川文庫のコラボで、入浴剤は
作品中に登場する「色」と「香り」をイメージしたもの。
冒頭にでてくる風景の描写で
「県庁おもてなし課」にでてくるあの場所だと
すぐにわかってなんだか楽しくなる。
「県庁・・・」の登場人物たちの姿が重なって
故郷を思う彼女の気持ちが
一気に心に流れ込んできました。
「濃(こま)やか」という表現が
有川浩の作品にはよくでてきます。
(例・「濃やかなんだから。この男は」)
人と人とのやりとりのなかから
ほのかですくい取るのが難しいような感情の揺れを
そっとつむぎだす有川さんの文章こそが
「濃やか」だなといつも思います。
タグ:有川浩
ハマコウさん、nice!ありがとうございます^^
by miyuco (2012-01-10 17:53)