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英国王のスピーチ [外国映画]

スピーチの苦手な皇太子が王位に就く。
望んだわけではないのに…
しかし時は開戦前夜、重責は否応なくのしかかってくる。

ほとんどの場面、“バーディ”(コリン・ファース)は
苦悩に満ちた表情です。
しかし彼を真摯にささえる妻・エリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)
ふたりの娘がいる愛情に満ちた家庭が強力なバックアップになり
きっと苦難を乗り越えられると観客の私も信じることができたので
ハラハラしながらもどこか安心して見ていられました。
言語聴覚士のライオネル・ローグ(ジェフリー・ラッシュ)との
やりとりはユーモラスでしたが苦みを含んでいて
とても丁寧につくられた物語だと感じました。
派手さはないけれど上質な作品でした。

1936年の英国。
国王ジョージ5世の後継として長男のエドワード8世が即位するが、
離婚歴のある米国女性と結婚するために
1年もしないうちに王座を捨ててしまう。
ジョージ6世として王位に就くことになった弟のヨーク公は
内気な性格に加え幼い頃から吃音症に悩み、
公務でのスピーチは常に苦痛の種だった。
そんな夫を優しく励ます妻のエリザベスは、
オーストラリア人のスピーチ矯正専門家ローグを見つけ出す。

ヒトラーの率いるナチスドイツとの開戦に揺れる国民は、
王の言葉を待ち望んでいた。

王になどなりたくなかった“バーディ”
しかしその肩には重い責任がのしかかってくる。
何としてもスピーチを成功させなければならない。
悪戦苦闘の数々が繰り広げられます。

王族はちやほやされて育つのだと思っていたけれど
厳しい面も多々あるのですね。
父と兄にあんなにも抑圧されたら吃音という形で
おもてに出てしまうのもわかるような気がします。
“バーディ”幸福な家庭を持てて本当によかったですね。

最後のホッとしたような晴れやかな顔は
見ているこちらも嬉しくなりました。

「王冠を賭けた恋」で有名なエドワード8世
軽佻浮薄で思慮の浅い人物として描かれています。
シンプソン夫人もずいぶんな悪婦ぶりです。
ロマンチックな視点でとらえられた文章しか
読んだことがなかったのでビックリしました。
イギリスではあんな感じで認識されているのかな。
エドワード8世の決断は英国にとってラッキーでした。
堅実な家庭を築く弟のヨーク公のほうが
戦乱の世をささえるのにふさわしいと
歴史が判断したかのようです。

チャールズ皇太子を思いうかべました。
人妻との交際を断ち切ることができずに
妻・ダイアナ妃を裏切りつづけた皇太子。
エドワード8世の決断が違っていたら
同じようなことをして多くの人を傷つけたかもしれない。

英国にとっては幸運だったと思うけれど
静かに暮らす生活が望みなのに
表舞台に立たなければならない“バーディ”が
気の毒でした。
でも、しかたないこと。
困難に立ち向かうジョージ6世は立派でした。

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関口ちゃん

こんばんは[__わーい] お久しぶりです[__あせあせ]
先日私も観に行きました
せつない部分も多かったですが 観て良かったです。ほんと家族の暖かいサポートが素敵でしたね[__晴れ]
かんしゃく持つ時は スラスラ言えちゃうんですよね^^
誰でも多少 どもったり かんだりすると思いますが ゴロゴロ転がったり ほっぺたブルブルさせたり 努力してる姿が 面白くも感動もありました[__ぴかぴか]
彼が王になってよかったですよね。
by 関口ちゃん (2011-06-01 20:58) 

miyuco

>関口ちゃん
いい映画でしたよね^^
精神的な部分を改善するのだけではなく
身体の緊張をほぐしたり、発音しづらいところは
禁断のワードである「○ァック」でフォローしたり、
いろいろな手段を使っていておもしろかったです。
本当に、彼が国王になってよかったです!
nice!とコメントありがとうございます♪
by miyuco (2011-06-02 19:51) 

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