『ザ・マジックアワー』 [日本映画]
「映画に愛をこめて」
と副題をつけてもいいのではないかな。
にぎやかなドタバタコメディ。おもしろかった!
売れない役者が何故売れないのかを
佐藤浩市がとてもわかりやすく演じてくれました^^
いかにもありがちな大根役者っぽい演技が楽しい。
凄い役者さんだなと今さらながら認識いたしました。
「猟奇的な顔でナイフを舐める村田大樹」
脚本のト書きにこう書いてあったというシーン
予告篇やTVCMで何回も見たのに笑っちゃった
佐藤浩市の演技を受ける西田敏行が最高でした!
「そんなに気にいったんなら、持っていきなさい」
トランポリンを密かに仕込む村田の役者魂が好きです。
架空の港町を舞台に、
街を牛耳るギャングのボス(西田敏行)の愛人(深津絵里)に
手を出した手下のクラブ「赤い靴」支配人(妻夫木聡)が、
売れない三流役者(佐藤)を映画の撮影と称して
凄腕の殺し屋に仕立て上げるというストーリー
「完璧な人間はいない」Nobody is perfect
ビリー・ワイルダー「お熱いのがお好き」の超有名なセリフ
これがでてきてニヤッとしてしまった^^
朝日新聞に連載中の三谷幸喜のコラムを読んでいたら
ギャング映画とコメディーの完璧な融合「お熱いのがお好き」を
お手本にしたと書いてありました。
ああいう映画を作りたかったのね。
どう考えてもおかしな設定なのに
初めての主演映画に舞い上がって一生懸命に演技する
村田大樹がとてもキュートです。
夢は映画館のスクリーンに大写しになる自分を見ること
それは思いも寄らない形でかないました。
見ていてこちらもグッときました。
念願かなったのに彼の演技はちっとも上手くない。
そんなところにペーソスを感じて切ないです。
深津絵里はきれいでした。
「バレるに決まってるでしょ。ばかみたい」
賢そうな瞳でこう言われると確かにそうだよねと思ってしまう。
それまでの映画の世界からすっと醒めてしまう。
「もっとIQの低い感じで」
と三谷幸喜に言われていたそうですが
どんなに演技が上手くても賢さを落としてみせることは難しいんですね。
「シカゴ」のレニー・ゼルウィガーをイメージしたというのなら
やっぱりここは篠原涼子がぴったりだったのにな。
(前作を引きずってしまうし、いろいろとムリなのはわかっているけど)
<だます男>備後を演じる妻夫木聡
ちゃらんぽらんでテキトーなこの男が物語の発端となる。
逃げようとしたけれど村田を本物の殺人者にしてはいけないと
戻ってくる。憎めないいいヤツです。
ほっぺがまんまるだったけど…ふとった?
こわもての寺島進、まゆ毛をかいちゃったところで爆笑。
マネージャーを演じる小日向文世さん
村田大樹のファンだと言う。
村田がスタッフに愛されている役者だとよくわかりました。
最後の一芝居は楽しそうだった。
村田が愛する昔の映画「暗黒街の用心棒」
谷原章介が主人公を演じています。
この役者さんが年老いた姿で再登場するのですが
最初は谷原章介に特殊メイクを施したのかと思ってました。
それほど容姿が似通っていた。
でもいくら完璧に仕上げてもこれはムリです。
エンドクレジットを見たら、柳澤愼一さんという方でした。
どこかでお見かけしたお顔だなと思ったら
『メゾン・ド・ヒミコ』に出演していたのですね。
あの映画の人は「ホワイト学割」の先生だよ
と連れに教えたら、えぇぇ~っ!?全然違うじゃんと言う。
でも独特なしゃべり方でわかるよね。
佐藤浩市が映画の主人公に成り代わっている場面で
谷原章介のセリフ回しや間を忠実に模倣していて
すごいなと感嘆いたしました。
裏方さん大活躍のラストが素敵でした。
おもしろかったよ、三谷幸喜さん。
また映画を作ってくださいね!
松matsu先生、nice!ありがとうございました♪
by miyuco (2008-06-20 18:03)
僕も、深津絵里より、篠原涼子の方がずっとよかったな、と思ったひとりです。他の配役は完璧でしたが・・・。
by 松尾 昌介 (2008-06-22 19:04)
松尾昌介さま、コメントありがとうございます。
レニー・ゼルウィガーやマリリン・モンローのように
コケティッシュに演じることができる日本の女優さんって
あまり思い浮かばないのです。
だから前作の篠原凉子がすごく印象に残りました。
綾瀬はるかがもう少し年齢を重ねたら
うまくすると気のいいかわいらしい役を演じることが
できるかもしれなと思います。
by miyuco (2008-06-23 17:19)
最近の画像と、
昔の沢田研二のジュリー時代の画像が見たいです!!♪★
ちなみに。。。。ふとった。方が好きだよww↑↑笑★
by A子 (2008-08-06 02:22)
…誤爆?
youtubeへGO!
by miyuco (2008-08-06 23:35)
観よう観ようと思っていて公開終了直前の鑑賞となってしましました。
絶えずクスクス笑いを漏らしながら観続けて“裏方さん大活躍のラスト”で爆笑。
<ラジオの時間>と同じく三谷幸喜の現場を支える物作りのプロに対する敬意と愛情が感じられる好い場面でした。
公開前は三谷幸喜の尋常ではないマスコミ露出に食傷気味だったけれど動員数や興行収益を上げたいのも自分の評価の為ではなく関わった沢山の制作スタッフの為に一人でも多くの観客に見せたかったのではないかとまで寄り添って考えてしまうほど(笑)
事前に御都合主義すぎるというような感想を読んでいましたがソレは的を射ていない。
登場人物みずから「映画の中にいるみたい」と発言するのは決して先手を打った逃げではなく繰り返される「この街はいい街だ」に和すハーモニー。
一日中マジックアワーみたいな守加護が本当に幸せな街なのは三谷幸喜が映画と映画を取り巻く人間を大好きで映画に関わる仕事を―それも監督を出来て嬉しくてしょうかない思いが創り上げた街だから。
一種メタフィジカルな街と映画を楽しめないのは損なことではないかしら?
それにしてもスクリーンも小さい座席数も少ない閑散とした劇場で観ることになったのは残念でした。
冒頭の<101人の黒い女>で大笑いしたのがスゥ。1人だったのは淋しかったナァ。
(スタッフジャンパーのタイトルで既にウケてたら黒い服の女が大勢でてきて引き攣り笑い!)
公開直後の映画館ならドルビーサラウンドな笑い声に包まれることが出来たでしょうに。
それとボスの情婦役は若い頃の大竹しのぶで見たかったかな?
戸田恵子のコスプレめいた衣裳替えにはタブン元根多があるんでしょうが分かりませんでした~
by おきざりスゥ。 (2008-08-31 02:17)
スゥ。さん、ご覧になりましたか。
>尋常ではないマスコミ露出
確かに尋常ではなかったですね^^;
でも私もスゥ。さんと同じ意味で
許せてしまいました。
「御都合主義すぎる」という言葉で
映画を批判するのはいかがなものかと思います。
好きではありません。
だって「映画」なんですもの。いいじゃない。
実は私も観客が少ない映画館で観て
後悔したひとりです(v_v。)
隣で連れがイスを揺らして笑い転げてたけど。
大竹しのぶ、「男女七人~」の頃の彼女だったら
キュートで良かったかもしれないですね。
nice!とコメント、ありがとうございました♪
by miyuco (2008-08-31 18:57)