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『本日は大安なり』 辻村深月 [読書]

なんてきれいな着地なんだろう!
散りばめられたあれやこれやが見事に回収されていく。
花嫁さんたちの幸福そうな姿がとてもよかったです。
 
一世一代のたくらみを胸に秘める美人双子姉妹、
ウェディングプランナーを振り回すクレーマー新婦、
大好きな叔母の結婚にフクザツな心境の男子小学生、
誰にも言えない重大な秘密を抱えたまま
当日を迎えてしまった新郎。
憧れの高級結婚式場で、同日に行われる4つの結婚式。
それぞれの思惑と事情が臨界点に達した、そのとき―。

結婚式場を舞台にした物語なのだから
読後感は幸せなものであってほしいと
思いながら読み進みましたが
読み終わってみると想像してたよりも
ずっとずっとたくさんの幸福感が残りました。
おもわずにっこりしたくなるような結末がうれしい。

辻村深月さんの本を読むのははじめてですが
ほかの作品も読んでみたくなりました。

ドラマ化したようです。
どうも原作とはだいぶ違う味付けのようですね。
見てないけど・・・
真空(まそら)くんを演じるのが加藤清史朗くんと
知ってやっぱりと深くうなづくのでした。
読んでいると自然に清史朗くんが浮かんできたので^^

賢くてやさしい真空くん、がんばりましたね!

さて、何を書いてもこれから読む方の楽しみを
邪魔することになってしまいそうなので
以下、読み終わったひとだけどうぞ

*
*
*

双子の旦那さまはやっかいな相手を選んだけれど
退屈とは無縁な生活になりそうですね。
それもまた楽しそう。
「ややこしい人間」の相乗効果で
事態は果てしなく複雑化しそうな気もするけど…

マリアベール、生焼けのグラタン、毒、
魔女みたいな紫色のお化粧
散りばめられていたものが
幸福な結末のピースとなり、ぴたりとはまっていく。

人物でもちょっとしたフェイクがあって楽しい。
陸雄くんのやんちゃな結婚相手が
「運命の女」のなれの果て?
と一瞬思ってしまう語り口になってました。

それにしても陸雄くん、運がよすぎですわ。
一発なぐられるくらいで済んで本当によかった。
貴和子さんを大切にするんだよ。

誤解されがちな東さん、それまで興味なかったのに、
真空くんと一緒にゲーム。
不器用だけどやさしい人でした。
りえちゃんの目は確かだったのね。

わがままな新婦の玲奈。いや~な女の子なのに、
ウエディングプランナーへのサプライズで
読んでいた私まで泣かされました。

裏方をつとめる多香子まで幸福になるという
すみずみまでよくできた物語でした。
おもしろかった!

本日は大安なり

本日は大安なり

  • 作者: 辻村 深月
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/02/26
  • メディア: 単行本


・「子どもたちは夜と遊ぶ」を読み終えてからの追記

「狐塚」と「恭司」が出ていたんですね。

「俺、子供好きなんだ」
「お前が留学してる間に好きになったの。
いろいろあったんだって、俺も」

恭司が言っている「いろいろ」は
『ぼくのメジャースプーン』でのことかな?
まだ読んでないので楽しみです。

「だからこれは月ちゃんのためなんだ」
恭司がストッパーになったのは
月子から相談を受けたから。
つきあいが続いていることがわかって
なんだか嬉しい。


タグ:辻村深月
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