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『螺鈿迷宮』 海堂尊 [読書]

海堂尊の本は読みやすい。こういうのをリーダビリティーが高いというのかな。
文章に謎を織り込むのがうまいです。
それが引っかかりになって先を読まされてしまう。
それなのに、ストーリーにも登場人物にも
ガツンと来る魅力を感じられないのが残念

「縁起いい名前コレクター」なら垂涎モノのめでたい名前を持つ、天馬大吉。
しかし本人は自分をツイてない人間だと思っている。
欲張りすぎた名前のせいだと。
そんな大吉を百戦錬磨の企業舎弟の結城はツイている男だと言う。
どうしてなのか?
夏の夕暮れ、東塔のてっぺんが虹色に光るという極彩色のウワサの真相は?
桜宮巌男病院長は大吉の名前に反応する。なぜだろう。
「レディ・リリィの小部屋」ってなに?
というふうな謎に引っ張られて読み進むわけでございます。

桜宮病院の闇が次第に姿を現し、
それに伴い「終末医療」について語られることとなる。
闇を知り尽くした桜宮巌男病院長。
「火喰い鳥」白鳥の考えもめずらしく揺らぎます。

「氷姫」ってこうゆう人だったのか…
たしかにトロい、そして頭でっかちタイプ。桃色眼鏡のでかい女。
前二作で期待をもたせすぎたので、外すと致命的だと思いますが
まずまずではないですか。

自分たちを光と影だという双子の姉妹、小百合とすみれ。
小百合がなぜダークな死の女王になってしまったのか、
もう少し書いてあってもいいのに。
桜宮病院崩壊の道連れに院長とすみれが実行しようとしたことはわかるけれど
「自殺幇助ビジネス」は理解できない。

ラスト、脱出したレディを何故バイオレットだと思いこんだのでしょうか。
「桜宮の血脈という厄災」小百合には
医師の道を外れてしまった兄がいるんですよね。
まだまだ、話は続きそうです。

   

この病院は、あまりにも、人が死にすぎる――
日本の医療界を震撼させた「バチスタ・スキャンダル」から一年半。
その舞台となった東城大学に医学生として通う天馬は、留年を繰り返し
既に医学の道をリタイア寸前だった。
ある日、幼なじみの新聞記者・葉子から、
碧翠院桜宮病院に潜入できないかと依頼を受ける。
東城大学の近隣病院である桜宮病院は、
老人介護センター、ホスピス施設と寺院を一体化させた複合型病院であり、
終末医療の最先端施設としてメディアの注目を集めていた。
しかし、その経営には黒い噂が絶えないという。
天馬は葉子の依頼を受け、看護ボランティアとして桜宮病院に通い始める。
そのうちに、奇妙な皮膚科医・白鳥と看護師・姫宮と出会うことになり……。 

螺鈿迷宮

螺鈿迷宮

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/11/30
  • メディア: 単行本


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