『神様は本を読まない』 吉野朔実

「本の雑誌」に連載されている読書エッセイマンガ
『吉野朔実劇場』シリーズ六作目
本にまつわるエピソードがてんこもりで楽しいです。
愛犬のコーギーくんがかわいい。

吉野朔実のマンガはあまり読んだことがありません。
「月下の一群」だけ少し読んだかな。
私がマンガから離れかけた時期にデビューしたので
入れ違いになってしまいました。

【不快で気難しかったあの頃】
「十代の頃に読んだ翻訳本には、
何だかわからないものが色々あった。」

…同感でございます。

「枯草熱」が例としてあげられている。
私は外国の特別な病気なのだと思っていたけれど…
「花粉症」のことだそうです。
ううっ～知らなかった！

「ひまし油」（熱さましに飲ませる）
これは下剤らしいです。

何だろうと思っていたことすら忘れていたけれど
謎が解けたようでうれしい。
自分と同じようによくわかんないなと
思っていた人がいたと知ってそれも嬉しいです。

【読書の連鎖】
ある本を読んで山岸凉子のマンガを思い出した。
「あれ、何てタイトルだっけ」
何冊か本を購入するも見つけられない。
「ちゃんと調べればわかる
ということはわかっているんだよね」
「でもこうしてわからないまま読み続けて
捜し続けているのも悪くないのだ」
「見つけたら終わっちゃうからなあ」
（日出処の天子を読んでいるのには笑っちゃった。
絶対そこにはないものね。）

これも同感です。
マンガ雑誌を山ほどためこんでいた部屋で
寄り道しながら捜し続けるのは本当に楽しかった。
十代後半の私の至福の時でしたわ。

大島弓子の本に話が飛び
こんな会話が繰り広げられる。

「あれ、何だっけ
Ｄ．ボウイじゃなくてピーター・ピンクコート」
「ヒー・ヒズ・ヒム」
「きゃー苺とクッキー買って来るわ」
「手づくりじゃなきゃダメですよー」

いいな～こういうやりとりができて。
読んでいるだけでも楽しいけど＾＾

ディズニー版のフランダースの犬のラストが
ハッピーエンドになっていることについて
「読んで泣く事が大事なのよ！！！」
「子どもならトラウマのひとつも持てと」
「そのとーり！！」

これも同感ですわ。

コーギーくんのカラーイラストが何枚かあります。
・本に耳を当てて（枕のようにして）寝そべっているわんこ
・本に手を当てて何か考えているようなわんこ
・猫、鳥、ねずみ、ほかの犬種のわんこたちと一緒に
・本をかこんでみんなでじっと見つめているイラスト
・ラスト、奥付の次のページでは本を後にして
立ち去るコーギーくんの後ろ姿。
本には奇妙なかたちの傷が残っている。

…これって歯形？
最後はかじって確認したの？

神様は本を読まない

• 作者: 吉野 朔実
• 出版社/メーカー: 本の雑誌社
• 発売日: 2010/10/14
• メディア: 単行本

 

コメント 2

吉野朔実のマンガ読んだことがありません、というか、今の（ちょっと前も）漫画家さん、わかりませんし、どれを読んでみるといいかもわりませんが、このマンガ面白そうですね。探してみよっと。
by しーちゃん (2011-02-01 20:05) 

>しーちゃん
すっきりとしたシンプルな線で描かれた絵が
とても私の好みでした＾＾
おもしろかったですよ。
コーギーもかわいいし、ぜひっ！
nice!とコメントありがとうございます♪


by miyuco (2011-02-02 16:29)