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「The Times They Are A-Changin'」 [洋楽]

〈ピーター、ポール&マリー〉のライブが
1/17深夜NHKーBS2で放送されていました。
1964年、オーストラリアのシドニー「ザ・スタジアム」で収録。
3人の前には2本のマイク。
近づいたり離れたりしながら音を重ねていく。
こんなに力強いとは思わなかった。
きれいで線の細いイメージを持ってました。
きちんと聴いたことはいままでなかったのに。

曲と曲のあいだに彼らは語り始める。

今アメリカに一人の若い作曲家がいます。
まだ22歳の若者ですが
その歌はすごく力強くて意味が深いんです。
彼こそは今アメリカで最も重要な若い作曲家だと
私たちは思っています。
彼の名はボブ・ディランです。
この歌の歌詞と非常によく似た言葉を
私たちは聞いたことがあります。
数年前にJ.F.ケネディが行った大統領受諾演説です。
彼が言おうとしたのは
「この変化の時代に古いやり方は通用しない」
ということです。

「The Times They Are A-Changin'」
「時代は変わる」
叩きつけるように激しく唄っています。
ボブ・ディラン本人が唄うより
アジテーションの匂いが濃厚です。

ボブ・ディランが時代の寵児であったことは
“知識として”知っているだけなので
同じ時代を生きている人の共感に満ちた言葉は
生々しく心に響きます。

For the loser now
Will be later to win
For the times they are a-changin.

今の敗者は
後には勝者になる
時代は変わっているのだから

 

Come mothers and fathers
Throughout the land
And don't criticize
What you can't understand
Your sons and your daughters
Are beyond your command
Your old road is
Rapidly agin'
Please get out of the new one
If you can't lend your hand
For the times they are a-changin'.

国中の母親たち、父親たち
理解できないからといって非難しないで下さい
あなたたちの息子たち、娘たちを
支配下に置くことはできない
古いやり方は急速に衰えていく
手を貸してくれないのならば
どうか新しい世界から出ていって下さい
時代は変わっているのだから


かつては、この歌詞の「娘」の立場だったのに
いつの間にか「母親」にシフトしてしまいました。
「The Times They are A-Changin'」という曲を
共感しながら聴いていたことを忘れずに
「理解できないから批判する」ことをしないように
次の世代を無意味に断罪しないように
自らを戒めたいと思います。

*
*
*

1978年の来日公演のライブ盤「BOB DYLAN AT BUDOKAN」
これが最初に買ったボブ・ディランのレコードでした。
代表作が収められているのですが
ほとんどが強力にアレンジされていて原曲からは
かけ離れてしまっています。
入門編としてはどうなのかな^^;

高校二年のとき、同じクラスの男子たちが
ぞろぞろと自主的に早退していくので
誰かがどうしたのと聞いたら
「ボブ・ディランを見に武道館へ」と答えていて
「えっ、ちょっと意外」と見直したのを覚えています。
うらやましかったな。
貧乏女子高生だった私には武道館が憧れでした。
でも、あのチケットのお値段には
とても手が出なかったです【T__T】

 

映画「I'm Not There」でケイト・ブランシェットが
演じていた記者会見のシーンそのままですね^^


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薔薇少女

1978年にボブ・ディランが来日したと言う事は、私は29歳、どうして鮮明に覚えて無いのかなと思ったら、息子を産んだ年で、それどころじゃ無かったのでした!
YOUTUBEの画像のボブ・ディランは、質問にふて腐れて、答えてますよね、当り前ですよね、『フォークの神様と呼ばれてますが、どう思いますか?』等と言うナンセンスな質問しているのだから・・・敬愛しているのだったら、自分の言葉で英語で質問しろよ!?と言いたい。
スミマセン、何故か熱くなってしまいました・・・
最後の映像で中山ラビさんがコメント言ってた画像、スゴク懐かしく、嬉しかったです。ラビは大好きなシンガーだったから・・・
ココにmiyuco さんが、載せてくれて感謝、感謝です。
有難うございます。

by 薔薇少女 (2009-02-02 23:17) 

miyuco

ボブ・ディランが記者会見の席に着いたのは
初来日だったからなのでしょうか?
なんだか寒々しい雰囲気でした^^;
中山ラビさんはお名前だけしか
存じ上げてなくて…
youtubeにいくつか映像があるようですね。
nice!とコメントありがとうございます♪
by miyuco (2009-02-03 21:16) 

miyuco

paddiesさん、nice!ありがとうございます♪
おっ、youtubeの表示が変わってる!

by miyuco (2009-02-06 22:48) 

DEBDYLAN

初めまして^^。

そうですね。
PPMは歌詞の意味を伝えようと激しく(丁寧に)歌ってますね。

DYLANは大声の独り言みたいな感じですから(笑)

DYLAN自身この時代の曲を、
俗に言われる”プロテスト・ソング”とは呼ばずに、
”フィンガー・ポインテッド・ソング”って言ってた記憶があります。

コレから察するにDYLANにとっては、
かなり私的なつもりで書いたんじゃないかと。
共感してもらおうとか、させようとか。
全く考えてなかったんじゃないかと思います。

だからこそ逆に、
あれだけ説得力があって凄みのある歌を届けてくれたんじゃないかなって。

'66年生まれの僕だからリアルタイムは知りませんが、
そんな風に感じてます。

生意気な発言すみません^^;

by DEBDYLAN (2009-02-07 01:13) 

miyuco

DEBDYLANさん、はじめまして。
おおっ、「DYLAN」のHNを持つ方に
コメントいただいてしまった。
恐れ多いです^^
「大声の独り言」に爆笑です(‐^▽^‐)

ボブ・ディランの若い頃の逸話を読むと
流行りにめざといちょっとミーハーな兄ちゃんの部分が
垣間見えるような気がします。
もちろんそれだけではなく
イメージ豊かに言葉を繰り出す才能は、
周りが放っておけない輝きに満ちていたのでしょう。

1975年「ハリケーン」がラジオからよく流れてました。
「怒り」をストレートにのせた曲は衝撃でした。
ボブ・ディランは過去の人のように思っていたので
よく知らずにいましたがそこから興味を抱きました。
言葉が氾濫する歌詞が大好きです。
DEBDYLAN さんとディラン歴はあまり変わらないかも
と思います^^
nice!とコメントありがとうございます♪


by miyuco (2009-02-08 22:50) 

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