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「雨にもまけず粗茶一服」 松村栄子 [読書]

なんだか頼りない主人公がじたばたしながら
自分のやるべきことを探り当てていく成長物語。
家を飛び出した先で出会うのは
バラエティーに富んだ一癖ありそうな面々
後味のよい物語でした。おもしろかった。
月並みだけど「かわいい子には旅をさせろ」だわね

柴田ゆうさんの表紙イラストに惹かれて読みました^^

雨にもまけず粗茶一服〈上〉 (ピュアフル文庫)

雨にもまけず粗茶一服〈下〉 (ピュアフル文庫)

友衛遊馬(あすま)18歳
弓道、剣道、茶道を伝える武家茶道<板東巴流>の
跡取り息子。しかし家元を継ぐ気はない。
「これからは自分らしく生きることにしたんだ」
家出の果てにたどりついたのは京都。
茶道の本場、京都には行きたくなかったはずなのに…

ひょんな事から居候することになった家の
お祖母ちゃん・志乃はお茶を教えている。
<宗家巴流>の先代家元の一番弟子だった。
お江戸の巴流と京都の巴流、すなわち友衛家と巴家は
茶道を通じてつかず離れず関係を保っていた。
東京を飛び出しても遊馬はお茶と縁を切ることは
できなかった。

遊馬は自分は家元に向いてないと思っている。
茶道は嫌いだと言う。
けれども、先入観のない人にはそう見えない。
神棚の下を通るときはパンパンと手を叩く。
箸づかいもきれい。
仕込まれたものがきちんと身に付いている。
拒絶して逃げ回っているだけではこうはならない。

その辺りが折に触れ描かれているので
身勝手で考えなしのヤツのように思えた遊馬だけど
それだけではないのだと見直す気持ちになります。

事の顛末は…
出来た弟・行馬に背中を押された形で
着地点を見出します。行馬くんグッジョブ!

宗家巴流の跡取りの比呂希が15歳で交通事故死した
理由はあまりに切ないです。

カンナと幸麿はお似合いですね^^


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コメント 3

薔薇少女

本についてはコメント書けませんが、別館楽しく読ませてもらって拍手させてもらってます!
先日初めて市の図書館に行ったら、ご自由にお持ち下さいって中に、岩井志麻子さんの「岡山女」、「東京のオカヤマ人」が、有ったので貰って来ました。
岩井志麻子さんが好きなので、いつか老後?(それは今?)に暇になったら、読もうかな?と思います・・・
by 薔薇少女 (2009-01-28 15:23) 

BlogPetのジャック

miyucoが着地したの?
by BlogPetのジャック (2009-01-28 17:10) 

miyuco

>薔薇少女さん
図書館のご自由にお持ち下さいコーナーは
楽しいですよね^^
岩井志麻子さんはバラエティ番組での
壮絶な発言に恐れおののいてしまってから
どうも本を手に取る気になれません^^;
読まず嫌いもよくないのですけど…
nice!とコメントありがとうございます♪
by miyuco (2009-01-29 15:32) 

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