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ラッシュライフ 伊坂幸太郎 [読書]

ラッシュライフ

ラッシュライフ

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2002/07
  • メディア: 単行本
泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。
父に自殺された青年は神に憧れる。
女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。
職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。
幕間には歩くバラバラ死体登場――。
並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、
その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、
機知に富む会話、先の読めない展開。
巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる

別々に始まるストーリーが最後には見事に繋がる。
パズルのピースの最後のひとつが
ピタッとはまる快感が得られます。
これがデビュー2作目だったと聞くとビックリです。
う~ん、でも、手際の良い手品を見せられたかんじかな。
  「 It's All Right」
ビートルズの「HERE COMES THE SUN 」のメロディーで
幕を下ろす、スッキリした終わり方でした。
エッシャーの騙し絵がモチーフであれば、
作者が何かを仕掛けてくるのが
わかっていて読み進みます。
さあ、どんなふうに騙してくれるのってところです。

大がかりな仕掛けを仕組んでいるから
仕方ないのでしょうが、登場人物が多く、
なかなか物語が進んでいきません。
「時速1374キロで日は沈みはじめ、
物語はようやく動き出す」
までの二段組88ページは私には果てしなく長かった・・・
もっとテンポよく騙していただきたい。

「金で買えないものはない」と胸を張っている画商の結末が
どうなるのかと思っていたら、そうきましたか。
タカラクジは不運な画商、佐々岡の手に渡るかと思いきや・・・
ラスト、白人女性が持っているスケッチブックの使い方が見事です。
魅力的な人物といえば、黒澤ですね。
「チルドレン」の陣内にも通じる
誰にも揺さぶられない感じは爽快です。
彼は他の作品にも登場しているらしいので、
これから別の形でお会いするのが楽しみです。
あと一人だけでも魅力的な人が出てきたらよかったのにな。
大まかな方向が見えてきたところで
消化試合のように読み進めなければなりませんでした。
きれいにまとまっている上手な作品ですが。
 蛇足
×印の火傷痕。
身体の大きな特徴は必ずキーワードになる。
騙すために、ミスリードのために

タグ:伊坂幸太郎
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コメント 2

うっしい

はじめまして。私もこの本読んでみました。構成が面白かったですね。
by うっしい (2005-11-05 15:28) 

miyuco

うっしいさん、こんにちは。
スケッチブックの使い方なんかうまかったですね。
登場人物はやっぱり黒澤が印象に残ります♡
コメント&TBありがとうございました(*^^*)    
by miyuco (2005-11-06 07:15) 

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