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『レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―』 [外国映画]

『レッドクリフ Part I』も映画館で観るべきだったと
『Part II』 をスクリーンで観て思いました。
スケールの大きさ、見応えのある武将たちの面構え
大画面でこそ堪能できます。

80万vs5万
しかし5万に「」がプラスされると状況は一変する。
自然の力とはかくも恐ろしきものかと
迫力ある映像に息をのみました。

10万本の矢の調達vs曹操軍の水軍の要である蔡瑁と張允を排除
孔明と周瑜の頭脳戦がおもしろかった!
二人がとったそれぞれの策が
結果的に連携プレーになっているのですね。

「レキジョ(歴史好き女子)」
と呼ばれる戦国武将ファンの女性が話題になってます。
私はというとレキジョとは対極にいるタイプ
日本史は苦手、NHK大河ドラマは見たことがない。
まず漢字の名前を覚えるのが苦手。
当然、三国志は…ムリ…
はるか昔の中学生の頃、NHK人形劇「三国志」が大人気で
クラスメイトたちが休み時間に熱く語り合っていました。
もちろん私は見ていなかった…
あんなに字画の多い名前は拒絶反応です。

「諸葛孔明」「趙雲」「関羽」「張飛」
そんな私が三国志の登場人物の名前を
うっかり覚えてしまった。
息子たちが来る日も来る日もプレイしていた
「真・三國無双」のおかげ(?)です^^;
連日、無双乱舞で敵陣を突破してました。

「三国志が映画化されるんだって」
「ふ~ん、レッドクリフって赤壁の戦いのことか」
「…それって有名なの?」
という会話から親子間の知識の相違が一目瞭然。

『レッドクリフ PartI』のTV放送を見ました。
(次男の解説付き^^;)
…赤壁で戦ってないじゃん!
ということでPart II を観に映画館へ

「白羽扇を手に涼しげな顔で佇む諸葛孔明」
を見ることが主な目的でございます。
重々しいイメージを勝手に抱いていたので
飄々とした孔明にちょっと違和感だったのですが
映画のバランス的に考えると
この軽やかさ明るさが有意義だったと思います。
金城武は髪型も衣装もとてもよく似合っていて
美しかった。絵になる男です。(めちゃくちゃファン目線^^;)

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ラスボス曹操
「PartI」では残忍な暴君としか思えなかったけれど
今回は歌を詠み病人の兵士に語りかけ
その人心掌握術が描写されます。
演じるチャン・フォンイーは凄みを見せて見事です。
しっかりした悪役は映画を支えます。

周瑜を演じるトニー・レオン
剣舞や戦うときの剣を持った身のこなしがきれい。
切れ者のしかし一癖ありそうな知将、適役でした。

「勝者はいない」

一緒に観にいった連れ合いは戦いの最後が気に入らないらしい。
最終的には関羽が曹操に恩を返す形で逃がす
というのが三国志での流れのはずなのにと言っていた。
三国志を知らない私は「ふ~ん」で受け流したけど。
 

以下、思ったこといろいろ

 

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「善き人のためのソナタ」 [外国映画]

見終わった後、深い余韻が残りました。
感動しました。
アカデミー賞外国語映画賞を受賞した名作の誉れ高い作品だと
知ってはいましたが、これほどまでに心を揺さぶられるとは…

1984年、東西冷戦下の東ベルリンが舞台。
国家保安省(シュタージ)のヴィースラー大尉は
劇作家ドライマンと舞台女優クリスタを監視し
彼らが反体制である証拠を掴むように命じられる。
二人が暮らす部屋に盗聴器をしかけヴィースラーは
徹底的な監視を始める。

監視する者は監視される者の人生を
間近で深く知ることとなる。
通常なら立ち入ることなど許されない部分まで。
自分の人生とはかけ離れた生活をしている二人に
ヴィースラーは監視者としての立場を超えた感情を
持つようになる。

この曲を本気で聴いた者は悪人になれない

ドライマンがピアノで奏でる「善き人のためのソナタ」を
聴き、涙を流すヴィースラー。

ヴィースラーは自分の生活に何の疑問も不安もなかった。
そういうものだと思っていたから。
それなのに通常なら絶対に混じり合うはずのない
別世界に住んでいるような人間たちを知ってしまった。
そこにあるのは人と人との強くもあり脆くもあるつながり。
理不尽な力に抗おうとしてもがく姿。

美しき女優を我がものにするために
邪魔な劇作家を陥れようとする権力者、
そんな権力者に取り入りあわよくば弱点を握り
自分も権力を握ろうとする男。
そんな人間ばかりの組織に身を置いていたが
あまりにかけ離れた世界を知ってしまい
しかも知らず知らずのうちに共鳴してしまった。

二人が留守にしている部屋を見回すヴィースラー。
盗聴器から聞こえてくる言葉と音の実体を
確認せずにはいられなかったのか。
ドライマンとクリスタの物語の傍観者でしかないのに。

しかし「傍観者」に徹することはできなかった。

 

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『スティング』 [外国映画]

『The Sting』
ジョージ・ロイ・ヒル監督作品
1973年度アカデミー賞7部門受賞
(作品賞・監督賞オリジナル脚本賞・美術監督賞
衣装デザイン賞・編集賞・編曲賞)

ポール・ニューマンがお亡くなりになりました。
舞台デビューの地、ブロードウェイにあるすべての劇場は
10月3日開演時間の夜8時に1分間、電飾の看板を消灯
83歳で死去したポール・ニューマンを追悼しました。

それほど多くの作品を観たわけではありませんが
人を食ったような悪戯っぽい表情が
なんとも魅力的だなといつも思ってました。
追悼番組としてBSで放送されていた『スティング』
ロネガンを手玉にとるポーカーの場面が大好き。
ターゲットをイライラさせて自分のペースに持っていく
人の心を手玉にとる詐欺師の面目躍如でお見事でした。

この映画を一番最初に観たのは名画座です。
和田誠「お楽しみはこれからだ」を読んでいたので
何か仕掛けがありそうだという事は薄々感づいてましたが
それでも十分楽しめた。
ちょっとした表情のアップや目配せでパッと状況説明するところが
とても上手くて勘どころを押さえていて心地よかったです。
きびきびしたストーリー展開
終盤は怒濤の勢いで結末に向かっていく。
何度も観たのに今回もやっぱりおもしろかった!

昔話を少しだけ
連れ合いは映画好きだと自分では言っていたけれど
よく聞いてみると黒沢明作品を観ていなかったり
映画好きならたいてい観ているようなスタンダードな作品も
未見だったりどうもあやしくて「自称映画ファン」疑惑が発覚^^;
「『スティング』おもしろかったよね」と言うと
「???」という反応。内容についての情報が一切ないらしかった。
これはいけるかも(・∀・)
で、レンタルして一緒に観ました。結果は…
工エエェェ(゚д゚)ェェエエ工工
と叫んでいた。
ああなんてステキに素直な反応なんだ^^
嬉しい。*゜・(・∀・)。*・。*

何も知らずに『スティング』を観ることができるなんて
ラッキーな人間だと思う。
それを隣で観察できて私も楽しかったよ。
以上、結婚したばかりの頃の昔話でした。


1936年、三人組の詐欺師が通りがかりの男から金を奪った。
手に入れたのは破格の大金。
その金は、ニューヨークの大物ロネガン(ロバート・ショウ)の手下が、
賭博の上がりをシカゴへ届ける途中のものだった。
組織の金を奪った報いにリーダー格のルーサーが殺される。
ルーサーの復讐を誓ってフッカー(ロバート・レッドフォード)は
シカゴのゴンドルフ(ポール・ニューマン)を訪ねた。
仲間を集め大がかりな仕掛けでロネガンをひっかけようとする。

以下、未見の方は(もうあんまりいないと思うけど)ご注意を

 

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『レインマン』 [外国映画]

名作の誉れ高い作品
1988年アカデミー賞主要4部門受賞
(作品賞/監督賞/主演男優賞・ダスティン・ホフマン/オリジナル脚本賞)
静かで控えめなのにとても印象的な音楽が素晴らしいです。
ダスティン・ホフマンの伝説的な演技から目を離せませんでした。

公開当時に観たけれど細部はほとんど覚えてなかった。
改めて観ると巧緻な脚本に圧倒されます。
お涙頂戴ではなく泣かせどころを派手に盛り上げるでもなく
むしろ淡々と進むロードムービー。
それだからこそ感動がじわじわとこみ上げてくる。
ダスティン・ホフマンが演じるレイモンドの
無表情なままで発する言葉に射抜かれるようでした。

事業に失敗して破産寸前のチャーリー(トム・クルーズ)のもとに、
絶縁状態だった父親の訃報が届く。
帰郷した彼は、父の遺産が匿名の受益者に贈られると聞き
ショックを受ける。
その受益者とはチャーリーがその存在さえ知らなかった
自閉症の兄レイモンド(ダスティン・ホフマン)だった。
なんとか遺産を手に入れようと
チャーリーは施設にいるレイモンドを誘拐まがいに連れ出し、
ロスに戻ろうとするのだったが……。

遺産目当ての自己中心的な考えから
むりやり兄を施設から連れ出すチャーリー。
自閉症の兄を理解する気など毛頭なく
奇妙な要求に応えるのは揉め事を起こさないため。
…のはずなのにチャーリーは冷酷な人間に見えない。
なんとなく優しい雰囲気を醸し出していて画面に温かみを感じる。
演出なのかあるいは演技力なのか
トム・クルーズが生来持っている気質なのかもしれない。
ダスティン・ホフマンは紛う事なき名演ですが
相手役がトム・クルーズでよかったと思います。

「レインマン」という題名を聞いたとき
それが何を意味するのかまったくわからなかった。
もしかしてホラー映画?なんて思っていた^^;

「子どもの頃、なにか怖いことがあると
レインマンが歌を歌ってくれた」
「子どもが頭のなかにつくる友だちさ」

歌ってなぐさめてくれたレインマンの正体がわかったとき
肉親の愛情とは無縁だと思いこんでいたチャーリーだが
実はそうではなかったと理解する。
チャーリーへの愛情ゆえに父と兄は苦渋の選択をしたのだ。

「C‐H‐A‐R‐L‐I‐E(しー・えいち・えー・あーる・える・える・あい・いー)」
「…main man」
これだけのセリフに込められた大きなものに
感情が揺さぶられる。

9年レイモンドを世話している「main man」バーンは
「オレが明日消えても気づかない」
と言っていたけれどそれは違う。
最大のパニックのときに「V‐E‐R‐N」を呼び助けを求めた。
父のこと(D‐A‐D)も忘れていない。
別れたときの幼い弟のことも覚えていた。
「C‐H‐A‐R‐L‐I‐E」のことも忘れないと
弟のチャーリーにはわかっている。

一緒にいたのはたった六日間だけだったけれど
チャーリーの心の自分ではどうすることも出来ない空白が
埋められていった濃密な時間でした。
「二週間後には会いにいく」
レイモンドを見送るチャーリーの表情が
最後の最後に一瞬崩れるように見えた。
本当にレイモンドを好きなのですね。
いままで肉親の情を感じることができなかった。
それを感じ取ったとき胸に満ちた感情は
思いもよらないものだったでしょう。

エンドクレジットのバックの写真は
レイモンドが旅の途中でカメラに収めた風景。
病院でのパターン化した生活は居心地が良く
そこで静かに暮らすことがベストだから
弟との旅は意に添わない旅だったけれど
彼の中に何も残らなかったわけではない。

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『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』 [外国映画]

『Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull』
観てきました!楽しかった!
二時間ちょっとがあっという間でした。
テーマ音楽を聴いただけでわくわくします。
インディ・ジョーンズ、お会いできて嬉しいです。

相変わらず息もつかせぬ展開でした。
前三作には必ず美女とのロマンスがあり
そこが緩急の「緩」だったような気がしますが
今回はそれがなくずっとハイテンションでした。
私はこのシリーズに美女不要と思っているので(笑)
マリオンとの年季の入ったやりとりだけでもう十分。
(「007」のような映画を作りたいという最初の意図を
成し遂げるには「美女」が絶対条件でしょうけれど)

インディの考古学の知識を生かした謎解き
遺跡、追いかけっこ、助かったはずなのに欲張って命を失う人
うじゃうじゃいる気持ち悪い生物
おなじみのシチュエーションが散りばめられています。
しっかしあれは気持ち悪かった(_ _。)
となりで連れが腕をかきむしってました…

体のキレはいささか鈍くなっても知識の深さと判断力は
以前と全く変わらない。
インディ・ジョーンズは魅力的です。

若い男の子マット(mutt)が登場。
変わった名前だな。雑種犬(mutt)か?
なんてインディに言われます。
「Indiana」が本名ではなく愛犬の名前を
勝手に名乗っている事を知っていると
ここで「!?」って思いますよね^^

ソ連のKGB、イリーナ大佐を演じるケイト・ブランシェット
ロシア語訛りの英語(だと思う^^;)
ピンと伸びた背筋、きびきびした動き、
サディストっぽい表情、完璧な軍人さんでした。
確かこの前見たときは完璧に「ボブ・ディラン」だったのに…
最初にスクリーンで見たときは
優美で底知れぬ恐ろしさを秘めた「森の奥方・ガラドリエル」
そして威厳に満ちた「エリザベス女王」のときもありました。
なんて見事に変幻自在な方でありましょう。

所定の位置にしかるべきものを置くと仕掛けが作動する
この映画だけでなくいろいろな作品でそういう場面を見るけれど
ゴゴゴと動く瞬間は何回見てもわくわくします。
崩れ落ちる遺跡もお約束。

ラストの帽子の扱いも粋ですね^^

一点だけひっかかるのは「核」の取り扱い。
デリケートな問題を何故このシリーズに出すのかわからない。
制作者たちにとっては「デリケート」ではないのかな。
瀧から三回落ちても不死身のヒーローは大好きだけど
「核」を不死身をアピールするアイテムにしてほしくない。
残念です。


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