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『オリュンポス』ダン・シモンズ(感想その2) [読書・海外]

『オリュンポス』感想その1

エッフェルバーン(エッフェルの道)いいなあ~おもしろそう。
豪華なゴンドラに乗って巨大ロープウェイを旅する。
地上1000フィート(約300メートル)
確かにエッフェル塔の高さだ。

タージ・マハールを模した大霊廟。
虚空に浮かぶクリスタルの棺に眠る女。
若いサヴィの姿をしているポスト・ヒューマン、モイラ。
「この人たち、なにも知らないのね」とハーマンに言うけど
忘れるように創られたんだから当然です。
モイラ、かわいくない。 サヴィは好きだったけど。

下巻のはじめの方でイオのオルフが謎解きをしてくれる。
できるだけ早く地球に降りるべきだと
主統轄体たちを説得するために。
「今日するべきは、地上で虐殺されている人々を救うことだ」
われわれの祖先を設計した人間たちを、とオルフは言う。

イオのオルフとマーンムートは説得している最中でも
こっそりとタイトビームでやりとりしている。
オルフは1200標準年存続していることが判明。
ちなみにマーンムートは150標準年。
「そんなに年寄りだなんて初耳だ!」
「話にでなかっただけさ」
ときどきアステュアゲス/チェにそれをたしなめられる^^

ポスト・ヒューマンは他の次元宇宙に到達することに
血道をあげていた。
100万の軌道上の物体は人間100万人分の
記憶装置。個人専用のハードディスク。
古典的人類のファックスとは古典的テレポーテーション。
「人間ひとりの肉体、精神、人格の各データを符号化して記録し、
物質を分解してエネルギーにし、それを送信したのち
移動先で受信して再構成するんだ。」
スター・トレックのように。(モラヴェックにはトレッキストが多い模様)
古典的人類にそれを使わせたのは
他の宇宙にいたる大がかりな実験のモルモットにするため。

軌道上のデジタル・データにある人間の意識が
ブレインホールと量子テレポーテーションの鍵ということかな。
人間がエネルギー源とされている。「ハイペリオン」のように。
ああ、マーンムートのように頭痛がする…

ポストはいくつもの平行宇宙にブレインホールをつなげた。
そこには人間の天才たちの純粋な精神の力で想像された宇宙もあった。

ポスト・ヒューマンは、一千年を費やして、
異種知性とコンタクトをとろうとしてきた。
その過程に置いて、太陽系全体の量子的構成を変質させ
―シェイクスピアの戯曲から、数多の手を持つ脳髄と、
くたびれたサイバーウイルスを呼びこんでしまったんだ。 

〈昌玉の室(クリスタル・キャビネット〉を生き延びた
ハーマンの解説が(ちょっとだけ)わかりやすいです。

ヴォイニックスは、三千年前、ユダヤ人根絶やしのために、
時を超えて送り出された存在だった。
ポストによって再プロミングされていたが
セテボスの封印が解けたために
本来のプログラミングにしたがって動き出した。
ただしユダヤ人限定ではなくなっている。人類全体が標的。

量子的崩壊に危機感を持っている火星の神々もいたのね。
ゼウスさえ恐れる女神ニュクスの力をかりて
ヘファイストスは混沌(カオス)の洪水を阻もうとする。
不死身のアキレウスは「量子的特異点」として
禍の元、ゼウスを倒す。
そして神々の戦いが始まる。
ホッケンベリーはイリアムの地球に残っている人々が
巻き添えになることを憂いヘファイストスに慈悲を乞う。
彼らを戦火から逃がしてやるわけです。神々の母星の地球へ。

…すごい力業だ…そんな力を持っていたなんて。
トロイアを中心にして、半径五百キロ以内にいた人間以外
およそ六百万人を消滅させたのも彼の仕業だったらしい。
しかしヘファイストスは本当に神々の王位を継ぐことが
できるのか?だいじょうぶなのか?
いくら後ろ盾があってもそれほどの器とは思えないけど^^;

ホッケンベリーをつくったのはヘファイストスだった。
依頼したのはゼウス。唯一神に昇格する姿を文字で記録させるために。
そしてゼウスの絶頂と破滅の瞬間の証人となる。
ホッケンベリーも量子的特異点なのかな。
ヘレネの恋人になっていい思いもしたけれど殺されそうになったり
波瀾万丈でしたね。
憎めない、いいヤツ。

感想まだ続きます

『オリュンポス』感想その3
 

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