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映画 『博士の愛した数式』 [日本映画]

『博士の愛した数式』は大好きな本です。
映画化するとどうなってしまうのか、不安でした。
深津絵里が家政婦さんを演じると聞いて、少し安心。
実際に映画を観ると、彼女を含めたキャスティングに
違和感はありませんでした。
とてもよかった。

難しい数式も視覚的に説明されると
こんなにも分かり易くなるんですね。
文章を読んでもなかなか頭に入らなくて、
よく理解できなかったことがわかったような気になります。
ルート先生の授業のおかげです。

映画的に手を加えてあるところがあります。


それによって博士と未亡人の関係が
原作よりも分かりやすくなっています。
語られない故に強い絆を印象に残す
原作の描き方が好きだったのですが
映画でそれを表現するのは難しい。

寺尾聡さんは博士には若すぎるかなと思いましたが、
ピッタリでした。
映画だと博士はアクティブですね。
浅丘ルリ子さん、画面がピリッとします。
壮絶な孤独が哀しいです。
ルート、吉岡くんによく似てる!
吉岡秀隆くん、博士を敬愛して、
博士の数学への愛情を受け継いでいるのがよくわかります。
きれいな映画でした。
風景もきれいでした。

原作に愛着があると
冷静に映画の出来を判断することができないですね。
原作にある博士と江夏豊のエピソードが大好きでした。
でも、この部分を映画にすることはできないから、
バッサリ切ってしまうのかなと思っていました。
映画では形を変えて出来る限り残そうとしていますね。

映画を観た方はどうぞ原作を読んでみてください。
博士の孤独、寄り添うルート、
見守るルートの母である家政婦さん、未亡人。
江夏をめぐるエピソードは素晴らしいです。

 

おまけ…本を読んで書いた『博士が愛した数式』の感想です。


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けろろ軍曹

>頬が丸く、唇の横にほくろがあり(略)私の似顔だとすぐにぴんときた。

原作の一文です。深津絵里が役に配された理由がここにあるなぞとは思いませんが、この不思議な符合は私を微笑ませます。
因数分解へ差し掛かった辺りから数学は、私にとって博士が美しさに喩えた星のように遙か手の届かないものとなりました。
(モノトーンであるはずの成績表に記された赤い数字!暑いダルイ夏休みの補習!!)
どうしても理解できない文字の連なりを、でも私はキライではありませんでした。解読表を手にさえできれば読めるはずの素敵な秘密が書かれている
ことは知っていたので。
近づくことさえできず星のように仰ぎ見ていた人が一瞬だけ振り向いて笑いかけてくれた気がした本と映画でした。
その人は想像通りに美しく、驚いた事に優しくさえありました。また遠い背中しか見ることのないようになっても、それが温かいことは忘れないでしょう。

原作本が百万部を越えたとのニュース。小川洋子氏(薪能の場面にカメオ出演してましたよね?)最高のヒットとなりましたね。
by けろろ軍曹 (2006-01-31 00:47) 

miyuco

>けろろ軍曹さん
高2の長男が原作を読みました。
診療所でルートのケガの治療がを待つときの“三角数”の説明が
とても好きだったそうなので、映画では直線の話になってたよと言うと
残念そうでした。「Nってあの人のことだよね」と確認してきたので少し心配だったのですが、現役理数系は親の苦手な部分をきちんと理解していたようですね。「あの三角数はよかったな~好きだなあ~」と言っていました。
ちょっと小川洋子さんに申し開きができた気がします。
小川さんの書いた本はこれしか読んでいないんですよね。
あまりにこの本を好きなので、他の作品を読む気になれないです^^;
百万部、すごいですね!でも、その価値はあります。
by miyuco (2006-01-31 09:11) 

綺華

けろろ軍曹様が因数分解で手の届かなくなったように・・・・
私はすでに小学校4年生の分数で、数学どころか算数さえ
遥か彼方の出来事になってしまいました(^_^;)

それが息子達の公文のプリントの自宅添削を始めてから
算数の答えを出すまでの過程がとても美しく理路整然としている事に
気が付いてから、同じ遥か彼方の出来事ではあるんですが、
数学に神秘的な憧れを感じていました。

そんな気持ちを全て受け止めてくれたこの作品は普段ミーハーな
ジャンルにしか興味が向かない私の唯一の良心みたいなものです。
原作も読破しました。
多少、イメージが違ったところもあるましたが、概ね映画のキャスティング
通りの映像になって頭の中に広がりました。
ただ、原作では博士との別れまでが描かれていたため、私の中で
あやふやだった最後の浜辺でのキャッチボールの場面が
突然悲しいものになってしまい、もう少し余韻に浸りたかったかな・・・と
感じました。

原作本の中に出てくる数式は、文字で読むだけだとやはり
付いていけなくなってしまう・・・・理数系の感性じゃないんですね(-"-)
by 綺華 (2006-01-31 10:42) 

miyuco

>ayakaさん
コメントとnice!ありがとうございます。
過去記事リンクなんてずうずうしいですね^^;
映画の博士は原作よりも元気そうで、
それはそれでよかったなと思いました。
原作で別れまでを読んでしまったので、映画の冒頭、
ルートが博士のことを話し始めた途端にもう涙でした(><。)。。
再会の喜びと別れの予感のようなものがこみ上げてきてしまって。
ちょっと不審な行為だったかも…
by miyuco (2006-01-31 18:47) 

KANAchanMaMa

映画の記事にも おじゃまいたします。(^_^)/
えっ!映画の薪能の場面に 小川洋子さん 出てらしたんですか~!?
\(◎o◎)/ 気付かなかった~!残念。。。一瞬だったのかな~(・・?
それを 確認するためにも、また観よう!p(^_^)/
私も 数式の件は、文字で読むだけでは イメージが ついていきません
でした。(~_~;)ゞ あの映画の映像の おかげで、補完できました~♪(*^^)v
by KANAchanMaMa (2006-09-04 21:31) 

miyuco

>KANAchanMaMaさん
小川洋子さん、私もわかりませんでした^^;
吉岡くんの先生、映画的なこのアレンジがとてもよかったなと思います。
過去記事、読んでいただいてありがとうございます♪
by miyuco (2006-09-05 13:06) 

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