SSブログ

七月七日に 大島弓子 [大島弓子]

「七月七日に」は1976年発表の作品です。
大好き

昭和18年 初夏のできごとです。

「母はみんながびっくりするほど長身で美しく 
かなりふうがわりな精神主義者だった」

「つづみちゃんは父の手ひとつで三つの時まで育てられた。その父が死んだ 
そしてあなたが来た 計算によると十六歳で」
「七月七日でした」
「わたしはいつもあの人をみておりました 
あの人はわたしをみませんでしたけれど
わたしの気持ちはかわりませんでした」

夜、母を捜して川岸までくると
「髪をながく水の中にあそばせて泳いでいる母さまをみつけたわ
月がでていて 母さまを まるで人魚か天女か・・・
あるいは もっとあやしい
えたいのしれない もののように てらしだしていたの」

こわいような たのしいような うそのような ほんとのような ふしぎな気持ち
つづみと同じような気持ちで、このシーンはとても印象的です。
そしてこの物語から受ける印象もこの気持ちに似ています。

つづみの行く末を考えてから、奥羽浅葱は去っていく。
去っていくときの笑顔も忘れられません。

「その思い出は少しも色あせず 
すこぶる鮮明な 夏の光と水の反射を 
正視できずに見るような 印象で存在するのです」

7月7日にはこの作品について書こうと決めていたのに
ソネブロのメンテであやうく計画倒れになりそうでした・・・

ヤングアメリカン健太郎はバナナブレッドのプティングの御茶屋峠のような人だなと
今回読み返して思いました。




タグ:大島弓子
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。