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『愛しの座敷わらし』 荻原浩 [読書]

「座敷わらし」がとにかくかわいいです!

東京から田舎に引っ越した一家が、

座敷わらしとの出会いを機に家族の絆を取り戻してゆく、

ささやかな希望と再生の物語。  ― 帯より



感動の押しつけがなくて好感を持ちました。
ユーモラスなタッチで描かれていて温かい。
こういう再生の物語は好きです。

朝日新聞夕刊に連載されていたのを読んでいました。
(2007年1月31日~11月19日)
浅賀行雄さんのイラストはホラー風味のように感じて
最初はあまり好きじゃなかったのですが
物語がすすむにつれてだんだん座敷わらしがかわいく見えてきた。
それからは毎日挿絵が楽しみでした。

犬のクッキーにがんばって近づいて
寄り添って眠ってしまった座敷わらしの挿絵が可愛かった。
連載中の絵を単行本に何枚か載せて欲しかったな。

座敷わらしは幼子だからやっぱりお母さんが好きなんですね。
おぶさったり自転車のカゴに乗って買い物についていったり。

父親の転勤で田舎に引っ越してきた一家。
その家は築百三年の古民家。
小学4年の智也いわく「ウエハースの家」
何年か前まではわらぶき屋根だった民芸館のような家。

一家は五人家族。
晃一は47歳。
地方支店への異動は主流からはずれたことを意味する。
彼は家族との関係がぎくしゃくしていると感じている。

晃一はいい父親だと思う。ちょっと軽いけど^^;
家族が問題を抱えていることに気づいていて
どうにかしたいと思っている。
けれどもその気持ちはなかなか家族に伝わらない。
父親は自分たちのことをちっともわかってないと
家族は思っているけれど実はそうでもない。
こういうお父さん、きっとたくさんいるだろうな。

中二の娘、梓美は父親と言葉をかわすどころか
目も合わせてこない。
この年頃特有の「おやじうざっ」という感じが
とてもよく描かれていて笑ってしまった。
父親にしてみれば寂しいことだとは思うけど
昔の自分を思い出してみると娘に共感する部分が(大いに)ある。

梓美は通っていた中学で煮詰まっていた。
だから転校してもいいと思った。
弟の智也いわくお姉ちゃんは学校で一生懸命「いい子」になっている。
周りの目を気にしすぎてがんじがらめになってるのかな。

母、澄代は夫をなくしてからぬけ殻のようになってしまった。
晃一は母がボケてしまうのではと心配している。
本人は忘れてしまいたいことが多すぎるから
時々、おじいちゃんたちがいる夢の中へ遊びに行くだけだと言うけれど。
澄代は引っ越しの下見にきた家で
空襲で死んでしまった弟の六助を見る。
でもその子が六助ではないこともわかっている。

智也にも座敷わらしが見える。
でも最初はちょっと変な子だなと思っていただけ。
座敷わらしだなんて考えもしなかった。

おばあちゃんと智也にしか見えなかった座敷わらし。
けれど一緒の家に暮らしているのだから
お母さんも気づいてしまうのは当然のこと。
ただファーストコンタクトが衝撃的だったので
その後大騒ぎになってしまったけど。

家族みんなが少しづつ変わっていきます。
座敷わらしが福の神だから?
そうかもしれない。
でも、それだけじゃない。

梓美が「ありがとう」とつぶやいたとき
ああよかったねと心から思いました。
この子のことが心配だったから。


澄代さんも元気になりました。
米子さん別名「ドラえもん婆ちゃん」に負けてはいられない。
(青いタオルをかぶってる時の後ろ姿が似てるから梓美が命名)
米子さんも大好きな登場人物です。

そしてまた転勤が決まり、一家は東京に戻ることになる。
座敷わらしともお別れです。
読んでいる私もとても寂しい気持ちになりました。
ところが…

ラスト一行がとてもうれしい!
この後の一家の様子を想像すると楽しいです^^

座敷わらしは私にはなつかしい存在です
小学生の頃に読んで大好きだった作品に登場したからです。
三浦哲郎『ユタとふしぎな仲間たち』
劇団四季のミュージカルになったのでご存じの方も多いのでは。



愛しの座敷わらし

愛しの座敷わらし

  • 作者: 荻原 浩
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2008/04/04
  • メディア: 単行本


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