SSブログ

卒業文集(ネガティブなヤツの場合) [家族]

「僕の生きる意味」
僕はよく、
「自分は人に迷惑かけてばかりのダメ人間だな」
と思う時がよくあります。
生きていくうちに僕は
「人に迷惑をかけるだけの自分に生きている意味などあるのか」
と思いはじめました。
それ以来僕は何かあるたびに
「人に迷惑をかけるぐらいならいっそ死にたいなぁ」
と思うようになりました。
しかしある時僕は
「もし自分がいなくなったら、皆が自分にかけた苦労はどうなるのか」
と言う事を思いはじめました。
僕が今いなくなればこれ以上人に
迷惑をかける事もなくなるかもしれません。
ですが皆が僕にかけてくれた苦労は
すべて水の泡になってしまいます。
それに、こんな自分でもいなくなったら
少しは悲しんでくれる人がいてくれるかもしれない。
今まで吐いてきた二酸化炭素、自分のために使ってくれたお金や苦労…。
その全てを返す事は僕の一生を費やしてもできる事ではありません、
でも、だからと言って何もしないで諦めるような事は、したくありません。
生きていれば、世界の人にとっていい事を
一つや二つぐらいはできるかもしれない。
生きて、何があっても生きて、とにかくいい事をしてみんなに借りを返すこと。
それが僕の生きる意味だと思います。
それまでみんなが生きてる事を祈ります。

消えるなら 全て返した その日から…

     

この文章の下書きが
次男の部屋に置いてあったので読んでしまいました。
それを長男にも見せたら。
「この本に出てくる登場人物が同じような事言ってるから」
と、持ってきた本。「ウィザーズ・ブレイン」シリーズ

ウィザーズ・ブレイン〈5〉賢人の庭(下)

ウィザーズ・ブレイン〈5〉賢人の庭(下)

  • 作者: 三枝 零一
  • 出版社/メーカー: メディアワークス
  • 発売日: 2005/09
  • メディア: 文庫

そういえば、かなりハマってたな。
それにしても、シンパシーを感じたから
彼はこんな文章を書いたわけで^^;
卒業文集にこういった文章を載せる生徒は少ないと、
わかっていると思うから
これは彼のささやかな自己主張なのかもしれません。

 

ちなみに本人がボツにした第一稿はこちらです。

 

「シザーマン」

私は残った課題を終わらせるために夜更かしをしていた。
深夜二時、月が光り輝いている時、
奴は窓ガラスを突き破って現れた。
人間の身の丈程もある大きな鋏を担ぎながら……

後に私はその男がシザーマンと呼ばれる
連続殺人犯だという事を知る事になる。

両親は実家におり、兄は友人の家に泊まっているので、
幸か不幸か現在この家にいるのは私一人ということになる。
外に出たのはいいが、どこまで逃げても、根気強く逃げても、
シザーマンは辛抱強く追ってくる。

このままではらちが明かない事を悟った私は、
どこかに隠れてシザーマンをやりすごす事を決意した。
しかし、一体どこに隠れるか……私は迷った。
ヘタに隠れてみつかってしまったら、
まちがいなくそこに待っているのは、おそらく……死だ。

     

これを文集に載せても、
それはそれでおもしろかったかもしれない(*≧v≦) 

卒業文集をみていると、
担任の先生がどれほど生徒に信頼されていたのか
とてもよくわかります。
これだけ中学生に好かれる先生に出会ったのは初めてです。
厳しい40代後半の男性教師でした。筋が通っている方でしたね。
次男も表には出さなかったけれど好きだったようです。
中学で使ったプリントは処分しましたが、
この先生からの学級通信やプリントだけ
別の場所によけて保存してあるのを、
この間、見つけてしまいました(*^^*)  

先生から次男への所見。

「心に一杯豊かなものを持っているのに、
表現するのがニガテでしようがない…
そんな印象です。
高校でいろいろなチャレンジをしてみて下さい」

卒業文集に載っている、先生からのひとこと。

人生に大切なことは「生き続けること」
できれば「善く生き続けること」

これから先も、信頼できる先生に出会えるといいね。


nice!(2)  コメント(4) 

nice! 2

コメント 4

dekochan-kyou5momo

先生を選べない分、教師はもっと精進しなくちゃいけませんね。
私も心に残る教師になりたいもんです。
by dekochan-kyou5momo (2006-05-01 09:37) 

miyuco

>deko先生
文章を直してたら、コメントが入ってびっくりしました^^;
この担任はメンドクサイ中学生女子にまで好かれていて
(見た目はフツーの中年男性なのに)
教師としての力量をまざまざと見せつけられた気がしました。
心に残る教師、すてきですよね。
nice!とコメントありがとうございました♪
by miyuco (2006-05-01 09:46) 

綺華

あ~~~、私の中学時代と重なる文章だ・・・(^_^;)
私は親の離婚で、自己を確立する時期に目一杯自分を否定して
生きてきたので・・・・・かわいいかったなぁ(笑)
うちのノーテンキ兄弟には書けない文章だわ(爆)

やっぱり中2のときの担任の先生がいなかったら、きっと今の私には
ならなかっただろうと思うので、思春期に立ち会う大人の影響って
もの凄い力ですよね。
長男も3年間、同じ担任でしたが、勉強できなくて(授業中)寝てばかりの彼に
根気強く自分の道を諦めるなと伝え続けて下さったお陰で今があります。

感受性の強い次男くん、私は好きですよ・・・・♪
by 綺華 (2006-05-01 11:02) 

miyuco

>ayakaさん
本当に深刻な人は、こんな文章を表に出すことすらできないんじゃないかな。
ふだんのヤツはノーテンキです。でも時々こんな事も考えてるんでしょうね。
好きな本を媒介にして自分の気持ちを書いてみたってかんじです。
ホントにおもしろいヤツです。実は私も夫も彼のことは大好き。
私は残念ながらリアルな世界で尊敬できる方には会えませんでしたが、
10代の頃に感性豊かな少女マンガの作者さんたちの考え方と
出会えたことが宝物になりました。
子供にはいろいろな出会いがあればいいなと思いますし、自分自身も
筋の通った大人でありたいと思っています。(難しいけど^^;)
nice!と温かいお言葉ありがとうございます♪
by miyuco (2006-05-01 14:44) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。