『大鹿村騒動記』 [日本映画]
「自らの原点を確認するためにどうしてもやっておきたい」
原田芳雄が切望した企画、『大鹿村騒動記』
監督・阪本順治、脚本・荒井晴彦、主演・原田芳雄
長野県大鹿村で300年以上の歴史を持つ「大鹿歌舞伎」
シカ料理店を営む風祭善(原田芳雄)は花形役者
公演が迫ったある日18年前に駆け落ちした妻・貴子(大楠道代)と
幼なじみの治(岸部一徳)が現れる。
貴子は認知症を患っており、治は善に貴子を返すと申し出る。
それがきっかけであったように、
村ではさまざまな騒動が巻き起こる。
「忘れられないけど思い出したくもない女が帰ってきた。」
18年ぶりに帰ってきた妻・貴子を演じるのは大楠道代。
石橋蓮司、岸部一徳、佐藤浩市、三國連太郎
長らく原田芳雄の映画を観ていたファンが
共演してほしいと望んだ役者さんを
キャスティングしてくれたかのような豪華さです。
「一度目は悲劇、二度目は喜劇」
いろいろあるけれど日々は続いていくというお話。
70歳近くなっても「善ちゃん」「治ちゃん」と
ちゃん付けで呼び合う人たちばかりの小さなコミュニティ。
この映画をみていて、
津波の被害を受けた集落の人たちのことを思い浮かべた。
住み慣れた場所で顔見知りの人たちと暮らしていて
これからもそれが続いていくはずだったのに
津波が奪っていくなんて考えもしなかったはず。
本当に酷い災害だったと改めて思います。
原田芳雄はほぼ出ずっぱり。
とてもチャーミングでした。
もうそれだけでいいや。
(映画の内容は練りこまれているとは言えないけれど)
お亡くなりになったなんてやっぱり信じられない。
舞台挨拶で車椅子を押していたお嬢さんが
役者として映画に出演していました。
壇上で涙を流す父のそばで
笑顔でいるのはつらかったと思う。
しっかりサポートする姿は見事でした。
いい家族ですね。
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