『ラブコメ今昔』 有川浩

『クジラの彼』に続き「自衛隊ラブコメシリーズ」第二弾

「阪急電車」を素通りしてこの本を読むあたり
制服ものが好きなのかと自分に問いかけたくなる＾＾；
ラノベ口調がそれほど気にならなくなっていた。
意図して抑えたのか自然に文体が変化したのか？
相変わらずテンポはいいです。
読みやすい。

六編からなる短編集です。
詳細はweb KADOKAWAでどうぞ。
http://www.kadokawa.co.jp/sp/200806-02/

表題作「ラブコメ今昔」
「昔」だけで「今」はないじゃないのと思っていたら
ありました＾＾
隊内紙「あずま」の記者千尋はコラムを担当する。
「自衛官の恋愛と結婚について」
一回目の登場を依頼された二等陸佐・今村は
断固拒否の姿勢。
「五十も過ぎたおっさんが古女房との馴れ初めなんぞ
隊内紙でべらべら垂れ流せるか、みっともない！」
かくしてバイタリティーあふれる千尋ちゃんと
頑固な今村との攻防が勃発する。

「馴れ初め」はとても好感の持てるエピソードでした。
奥さまが可愛い。
女性自衛官の隊内結婚率は高く、また離婚率も高い。
厳しい実情も織り込まれています。

 

 

「軍事とオタクと彼」
今まで「イニシアチブを取りたがる男」とばかり
つきあっていた彼女には、違うタイプの彼が新鮮にうつる。
アクティブな性格の彼女が誠実な彼に出会い
彼のことを少しづつ理解していき
そのたびに惹かれていくという物語。
自衛官の彼が仕事に持っている誇りを語る場面は
とても凛々しく感じます。

「広報官、走る！」
自衛隊の広報活動もたいへんです。

「青い衝撃」
「女性自衛官の隊内結婚率は高く、また離婚率も高い。」
隊員同士で結婚した夫婦に不穏な影が…
「ブルーインパルス」のパイロットは注目を浴びる立場にある。
若い女性に囲まれる夫に妻はいらぬ気苦労をしてしまう。
ハッピーエンドが心地よい物語です。

「秘め事」
タイミングを逃すとなかなか事態が進まない。
上司の娘とつきあうのはたいへんです。
あとがきに「パイロット職の方のお話」として
訓練中の事故死は多いとあります。
過酷な職務だと改めて思いました。

「ダンディ・ライオン～またはラブコメ今昔イマドキ編」
「ラブコメ今昔」の「今」のほうのお話。
元気な千尋ちゃんと元気な子に慣れてない吉敷くんの
スウィートなラブストーリー。
「ラブコメ今昔」ラストでの吉敷の男らしい言葉の裏には
こんな風な物語があったんですね。
千尋の気持ちを最大限に尊重しようとする吉敷。
千尋ちゃんは素敵な男性を見つけましたね。

この本で一番好みなのは吉敷くんなのでありました＾＾

ラブコメ今昔

• 作者: 有川 浩
• 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
• 発売日: 2008/07/01
• メディア: 単行本

 

タグ：有川浩

コメント 5

こんばんは。
私も最近読了しましたv
最初の『ラブコメ今昔』では、割と飄々とした印象を持った吉敷くんが、最後の『ダンディ・ライオン』では無口だけどなんだか青臭い感じが出ていてかわいい印象を受けました[ラブラブハート]
私も大好きですw
by ミナモ (2008-08-15 21:14) 

ミナモさん、こんばんは。
やっぱり吉敷くんの好感度が高かったのですね＾＾
最後に「ダンディ・ライオン」を持ってきた構成が
とてもよかったと思います。
nice!とコメントありがとうございます♪


by miyuco (2008-08-16 18:50) 

薔薇少女さん、読んでいただいてありがとうございます♪
by miyuco (2008-08-16 18:51) 

はじめまして
こんにちは

吉敷くん、私も好きです。
「低くてかすれた声」
「ｶﾒﾗをいじる色っぽい手」
もうこれだけで一目惚れです（＊´∀｀＊
by まい (2008-11-03 17:12) 

まいさん、はじめまして＾＾
吉敷くん、かなりの包容力ですよね
いいヤツだ。私も大好きです！
コメントありがとうございました♪
by miyuco (2008-11-04 22:22)