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ハチミツとクローバー 最終巻 [コミック]

ハチミツとクローバー 10 (10)

ハチミツとクローバー 10 (10)

  • 作者: 羽海野 チカ
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/09/08
  • メディア: コミック

こわれた大切なものと いつかまた あえる日がくるかしら
残した傷跡が消えない それぞれの場所まで もういかなくちゃ
                                        『 ドラマチック』 YUKI

とうとうエンディングを迎えてしまいましたね。
登場人物たちが、
それぞれ自分の向かう先を見つけていったので
物語が終わりに近づいているとわかっていました。

9巻ではぐは言います。
「大好きなひとの 大事な人生を 変えてまで
選ばなければいけない道ってなに?
私は それとひきかえに 修ちゃんに 
一体何をあげられるんだろう」

はぐは右手にケガをする。
つらいリハビリをこなしても、
元通りに創作できるようになるのかわからない。

「描きたいの これ以外の人生は 私には ないの」
と森田に告げる。
そのために選んだのは森田ではない。
「才能 才能 才能 そーやってみんな 
ヒトを勝手に好いたり憎んだり恨んだり…
あげくに黙って離れていく」
こんなふうに言う森田こそが、はぐを理解できる人間なのに、
パートナーにはなれない。

「修ちゃんの人生を 私にください」
試練の後に、この言葉がでてくる。
彼がひとりの男として望んでるであろう何かを
返せるあてのない利己的な願いだとわかっていて、
はぐはこう言う。

はぐのケガというエピソードを入れないで
ここまで持ってきてほしかったなと思います。
竹本くんの辛い日々をあれだけ丁寧に描いていた作者には
できるはずだったのに。
残念です。

いいラストシーンでした。
「意味はある あったんだよ ここに」
そうだね。意味のないものなんて、ないよ、竹本くん。
ハチミツとクローバー
こんな形で出てくるなんて、泣かされてしまうではないですか。

全体を通してみると、
リカさんのエピソードが一番印象に残っています。
あれだけ深い「喪失」を描ける作家さんは少ないと思う。

心に残るシーンが数え切れないほどある素敵な作品でした。
森田の父親との幸福なエピソードも印象的です。魅力的です。
羽海野チカさんは、ハチクロのスピンオフを書く予定だそうです。
きっとのびやかに書けるんじゃないかな。楽しみ。

10巻にはハチクロ関連ではない短編が2つ載っています。
「星のオペラ」絶品です。18ページでこのクオリティー。
素晴らしい
こういう作品も描ける方なんですね、羽海野さんて。

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タグ:羽海野チカ
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こにゃ

びっくりしました。こんなに早く終わるとは・・・・。
miyucoさんのおっしゃる通り、もちょっと丁寧に終わらせてもよかったのでは?と思います。終わらせ方は決まっていたのでしょうが。
それぞれの見つけた“光”へ向かってゆく。個々の意思によって。(はぐも修ちゃんも)
はぁ・・・スピンオフヴァージョン楽しみです。誰が主役なんでしょう??
(やっぱりローマイヤ先輩?!)

「星のオペラ」イイです。切なさと、その隣にある幸せを描かせたらビカイチだと思います。羽海野さん♪
by こにゃ (2006-09-13 19:43) 

miyuco

>こにゃさん
羽海野さんのモチベーションがもたなかったのかなと思ったりしました。
大好きな作品が終わりをむかえるのは、とても寂しいです。
コミックスのラスト、五人が並んでカーテンコールのような
お辞儀をしているのを見て、なんだか泣けました。

短編を読んで、やっぱり実力のある方なんだなと思いました。
スピンオフも楽しみです。ローマイヤ先輩、人気者ですね♡
nice!とコメントありがとうございました♪
by miyuco (2006-09-14 10:50) 

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