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映画「フィッシュストーリー」 [日本映画]

「礼なら、父に」

このセリフを聞きたくて映画館へ^^
不思議な魅力のある作品でした。
四つの物語が繋がっていくストーリー。
原作ファンなのですが
とても良いかたちで映画化されていると思いました。
短編をうまく膨らませてしかも持ち味を損ねない。

2012年、彗星衝突まであと5時間
1975年の発売当時誰にも聞かれなかった曲が
めぐりめぐって地球滅亡の危機を救う!

四つの時代の物語が錯綜する。
パンクバンド「逆鱗」(ゲキリン)の曲「FISH STORY」が
時代を結び付けます。

キーとなるこの曲の仕上がりが映画自体に影響する。
魅力ある曲でよかった。
バンドのボーカル五郎を演じる高良健吾
声に艶があるし身のこなしも堂に入っている。
ちょっと甲本ヒロトみたいでした。
ライブシーンがかっこよかったです!

伊藤淳史はヘタレキャラのイメージが強かったけれど
今回は売れないバンドのリーダーを
苦さと痛みを呑み込んだ眼差しでクールに演じています。
こういう役柄もこなせる方なんですね。

「きっと売れねぇ」
そう言いながらも自分たちの音楽に誇りを持っている。
世間に受け入れられなくても方向性を変えることなんか
できない。結果、レコード会社をクビになる。
でも、誰かに聞いて欲しい。届いて欲しい。
そんな気持ちでレコーディングした最後の曲「FISH STORY」

2012年
人気の絶えた街で一軒だけ営業している店があった。
車椅子で街を徘徊する胡散臭い男が店に入っていく。
その男(石丸謙二郎さん、ウザすぎ^^;)と店主と客の会話から
彗星衝突まですなわち世界滅亡まで、あと五時間だとわかる。
レコード店でターンテーブルにのっているのは逆鱗のアルバム。
流れてくるのは「FISH STORY」

1982年、合コンに向かう車のなかの大学生3人。
「FISH STORY」という曲の間奏に無音の部分があり
無音のはずなのに女性の悲鳴が聞こえるというウワサがある。
しかし彼らには聞こえない。
気弱な大学生(濱田岳)は
なぜか女子大生に「世界を救う男」と予言をうける。
帰途、自分のヘタレぶりに嫌気がさした彼は
必死に勇気をふりしぼる。
「FISH STORY」の間奏の無音部分に小さく聞こえた
助けを呼ぶ声に応えようとする。

2009年
フェリーのコックは正義の味方になるべく育てられたと
生い立ちを語る。
父親は息子の肉体と精神を鍛える。
いつか正義の味方になるために。
(「ベスト・キッド」的なペンキ塗り修行に笑った)

その時はついにやってきた。
シージャックと闘うために彼は立ち上がる。
森山未來は身のこなしがしなやかで優雅でした。
踊りの素養がある方でしたよね。

ここで救われた女子高生が理数系が得意と
言っていたことが彗星衝突を回避する場面に
繋がっていきます。

「礼なら、父に」

地球滅亡を間一髪で救った立て役者を
シージャックの襲撃から救ったフェリーのコック。
コックを正義の味方になるべく鍛えた父親が
なぜ鍛えようと考えたかというと
「FISH STORY」という曲の無音部分で
助けを求める声をキャッチでき、
正義の味方の重要性に気づいたため。
「FISH STORY」に無音部分があったのは
そこに熱い思いが込められていたから。

そんな話でした、ということがエンディングで
小気味よく提示されていて楽しかった。

おもしろかった。
たわいない話(フィッシュストーリー)なのに魅力的でした。

「ゴールデンスランバー」が中村義洋監督で映画化されるそうです。
http://www.hollywood-ch.com/news/09040305.html
堺雅人と竹内結子なんて、豪華キャストですね。
伊坂幸太郎と監督との相性が良いとよくわかりましたので
楽しみです!

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タグ:伊坂幸太郎
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miyuco

ミナモちゃん、nice!ありがとう!
by miyuco (2009-04-08 12:49) 

katsura

これは面白かったですよね。原作を読んでいたのですが、遜色ない出来でした。
「ゴールデンスランバー」も今から楽しみです♪
by katsura (2009-04-30 15:39) 

miyuco

>katsuraさん
原作のテイストがそのまま映像になっていて
とても嬉しかったです^^
「ゴールデンスランバー」私も楽しみです!
nice!とコメントありがとうございました!
by miyuco (2009-04-30 20:26) 

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