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独演会 [日常]

先日、市民会館での催しに行って来ました。
「立川志らく・独演会」
ダンナさんがチケットを買っていたことを
直前まで知らず、体調も悪かったため
どのような落語家さんなのか調べもせずに
白紙の状態で出かけました。
生の落語を聞くのは初めてです。
以下、シロートの覚え書き。

「源平盛衰記」
テンポがよすぎてスピードにのまれているようで
ときどき、ごにょごにょって感じになり
ただでさえ聞き慣れない言葉が多いのに
途中しばし脱線して映画の話になったり
さまざまなネタが入り込んでくるので乱雑な印象。
共産党ネタは談志ゆずり?必要ないのでは…
今の時代では浮いてしまうような気がする。
この方は私の好みではないかも…と思っていたのですが
次の噺で杞憂に終わりました。

「らくだ」
長屋の人々の暮らしぶりがうかがえる噺は大好きです。
「らくだ」というのはあだ名。「らくだ」という人物は
初っ端から死人として登場するという衝撃の展開^^
兄弟分の半次が訪ねてきて死んでいるらくだを見つける。
どうもふぐにあたって死んだらしい。
弔いをしてやりたいが金がない。
そこで通りかかった屑屋をつかまえて月番のもとへ行かせる。
香典を集めてくるようにいいつける。
(屑屋を威嚇する仕草が、いいアクセントになってました)
大家から通夜振る舞いの酒と煮染めを、
八百屋からは漬け物樽を調達(強奪?)する。
切り札は死人に踊らせる「かんかんのう」(‐^▽^‐)

らくだがどれほど乱暴者か会話から伝わってくる。
「らくだが死んだ?こりゃ、めでたい」
長屋の連中はこっそり集まって嬉しそうに踊るのである。
大家は「そりゃ、たすかった」と大喜びする。
このブラック感がいいですね。好き。

半次に酒をすすめられて屑屋は盃を重ねる。
すると…

屑屋が酒を飲む場面は本当においしそうだった。
飲むほどに様子が変わっていくのが
とてもよく描写されていてわかりやすかった。
そしておかしかった。
逆転劇が鮮やかでした。

緩急自在の力強い落語。
約30分間、一瞬もダレない。
おもしろかったです!

この独演会の数日前にC.C.Lemonホールで
ZAZAN BOYSのライブに参加したそうで
そのときも「らくだ」を演じ
若い観客相手にどうなるかと思っていたら
すごくいい反応で笑いの渦が巻き起こり
とてもうれしかったという話をしていました。
この噺ならそうなるだろうと納得です。

市民会館の観客はほとんどが高齢者で
若い人はちらほら見かける程度。
ギャップが激しかったと思いますが(笑)
みなさんとても楽しそうでよく笑ってました。

私もたんと笑わせていただきました^^

応援団としてなべおさみ氏が舞台に上がって
志らく師匠を猛プッシュしていた。
…話が長かった…
こういう方はステージに立つと
自分が主役のように思いこんでしまうのかな。
逆効果にならないようにほどほどにお願いします。

志らく師匠はZAZAN BOYSの後に
こんな風に書いています。

私の落語が凄いとかそういうことではなく、
ロックのコンサートだから、若い子だらけだから、
落語なんか判るはずが無いから、と己で妥協したり、
客を見下したり、無理矢理笑わせようとせず、
ありのままの生き様を見せてやろうと思って落語をやったのが、
きっとよかったのだと思います。
落語を知らない若い子用にギャグを丁寧に押したり、
難しい言葉を割愛したり、演技を臭くしたりしたら、
きっとそれはロックではないとすぐに見抜かれて、
拒否されていたでしょう。

 


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コメント 2

おきざりスゥ。

miyucoサンの落語初体験が好印象に終わってホッとしていまスゥ。ご覧になったのが志らく師で好かった!(しかし何故ダンナサマは急に落語だったンでしょうネ?)

源平盛衰記は仕方ないンです。あーゆー噺なんで^^;狼講釈とか鮫講釈とかザッピングするみたいに色々めちゃくちゃな事を入れ込んでゆく形の落語なンですネ。ただ立て板に水の流れるが如く演るのが大前提なので噛むと台無し。滑舌が悪かったとは残念でしたネ(~_~;)

志らく師には古今の名画を落語に移したシネマ落語シリーズもあり取っ付き易いかもしれません。
音源たくさん出てますから1度図書館のCDライブラリなぞ覗いてみては如何?

◆◆◆

さすがに往時より落ち着いてきたとは云え相変わらず落語人気は衰えず嬉しい限り。

落語は出自からして都会のものなので地方にいると分かりにくいけれど東に存続する4軒の寄席は今も賑わっている様子だし西の繁昌亭も開く前は直ぐ経営が苦しくなるだろうの直に吉本に買い取られてしまうの口さがない浪速っ子に噂されていたことなぞ嘘の様に先月めでたく3周年を迎えました。

宮藤官九郎のTVドラマ〈タイガー&ドラゴン〉を皮切りに〈寝ずの番〉〈しゃべれどもしゃべれども〉〈落語娘〉なぞの映画も公開され次々に吹く外界からの追い風。

この機を逃さじと当の落語界での噺家達の奮闘は云わずもがな。

それら内外各人の地道な努力なしに今日のブームが訪れなかったことは確かと思われます。

でも結局は時節が来たということではないかしら。

故・志ん朝師が明星の表紙を飾っていた全盛期から40年あまり。
今の若者にとって落語は古臭いを通り越して未知で新奇なものなのかもしれません。

ネットの発達もまた大きい要素でしょう。
題材としてはNHK朝の連続テレビ小説にまで採り上げられても芸能としての落語は現在のTV構成には適いません。
〈M1グランプリ〉に並ぶものとして始められた〈R1グランプリ〉のRは落語の頭文字。元々は新進落語家の登竜門として企画された筈が現在の状況に至ったのは決して落語(家)が面白くなかったわけではなく単にTV向きではなかったから。
どうしても落語には一定の時間が必要なので〈細かすぎて伝わらないモノマネ〉なぞの発表にこそ適している現在のTV番組の中での本領発揮は至難の技。

しかしWebでなら時間を区切られることなく一席たっぷり演れます。

ドラマで興味を持つ→ググって本ネタを見る(聞く)→寄席あるいは落語会に出かける→ハマる。

どの段階まで行くかは分かりませんが裾野が広がれば自ずと山は高くなろうというもの。斯くして本日の隆盛の到来と相成る流れではなかろうかと。

そうして更に(乱暴すぎる飛躍と云われるでしょうが)ブログを楽しんでいる人達は少なからず落語も楽しめる素養を持っている筈。小説で現代文の基礎を拵えた作家の1人である夏目漱石は三遊亭圓朝の速記本を参考にしていたんですから。
いま文章を綴るのが楽しみな人達は遡れば圓朝師に辿り着くと(笑)


落語は何と云ってもライブです。だから同じ噺家の同じ根多でも出来不出来がある。だから数みて貰いたい(笑)
映画1本みるより安い会もあります。寄席という異空間のマッタリ感を味わってみるのも一興。
miyucoサンが趣味に落語を加えてくれたら嬉しいナ。

自分のブログ再開しろよ~(--;)な長文で申し訳ないことでスゥ。σ(^_^;)
でもクルと思ってたでしょ?
by おきざりスゥ。 (2009-10-02 08:32) 

miyuco

>スゥ。さん
ほほほっ、クルと思ってましたよ^^
きのうスタジオパークに歌丸師匠が出ていました。
お元気そうで何よりです。
この方のようにきっぱりとした口調が私の好みです。

ダンナさんは「寄席芸人伝」の愛読者だったので
そこを取っ掛かりに、落語には馴染みがあるようです。
本当に入り口はいろいろですね。
私は志らく師匠について何も知らなかったけれど
彼はどのような立場の方かわかっていたみたい。
師匠は噺を決めずに舞台に上がり
客席の雰囲気を掴んでからネタを決めたそうです。
「らくだ」は私のような初心者にも入り込みやすかった。
若い人たちに受けるのもよくわかります。
そういえばニコ動にも落語のコミュがありますね^^
(でもついつい音楽の方にいっちゃうのよね)

nice!とコメントありがとうございました♪
by miyuco (2009-10-03 17:23) 

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