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「本と鍵の季節」 米澤穂信 [読書]

宝探しの物語。

皮肉屋で大人びた松倉詩門と
頼まれごとの多い堀川次郎
開かずの金庫、テスト問題の窃盗、

亡くなった先輩が読んだ最後の本
ふたりは謎を解いていく

「その嘘の根底には
なにか真っ当なものがあると
信じている節がある」

松倉は堀川のことをこんな風にとらえています。

米澤穂信の作品に登場する斜に構えている人物は、
こんな風な考えを
自然に身にまとっているような気がします。
私が米澤作品を好きな理由はそこだと思っています。

どこか北村薫作品と相通じるような


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「松倉詩門は、ふだんは冷笑家然としている。
世の中を斜めに見ているというのではないけれど、
どこか、人の営みは誇り高くあり得るということを
信じていないようなところがある。」


「昔話を聞かせておくれよ」
松倉の宝探しを通して彼の内面を垣間見ることができます。
私も松倉にはただの図書委員でいて欲しいです。
堀川が望むように。

「僕は友を待っていた。」
友と言い切る堀川にグッときました。

詩門礼門兄弟の名前からの導きはお見事。




本と鍵の季節

本と鍵の季節

  • 作者: 米澤 穂信
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2018/12/14
  • メディア: 単行本

タグ:米澤穂信

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