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[ HERO ] 桜井和寿 [music review]

先日、ビデオテープの整理をするために、
2003年の「クリスマスの約束」を見ていました。
ミスチルの桜井さんがゲストで
「タガタメ」と「HERO 」を唄っている場面。
遅い夕食を食べていたオットがそれを見ていて
静かに感動しているのがわかります。
「なんでこんな歌詞が書けるのかな…」とひとこと。
彼は連日のの残業続きで神経が摩耗しているようです。
疲れてすさんでいた表情が和らいでいるのが見て取れて、
音楽ってやっぱりすごいと思った瞬間でした。

「HERO」は2002年12月にリリース。
桜井さんが7月に小脳梗塞で倒れ、
約半年間の活動休止後の復帰作。
クレイアニメのPVも話題になりました。
http://youtube.com/watch?v=g5Q5rQPoqcs

途中までサビの部分をファルセットで唄い、
最後のサビだけ地声で唄っています。

2004年、「Bank Band」として発表された
『沿志奏逢』での「HERO」は
こういった技巧を使っていません。
ストレートに唄っている。
技巧なんて必要ない。
この曲はシンプルに表現しても、力強く、美しい。

曲を作った人間として唄っているだけではなく、
きちんと対峙し、深く共感して感情をこめて唄っている
そんなふうに感じます。

桜井和寿という人間から生まれた曲ですが、
それは奇跡のような一瞬だけを切り取って
生まれたものだったかもしれない。
彼は後になって自分の作った「HERO」という曲を
再発見しているように思えます。
楽曲の【格】に桜井さんが近づいていっているように感じます。

[apbank fes' 05 ] 「HERO」
http://www.youtube.com/watch?v=xlGTeM6VwNo

過去記事リンク→  「HERO」 apbank fes,05

井上雄彦の『リアル』でも「HERO」が
印象に残る場面で使われていましたね。

HERO (通常盤)

HERO (通常盤)

  • アーティスト: Mr.Children, 桜井和寿, 小林武史
  • 出版社/メーカー: トイズファクトリー
  • 発売日: 2002/12/11
  • メディア: CD


 


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コメント 2

スゥ。

(贔屓にしてたのに聴取範囲外になってしまいましたが)TBSラジオでは毎年末紅白歌合戦の時間帯に(首都大学東京准教授)宮台真司 が(確か宮崎哲弥と)
その年のJ-POP否、日本歌謡界について語る番組があるのですが、'03年末の同番組では、今年最大の収穫は『HERO』であると発言していました。
宮台氏は賞賛する時よりクサす時の方がハナシは面白く、当時はMr.childrenの話題より森山直太郎の『さくら-独唱』についてのハナシを熱心に聞いてしまったのですが。
耳聡いmiyucoサンは既に御存知の話題だったかも知れませんが、関連記事のある彼のBlogURLを。
                           未読でしたら御参考までに。

http://miyadai.com/index.php?itemid=89
by スゥ。 (2006-04-14 15:04) 

miyuco

宮台さん、また難しい言葉で論評してますね^^;でもおもしろかったです。
「桜井のディタッチメントな歌詞世界は、(1)陰と陽、光と影、夢と現実、虚と実、本当の 自分とウソの自分…といったダイコトミー(二項対立)を示しつつ、(2)どちらかを一方的 に肯定するよりもむしろ1/f的に揺らぐ、といった説話論的構造を持つ点に特徴がある」
桜井さんの書く歌詞だけではなく、こういった視点から描かれたものには
心惹かれます。大島弓子さんの作品もそうですよね。
by miyuco (2006-04-15 09:13) 

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