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五月の詩 [読書]

「散歩」 谷川俊太郎

やめたいと思うのにやめられない
泥水をかき回すように
何度も何度も心をかき回して
濁りきった心をかかえて部屋を出た

山に雪が残っていた
空に太陽が輝いていた
電線に鳥がとまっていた
道に犬を散歩させる人がいた

いつもの景色を眺めて歩いた
泥がだんだん沈殿していって
心が少しずつ透き通ってきて
世界がはっきり見えてきて

その美しさにびっくりする

 

5/2朝日新聞夕刊掲載

何度も何度も心をかき回す
やめたいと思ってもやめられなくて
やめられない自分に腹がたち
終いにはお定まりの自己嫌悪

そんな自分の姿に重なる詩です。

年齢を重ねていくと自己嫌悪の度合いが低くなる
自分を嫌いになれなくなる
自分に刃を向けることもできない図々しさに
うんざり

泥はだんだん沈殿していく
しかしそれはまたかき回されるべきものとして
静かになったにすぎない

「その美しさにびっくりする」
なかなかこういう心境にはなれないな。

なんとすごい なんとすごい季節でしょう

と、びっくりしている綿の国星のチビ猫には心が動くのに。


タグ:谷川俊太郎
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コメント 6

はりなたる

こんにちは。ご無沙汰してました(^^)
ふらりとお邪魔しにきて、はっとする言葉に出会わせていただいた気がします。
私もなかなかそんな心境にはなれませんが、そういう見方もあるっていうのは素敵ですよね(^^)
by はりなたる (2009-05-17 10:40) 

miyuco

はりなたるさん、こんにちは^^
今日はいい天気で光も緑もきれいです。
ふとんを干して大量の洗濯物も片づけました。
「美しさ」にではなく「太陽の恩恵」に
心が弾むところが主婦の実感なのでした^^;
でもそれで「心が少しずつ透き通ってきた」ので
嬉しいです。
nice!とコメントありがとうございます!
by miyuco (2009-05-18 14:11) 

miyuco

松matsu先生、nice!ありがとうございます^^
by miyuco (2009-05-18 14:12) 

おきざりスゥ。

>自分に刃を向けることもできない図々しさに
>うんざり

年齢を重ねて自己嫌悪の度合いが低くなってきて…楽になったナーなんて甘んじてるミズカラに比してmiyucoサンは誠実な方。
この記事を読んで目を覚まされた気がしました。
自分を嫌いになろうとは思わないけれど自堕落を反省します。

太陽の恩恵たいせつです!干した布団は気持ちイイもの♪
今日も貴重な晴れ間^^スゥ。も干してくるネ~
by おきざりスゥ。 (2009-05-19 07:54) 

miyuco

>スゥ。さん
今日の東京は期待はずれの天気でした。
もっと晴れると思ったのに(_ _。)

楽になったけど時々自分の鈍さにイラッとする
アラフィフの今日この頃。
若い男子たち(息子)と話し、
若くない男子(夫)と話していると
年を重ねることの良い面と悪い面を
いろいろと感じ、それが自分に跳ね返ってきます。
自意識過剰ではなくなって
それは喜ばしきことなんだけど。

nice!とコメントありがとうございます♪
明日はいい天気だといいな~!
by miyuco (2009-05-19 19:24) 

miyuco

松matsu先生、nice!ありがとうございます!

by miyuco (2009-05-19 19:25) 

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