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『ドリームバスター3』 宮部みゆき [読書]

また、「つづく」で物語が終わってしまった…
全部出揃ってからまとめて読んだほうがいいのかな。
でも…「THE END」まで何年かかるんだろう。

シェンとマエストロ、相変わらず素敵なコンビです。
児童虐待、ネット心中、最近の社会問題が織り込まれています。

「3巻は4巻とひと続きのエピソードになっていて、
物語の中で重要な転換点となってます。
主人公の身の上に多少の変化が起こるんですけど…。
一応、完結は7巻をめどにしてるのですが、7巻で終わるかなあ。
でもゲーム流に言うとラストのボスは決まっていて、
どの時点でどこで倒すかも決まっている。ただそれが何巻なのか…。
途中で新しいサブイベントが起きるかもしれないので(笑)。
そういうところでも長いRPGをプレーしてるみたいな感じです。
まだまだ伏線を広げていて“いつまで続けるんだ”って感じですが、
長丁場をお付き合いいただけるとうれしいです。
私が50歳になるころには…50歳じゃ完結しないかな(笑)」
                   ウォーカープラスインタビューより

赤いドレスの女
モズミの決算  (この2編は2巻の続きのストーリー)
時間鉱山part1 以上3編が収められています。

【赤いドレスの女】
2巻で風船頭の人間モドキに怯えていた理恵子さんの後日談。
首をグラグラさせるのをやめて、前向きに歩こうとしています。
がんばって試行錯誤中。

【モズミの決算】
2巻の『星の切れっ端し』の解決編であり、新しい登場人物の紹介編。
いろいろと詰め込まれていて、散漫な印象です。
読みづらかった。

実母と義理の父親に虐待されている八歳の少年タカシと
タカシの“場”で融合に近い形で共棲している逃亡犯モズミ。
モズミは何とかしてタカシを虐待から守ろうとしている。
シェンも同じ気持ちでいる。
そのためにあるプランを思いつく。
それを聞いたマエストロの凄まじい怒り。
「助けてやるために、やっていいことと、悪いことがある。
わしらは、限界に、囲まれて、生きておるんじゃ」

マエストロは正しい。
こんなふうにたしなめてくれる大人が側にいるなんて、
シェンは幸運です。

モズミは捨て身の方法でタカシを救いました。。
確かに、親がいる限り、タカシの生命は危険にさらされる。
それでも、これが最善の方法だったのか…
作者の宮部さんにも迷いがあるように感じられました。

【時間鉱山part1】  おもしろかった。
でも、これも「to be continued.」なんですよね

表紙をめくってすぐのページにカラーイラストが一枚。
ドレクスラー博士。
天才科学者であり、[大厄災]の最大責任者(当時15歳)
これで、28歳だってぇぇ 

12歳から禿げてたそうです。
しかもすごいキャラ。女の子みたいな声って…
シェンは「オレ、身の危険を感じるんだけど」なんて言ってます。
シェンのことが大好きらしい。

田舎町からミクバに出てきたカーリン。
シェンよりひとつ年上。
軍用犬あがりの地獄の番犬をボディーガードにする能力を
いつのまにか身につけている。
なかなか爽快です。
おかげでシェンはパトロール艇を手に入れました。

時間鉱山でシェンが見た血まみれローズ(ラスボス?)
理恵子が見た【赤いドレスの女】と繋がる部分はあるのでしょうか。
(髪の色が違うけど)

宮部さん、4巻、なるべく早く発売してくださいね (><。)。。

ドリームバスター〈3〉

ドリームバスター〈3〉

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2006/03
  • メディア: 単行本


P.S 『ブレイブ・ストーリー』文庫化。
5月に角川文庫から上中下で発売されるようです。
角川スニーカー文庫では4冊に分けています。
あの分厚い本を持ち歩くのがちょっと…という人には朗報ですね。

 


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コメント 4

sknys

『ドリームバスター』を読みました‥‥といっても『2』ですが(汗)。
このSFシリーズはテーラから逃走した「50人の死刑囚」を捕まえた時点で
大団円でしょうか(50人目はシェン少年の母親ローズ?)。

「目撃者」村野理恵子(D・P)が少女時代に創った想像の仔犬ポピーの
エピソードは『まぼろしの小さい犬』(フィリパ・ピアス)の「引用」。
「星の切れっ端」は『1984』(ジョージ・オーウェル)に通底する
近未来デストピア的な不気味さがあります。

反政府組織の協力者ノーマンが、実は反抗分子を「廃人」にしてしまう
新連邦政府の特殊工作員だったという衝撃のオチ!
‥‥宮部さんが『1984』を下敷きにしているのはバレバレ(?)ですが、
途中でネタバレさせない(読者を宙吊りにする!)技巧は流石ですね。
早く『3』が読みたいなぁ。
by sknys (2006-06-29 22:08) 

miyuco

>sknysさん
映画化された『1984』は Eurythmics 「 Sex crime」でしたっけ。
見てないけど^^;
『ドリームバスター』
シェンたちのいる世界の全貌は、まだくっきりとは現れてないですね。
たしかに不気味です。
宮部みゆきは本当にうまい。
『3』の『時間鉱山』が好きなんですが、中途半端なかたちで「つづく」に
なってしまって、ストレスです。おもしろいのにな。
コメントありがとうございました♪
by miyuco (2006-06-30 17:47) 

sknys

『ドリバス3』を読みました。
実は1ヵ月以上前に読み終わっていたのですが、
コメントし難いなぁ^^;

「赤いドレスの女」は進展しないまま終わって(?)しまう
(岸田森の出て来ない『怪奇大作戦』?)。
「モズミの決算」も結末は決まっているのに、なかなか展開しない。
「時間鉱山」は面白くなってきたところでタイムアウト!
‥‥暗黒坑道へ降りて行く恐怖は『紙葉の家』みたいですが^^

宮部みゆきの本を読んで、初めてガッカリしました。
この出版は作者にとっても不本意ではないでしょうか。
田舎っぺ娘カーリンとドレクスラー博士はキャラ立っていますね。
『愛のひだりがわ』のヒロイン少女や、
『AKIRA』の老成した子供たちを思い出しちゃった^^
by sknys (2007-05-04 00:44) 

miyuco

>sknysさん、コメントありがとうございます。
「時間鉱山」はおもしろかった。
宮部みゆきの腕前は確かです。
それなのに「つづく」で終わり(v_v。)
せめてひとつだけでもストーリーが完結する形で出版してほしかった。
sknysさんと同じくがっかりしました。

ドレクスラー博士は作者が楽しんで書いてますね。
こういうキャラが出てくるととても嬉しい!
by miyuco (2007-05-04 22:57) 

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