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ドラマ『不適切にもほどがある!』最終回 [TV]

「渚のはいから人魚」で泣かされるとは思わなかった

幼いときに母を亡くした渚の
少ししかない母との思い出がオーバーラップする
「ずっきんどっきん」

仲里依紗がうまいのは
NHK大奥(よしながふみ原作)の演技で
わかっていたけれど
「渚」と名前を呼ばれてやさしい声をきいて
表情がほぐれて涙があふれるシーンに
見ているこちらまで胸がいっぱいになりました

そのあとに時を超えた「ずっきんどっきん」
10回にわたりエピソードが張り巡らされた後での
この親子の場面
連ドラの醍醐味が沁みわたります
河合優実の包容力にあふれた表情もすばらしかった

たった二分間のやりとりなのに
こんなに感情をゆさぶられるなんて
クドカンにまたやられました

最終回で本筋とは離れた場面ではありますが
好きなセリフがあります
不登校のクラスメイトと話すシーン

「行けよ 学校」
「学校なんてさ
自分と気が合わないやつがこの世には存在するってことを
勉強する場所だけどさ」
「3年かけて
自分以外は頭おかしいってことを確認する場所だけどさ」
「その中で一人か二人友達が見つかれば
他は 死ぬまで会わなくていいやつらだから」
「オレは 左高君に会えてよかったし
それは学校のおかげだし」
「気が合うやつとはつながれて
合わないやつとは関わらなくて済む」

学校が苦手だったわたしは
学校での生活がはてしなく続くような気がして
ユウウツだった
「自分と気が合うヤツ」は見つからなかったけれど
「一部分だけ」気が合うヤツは存在するってわかった
だからクドカンの書くこのセリフにとても共感します
イヤだったけど無駄ではなかったと今は思ってます

それにしても成田くん、やせすぎじゃない?


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ちなみにわたしはあの時代には戻りたくない。
ひとりでいることに寛容な今の時代のほうが
居心地良いです
でも肉食系男子が少なくなった現代に
わたしが20代だったら結婚してないだろうな。
それもまたおもしろかったような気がするけど

タグ:クドカン

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ドラマ『お別れホスピタル』 [TV]

『お別れホスピタル』
人生の最後を過ごす療養病棟が舞台です。

わたくし事ですが二か月前に老衰で母がなくなったばかり
二年前には療養病棟に一年半ほど入院していた父を見送りました。
あれやこれやの感情がよみがえって、
このドラマに見入ってしまうわけです。

*

私たち家族が急性期病院からの転院先を探しているとき
こんなことを言われた
「お父さまのように頭がしっかりしている方には
ここは、おつらいかもしれませんよ」
そう言われても父には入院してもらうしかなかった。
例の流行り病のせいでほとんど面会できなかった。
看護師さんからは「よくお話ししてくれますよ」と聞いていたけれど、
衰えていく身体とひとりで向き合うのは
しんどいことだったのではないかと思ってしまう。
考えても本人がどう感じていたかなんてわかるわけがないし
あちらの世界に後から引っ越していった母と
なかよく喧嘩していてくれるといいなと願うばかりです。

*

『お別れホスピタル』では
患者さんと家族のさまざまな事情が描かれています。
ベテランの役者さんたちがすごすぎて
演技合戦を見ているようです。
泉ピン子、関根恵子、木野花、樫山文江
静かでおさえた演技の繊細な表現には見惚れてしまいます。
メインキャストの岸井ゆきの、松山ケンイチは
もちろん素晴らしい。

キム兄(木村祐一)の演技に胸を打たれるとは思わなかった。
「今、お前が見てるこのオレは、未来のお前や」
自分と似た境遇の若い人が
人生の岐路に立っていることがわかるから
心の底から渾身の力を振り絞って語りかける。
その言葉には凄味があったけれど
表情には後悔の念にさいなまれ続けている苦しみが
にじみ出ていました。

*

2月17日三話放送後の松山ケンイチの投稿がうれしかった



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眠り続ける患者さんを演じる大後寿々花という名前に
なにかひっかかったけれど思い出せなかった。
そうだった、大好きな木皿泉脚本のドラマ
『セクシーボイスアンドロボ』のふたりだった!!
コメント欄にはセクロボを愛するひとたちの言葉が
あふれていて胸が熱くなります。

セクロボ大好きだった。
松山ケンイチ主演作では
映画『ウルトラミラクルラブストーリー』が大好きでした。
津軽弁をまくしたてる主人公が魅力的だった。
(あのギュイーンっていう音楽は大友良英だったのね)


『ウルトラミラクルラブストーリー』の感想→ 

『セクシーボイスアンドロボ』の感想→ 

あの頃はがんばって感想書いてたな・笑



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ドラマ『初恋の悪魔』 [TV]

ドラマ『初恋の悪魔』第五話
坂元裕二の脚本はセリフの量が多くて
圧倒され翻弄されがちだけれど
時々鋭い矢のように胸に突き刺さる言葉に出会う。


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自分らしくしてればいつかきっと
未来の自分が褒めてくれる

「僕を守ってくれてありがとう」って

そして鹿浜鈴之介は過去の自分を抱きしめる。


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小学校の教室で周囲に馴染むことができず
途方に暮れている鈴之介。
わたしは似たような状況だった小学生の自分を思い出して
胸がチクっとする。

”しかはまくんカウンセリング”
しかはまくんは○○なので○○したほうがいいと思います。
クラスメイトたちは口々に提案する。
カウンセリングを提案した先生に向かって。
意気揚々と楽し気に。


うわぁ~
わたしのトラウマ「班競争」そのものじゃないの。
この場面を見た視聴者の反応をTwitterで拾ってみた。
・先生主導だなんて信じられない
・いじめだよね
・これはホラーだ

そんなホラーな教室で息をひそめていた小学生が
半世紀前のわたしです。
幼かった私たちは言葉にできずに困惑し
正しいってなに?
教師の望む発言以外は減点なの?
アドバイスという名のつるし上げではないの?
先生は正しいはずなのにこれはなんなの?
などという思いを抱えて苦しかった。

ずっと抱え込んでいた思いが少しラクになったのは
クラスメイトの母親何人かが
子どもたちの異変に気づいて教師に抗議していたと
あとで知ったときでした。
(円形脱毛症になった子がいたそうです)

子どもたちの気持ちに寄り添って

怒ってくれる大人がいた。


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第六話
中学生の頃、悪質ないたずらで
クラス全員から嘲笑されたことを話す鈴之介。
「クソだね」
「そいつら全員朝起きたらトイレの虫に変わって
生涯を終えればいいのに」

「言い返せなかったことって残るでしょ?」
「そういうのってシャツの染みみたいに残るんだよ!」

「も...もういい大丈夫。」
「君が怒ってくれたから」
「大丈夫」


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Twitterでホラーだと怒ってくれたひとたちが
私の中に残っている小学生だったわたしを救ってくれる。

いつもクラスの中でどう振舞えばいいのかわからずに
なんとなくひとりになってしまって
重い気持ちで過ごしていた過去の自分に
あなたががんばって踏みとどまったから今の自分がいる
ありがとうと私も言いたいです。
鈴之介のように。

ドラマは謎めいた展開になっています。
まだ語られていないことがたくさんあるのでは?
登場人物みんな好きだけれど

怪しいヤスケンさんが最高です。


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ドラマ 『姉ちゃんの恋人』 [TV]

『姉ちゃんの恋人』
主題歌が大好きです。
Mr.Children「Brand new planet」
この曲を得たドラマは幸せですね。
物語を豊かに彩ります。

「静かに葬ろうとした 憧れを開放したい
消えかけの可能星を見つけに行こう」

脚本家・岡田惠和の会話劇
たくさんの言葉を重ねながら
表現し難い感情を浮かびあがらせる。

脚本家が当て書きしたという
訳ありの吉岡真人(まなと)を
林遣都が演じてます。
繊細な演技が魅力的です。
大きな瞳がサッと陰ったり
輝いたり。

有村架純ちゃんもかわいい。
和久井映見・やついいちろう・光石研
「ひよっこ」ですね。

眞鍋昭大の音楽も大好きです。

いい人ばかりのドラマを成立させるためには
誰かが貧乏くじを引かなければならない。
真人が背負ったものは残酷すぎる。
背負わせた彼女だって無傷のはずがない
と思っていたら、
次週、彼女が登場するみたいです。
どうなることやら。

傷が何度もえぐられるのを見るのはイヤだな。



『#リモラブ』も観ています。
波留と松下洸平
檸檬さんの拗らせてるところがかわいい。
脚本・水橋文美江
こちらも朝ドラの延長みたいな布陣ですね。
告白シーンの二人の会話の流れがとてもよかった。

『MIU404』を手がけた得田真裕が作る
リモラブの音楽も大好きです。
主題歌は…
ちょっと違うと私は思う[猫]


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ドラマ 『スカーレット』 [TV]

「揺るぎない強さ」

スカーレットというドラマから
ずっと受け取っていたのは
「揺るぎない強さ」だったような気がします。

ジョージ富士川の本『TODAY IS』
「今日が私の一日なら、私は・・・だろう。」
武志の願いをこの本が伝えてくれました。

武志に会いにきた真奈が忘れた傘を
喜美子が物干しざおにかけて乾かす。
雨が降り出し傘に水がたまりしぶきが上がる。
それを見て武志のなかでくすぶっていたイメージが
姿をあらわす。

適切な道具が配置され
無理なく物語の流れをつくっていく。

「今日が私の一日なら
私はいつもと変わらない一日を
過ごすだろう」

武志のささやかな望みがせつないです。

難病もののドラマは苦手です。
でも、スカーレットは最後まで見届けたい。
病気をあつかってはいるけれど
お涙頂戴のセンチメンタルな場面などありません。
粛々とすすむ物語。
それでも喜美子の武志の八郎の
葛藤も悲しみも喜びも希望も絶望も
見ている私たちに突き刺さってくる。

「できることは、泣かんことや」
喜美子の父・常治の残り少ない日々を前に
母・マツがこう言っていたのを思い出す。

残りの放送回数を見ると甘い展開は望めない。
このドラマの作風は甘さを許してくれないような気がする。
それでもどうか良い方向に進んでくれないかと
祈るような気持ちで見ています。



戸田恵梨香の繊細な演技から目が離せません。
ふとした瞬間に悲しさがこぼれてしまうのを見ると
演技でやっているとはとても思えない。

2018年のドラマ『大恋愛〜僕を忘れる君と』では
若年性アルツハイマーという病魔におそわれる
難しい役を魅力的に演じてました。
今回は病気に奪われそうな最愛の息子を
見守る母親を演じていて素晴らしい。

喜美子(戸田恵梨香)の連れ合いの八郎・松下洸平
息子・武志の伊藤健太郎
三人のシーンをもっともっと見ていたいです。

冬野ユミさんの静かな音楽も大好き。

武志の担当医・大崎先生
演じるのは稲垣吾郎

稲垣吾郎さんの演技を見て驚きました。
以前は台詞回しにクセがあって
ちょっと苦手でした。
(一応SMAPファンなのに)
久しぶりに見たスカーレットでは
不要な力みは一切なく
声も力強くききとりやすい。

患者にとって辛い告知をする難しい場面。
あの穏やかな声と表情に少し救われました。

いつの間にこんなに安定感のある役者さんに
なっていたのでしょう。
…わたしが知らなかっただけですけどね。

関西のおばちゃんになりきっている大島優子も
大好きです。





連続テレビ小説「スカーレット」オリジナル・サウンドトラック

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  • アーティスト: 冬野ユミ
  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2019/11/20
  • メディア: CD


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