『政と源』 三浦しをん [読書]
「俺の暴走を止めてみやがれ」
「なんの俺だって負けてはいないぞ」
という感じのじいさんコンビの話です。
よろしくお願いいたします。
三浦しをん
水路が迷路のように張りめぐらされている町が舞台
運河に面した家には船着き場がある。
政と源も小舟で行き来します。
ふたり合わせて146歳の幼なじみのお話
元銀行員・国政には妻も娘も孫もいるが一人暮らし。
数年前に妻は家出、長女一家と暮らしている。
「家族に愛想をつかされ、
勤めを辞めたら居場所まで失った」
認めたくないが「さびしい老後」
つまみ簪職人・源二郎は妻に先立たれた男やもめ。
天涯孤独の身の上。
しかし若い弟子(徹平)をとって楽しげに暮らす。
「源二郎は昔から要領がよく、ひとに好かれる。
心から愛した女と結婚し、死ぬまで身ひとつで
食っていけるだけの技術も持っている。」
政は源をうらやむ。
ひがんだり卑屈になったりする国政がうっとうしくて
前半はあまり楽しめなかった。
だって身から出た錆じゃん。
しかし源二郎と花枝の馴れ初めが
語られるあたりからおもしろくなってきた。
* * *
本当に身ひとつで、花枝は源二郎のもとへ来たのだ。
「愛だけをたよりに。」
小舟が荒川の流れをゆっくりと横切っていく。
「丸い月が銀色の光を水面に投げかけ、
夢のなかの川を渡るかのようだった。」
「二人は見つめあい、言葉もなく会話していた。」
三浦しをんが紡ぎだすうつくしい言葉がならぶ、
嫁入りの場面が大好きです。
* * *
政の妻・清子からの逆襲が痛快でした。
政の葉書で説得作戦も愉快。
あんな葉書が毎日のように届いたら
娘たちも楽しいでしょうね。(高みの見物)
告別式ではじまり結婚式で終わる物語でした。
国政の気持ちが落ち着いてよかった。
徹平ちゃんとマミさん、お幸せに!
イラストが美形すぎてちょっと引きました・・・
香穂さん、こちらにもnice!ありがとうございます♪
by miyuco (2013-10-19 20:47)
笑って泣けて、ひさびさに楽しい本を読みました。
やはり小説は楽しく読めるのがいいですね。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
by 藍色 (2014-05-27 14:26)