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火垂るの墓 生まれ来る子供たちのために [TV]

ジブリの『火垂るの墓』は観ていません。
というよりは観られません。つらくって。
コンジョウナシと言っていただいて結構です。
なのに、今回のドラマは観てしまった…
これもみんな櫻井さんが
『生まれ来る子供たちのために』
を唄ったせいです。
録画しておいたのを観てしまった…
あまり観たくなかったのに…もうたまんないですよ。
本当に辛くなる。

「生きてしまった重さを噛みしめていたのかもしれない」
生きていくために、
綺麗事ではない現実を選ばなければならない。
それほどまでにして生き残ったのに、
心に突き刺さったものは
いつまでも自分をさいなむ。
こんなふうに極限にまで人を追いつめる状況は今も
地球上のどこかで繰り返されているのでしょう。
あってはならない事なのに。

― 4歳と14歳で生きようと思った。― ジブリ映画のコピー
原作者の野坂昭如は、
『火垂るの墓』がアニメ映画になったとき、
「アニメになってこんなに大きな反響があるなんて、
驚いたし嬉しいですね」
と語っていました。「徹子の部屋」だったかな。
火垂るの墓は野坂昭如自身の経験をもとに書かれた作品です。
「僕は本当はあんなに良い兄ではなかった。
妹をうとましく思ったことも多かった。
泣きやまない妹を揺すってあやすと泣きやむんですが、
後で聞いたらあれは泣きやんだのではなくて、
揺すると脳震とうのようになっていただけだったんですよね」
こんなふうに語る彼も生き残った側の人間です。

ドラマ化に寄せて 
「戦争は何も生まない、戦争は人間の判断を狂わせる」
野坂昭如氏のメッセージがサイトに載っています。

『ソフィーの選択』という映画がありました。


アウシュビッツで二人の子供のうち、
一人だけを手放せと言われる。
できなければ二人とも焼却炉行きだと。
「娘を…娘を連れて行って!」
というソフィーの絶叫。

一人の子供を守るためには
一人の子供を死に追いやらなければならない。
母親がそんな選択を強いられる悲劇。

子供を助けるために身を切るような選択をしても、
結局子供は行方知れず、生き残ったのは自分だけ。
生き残っても心は引き裂かれたままで、
ソフィーは破滅に向かう。

戦争の残酷さと人間の深い傷跡を
まざまざと見せられたこの映画は
決して忘れられません。

『火垂るの墓』を観ていてこの映画を思い出しました。

「生まれ来る子供たちのために」
やっぱり小田さんの声のバージョンの方がよかったな。
祈りのような曲。

ただ、櫻井さん(というよりBank Band)は
役目を果たしたと思います。
この曲を櫻井さんが歌うというインパクトが
『火垂るの墓』にピッタリです。
そして、この楽曲の素晴らしさを
より多くの人に伝えてくれました。

―生まれ来る子供たちのために何を語ろう―

原曲では小田さんが言葉で言っていましたが
「生まれ来る子供らのために」と言葉を少し変えて
メロディーに乗せて歌っていましたね。
ちょっと違和感。
でも小田さんと同じようにしても違和感だから
仕方ないことだわね。

オフコースのアルバムで初めてこの曲を聴いたときには、
何だか計算高いような気がしました。
当時、小田さんは結婚をしていたわけではなく、
ましては子供もいなくて、
とても子供を慈しむ感じには見えなかったから。

アルバムのアクセントにしようと思って作ったのかなと思っていました。
そんな邪推をしながらもこの曲は大好きでした。
美しい曲。

            『生まれ来る子供たちのために』

          多くの過ちを僕もしたように
          愛するこの国も戻れない もう戻れない
          あのひとがそのたびに許してきたように
          僕はこの国の明日をまた想う

          ひろい空よ僕らは今どこにいる
          頼るもの何もない
          あの頃へ帰りたい

          ひろい空よ僕らは今どこにいる
          ―生まれ来る子供たちのために何を語ろう―
          何を語ろう

          君よ愛するひとを守り給え
          大きく手を拡げて
          子供たちを抱き給え
          ひとりまたひとり 友は集まるだろう
          ひとりまたひとり ひとりまたひとり

          真白な帆を上げて
          旅立つ舟に乗り
          力の続く限り
          ふたりでも漕いでゆく
          その力を与え給え
          勇気を与え給え

                           lyric by 小田 和正


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コメント 10

綺華

う~ん、記事を読んでどうコメントしようかと悩んで
とりあえず一旦自分のブログに戻ってみたりして・・・・(笑)

私はmiyucoさんと反対にアニメの『火垂るの墓』を何度か観ていたので
昨日のドラマは予告を見ただけで胸が締め付けられて
リアルタイムに観る気になれませんでした。
 『生まれ来る子供たちのために』
この曲は高校時代にはじめて聴いて、意味も分からずオフコースに
ハマりましたが、こうやって見ると強いメッセージを感じますね。
戦争を知らない私が、『火垂るの墓』を見て感じた事を
少しでも息子達につないで行けたらな・・・って思います。
by 綺華 (2005-11-02 17:20) 

miyuco

本当は観る気がなくて、エンディングの曲だけ聴きたくて録画したのに
観てしまいました。とてもリアルタイムで観る勇気はありませんでした。
都会から疎開して来て頼る人もいない土地で病弱な子供を含む四人の子供を食べさせなければならない。夫は戦死してしまう。
追いつめられていく松嶋菜々子演じる叔母さんを、きちんと理解しないと
いじわるな叔母さんに見殺しにされた可哀想な兄と妹という話だけになってしまいます。「戦争は何も生まない、戦争は人間の判断を狂わせる」
野坂昭如の言葉はとても重いです。

『生まれ来る子供たちのために』
オフコースファンは、やっぱり小田さんっていいなあと再確認するかもです♡
by miyuco (2005-11-02 17:50) 

snorita

私もちょっと頑張って見ました。
うーん、桜井君の声が、なんだか切ない感じでかなりいいなと思っちゃいました・・・
by snorita (2005-11-02 23:32) 

miyuco

>snoritaさん
私も頑張らないと見られませんでした。
若いときのオフコースファンはタチが悪いのかも。
どうしても当時の思い入れが入ってしまいます。
今回は長いつきあいの小田さんに肩入れしてしまいました♪
櫻井さんが歌うエンディングを目当てに録画していたのに・・・
by miyuco (2005-11-03 07:28) 

snorita

ふふ。当時オフコースvsチューリップ、みたいな構図なかったですか?(意味ないが)
私かなり熱い財津ファンだったんで・・・・でも、最近やっと素直に小田さんが
聞けるようになったし、「自己ベスト」の曲は全部歌える自分に気がつきました。
by snorita (2005-11-03 08:15) 

miyuco

私がオフコースを聴くようになったのは、5人になってからだったので
ずいぶん遅れてきたファンなんですよね。
オフコースなんて全く興味なかったのに、二十歳すぎたら突然はまってしまいました。妹には「あんなにモンク言ってたじゃない」とひんしゅくでしたけれど。
by miyuco (2005-11-04 11:09) 

綺華

ちょっとのぞきに来たら『ハーボット』が入ってた♪
可愛いね~~(*^_^*)

オフコースと言うより、小田さんにハマっている次男。
話が合うのがちょっと嬉しい母であった。
息子の好きなオレンジレンジやレミオロメン(何度聞いても覚えられない)は
話に付いていけないからね・・・(^_^;)
by 綺華 (2005-11-04 13:42) 

miyuco

>ayakaさん
ウチの息子は声優さんの曲にしか興味ないようなヤツなので
ほとんど話が合わないんです。つまんない(;へ:)

ついにハーボットに手を出してしまいました・・・
by miyuco (2005-11-04 14:25) 

m_kikuchi

初めまして!
私も20数年前アニメを、最近ドラマで二度目を見ました。何度見ても涙ぼろぼろでした。子供達を二度とあそこまで追いつめてはならないですね。これからの大人達の責任は重大ですね。
by m_kikuchi (2006-03-20 18:47) 

miyuco

>あすなろうさん
はじめまして。
つらいドラマでしたね。あの兄妹の演技は忘れられません。
子供たちをそして守るべき立場の大人を追いつめる事態にならないように
目配りしていかなければいけないですね。
nice!とコメントありがとうございます。
by miyuco (2006-03-22 09:39) 

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