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『消せない炎』 ヒギンズ [読書・海外]

『消せない炎』
ジャック・ヒギンズ、ジャスティン・リチャーズ共著
おもしろかった!
父ちゃんがかっこいいです^^

イギリスのベストセラー作家発のYA向け小説
とつぜんあらわれた「父」、
接近するスパイや謎の女、石油をめぐる陰謀……。
15歳の双子が、勇気と知恵で事件を追う!

双子のリッチとジェイドは母を交通事故で失ってしまう。
N.Yからイギリスに戻ってきたばかりだったのに。
葬儀に父親と名乗る男が現れる。
「ジョン・チャンス。きみたちの父親だ」
シングルマザーだった母から父のことは聞かされていなかった。
しかし身よりのない二人はこの男を頼るしかない。

男の住んでいるアパートメントは生活感がなく
仕事についても口を濁すばかり。
得体のしれない男をリッチとジェイドはいぶかしむ。

「父親ぶらないで」
とジェイド(娘)がチャンス(父親)に
反抗的な態度をとり続けているのを読んでいて
いいかげんうんざりした頃に事態は急転します。
このあたりから俄然おもしろくなる。

読者にとってもチャンスは謎めいた存在です。
本当に双子の父なのか味方なのか判断がつかない。
チャンスが行方不明になったと同時に
手助けを申し出る人物が何人か現れる。
これがまた素性の知れないあやしげな人たちなわけです。
双子も読者も誰を信じていいのかわからない。

それがはっきりするのは109ページ
危機に瀕したチャンスのモノローグ

「どんな運命が待ち受けていようと、
子どもたちだけはなんとしても守る。
彼はみずからに誓った…。」

ここで読者はチャンスの立場を理解し
子どもたちへの愛情を確信する。
双子がそれを知るのはもう少し先になります。

 

父の残した携帯の履歴にあった番号に電話すると
連絡がとれたのはアードマンという男。
「国家公務員」の父の同僚だと名乗る。
チャンスが手に入れた液体サンプルをめぐり
争奪戦が発生し彼は深刻な危機に陥っている
「きみたちのお父さんを救い出す力になってほしい」
と言い、チャンスが電話でやり取りしているテープを
二人に聞かせる。

リッチとジェイドは父の心情をはっきりと知ることになる。
自分たちを寄宿舎にいれようとしたことに
やっかい払いされていると双子は反発したけれど
それはふたりを危険から遠ざけるためだったとわかる。
「ただ、いい父親になりたいだけだ」

父は捕らわれてしまった。
双子は何としてでも父を助けたい。
アードマンのアドバイスを受け
チャンスがSAS(英国空軍特殊部隊)にいた頃の仲間
デックス・ハルフォードに会いに行き助けを求める。
しかしそこには…

この後は怒濤のアクションシーン満載です。
レンジローバーで屋敷に突っ込んだり
戦車を乗っ取ったり
双子である利点を最大限生かして敵を翻弄したり

敵の女・マグダの「長い黒髪」という設定が
こんなふうに生かされるとは^^;
小道具がうまいです。サンプルを入れた容器は
よく考えれば最初から出ていましたよね。
反抗的なジェイドのちょっとしたいたずらが
結果的に敵の目を欺いたという成り行きも
ムリがない。

爆発のスイッチを敵のボス・ヴィシンスキーが押すように
仕向けるところが小気味良いです。

親子三人そろって無事生還する結末にホッとしました。
「この親にしてこの子あり」
三人が組んだらおもしろいことになりそう
と思ったら、すでに続編が出版されているそうです。
早く翻訳されるとうれしい。


消せない炎

消せない炎

  • 作者: ジャック・ヒギンズ
  • 出版社/メーカー: 理論社
  • 発売日: 2008/07
  • メディア: 単行本

 


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コメント 6

ミナモ

海外小説はなんだかとっつき難いなぁと偏見を持っていましたが、何だか面白そうな小説ですね!
まず設定から惹かれます❤
さっそく探してみますー^^///
by ミナモ (2008-11-01 01:13) 

miyuco

>ミナモさん
この本は読みやすかったですよ!
最近は日本の作家さんの本がおもしろくて
実は私も海外小説はちょっとごぶさたです^^;
nice!とコメントありがとうございます♪
by miyuco (2008-11-01 19:21) 

BlogPetのジャック

ヒギンスって…なんだろう…?
by BlogPetのジャック (2008-11-04 13:43) 

miyuco

「ヒギンス」じゃなくて「ヒギンズ」だった(_ _。)
まちがえたーーー!
by miyuco (2008-11-04 22:20) 

トト

はじめまして。トトです。                この本を少し前に読んでいて、すごく面白いですよね。3人の家族愛に今後も期待!
by トト (2009-08-13 12:25) 

miyuco

トトさん、はじめまして^^
お父さんとの関係が変化していくのが
おもしろかったです。
続編、気になりますね!
by miyuco (2009-08-15 00:16) 

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