『ブラックペアン1988』 海堂尊 [読書]
1988年5月。
ある晴れた日の朝、一人の研修医が
東城大学医学部付属病院への坂道を駆け上っていた。
世良の外科研修が始まり、
読者である私も外科医の仕事がどのようなものか
徐々にわかってくる。
同時に病院内の人間関係も見えてくる。
バチスタでお馴染みの高階院長が颯爽と登場します。
なかなかのビッグマウスっぷりです。
ちょっと意外。
帝華大学から派遣されてきた高階は
着任早々新しい術式を提案し波乱をまきおこす。
もうひとり渡海という個性的な外科医が登場する。
優秀な技術を持ちながらも勝手気ままな振る舞いで
「オペ室の悪魔」と呼ばれている。
海堂尊は個性的なキャラクター設定がうまい。
しかし、妙に含みを持ったセリフ回しや
突拍子もない展開が雰囲気をチープな方向に
持っていってしまうところがある。
渡海が手術中に、どうみても一年生には難しい
左胃動脈の結紮をやってみろと突然世良を挑発。
当然のごとく失敗。
「はい、世良ちゃん、患者をひとり殺しちゃったねえ」
世良は打ちのめされ落ち込む。
そこに高階がやってきて諭し最後にこんなふうに言う。
「世良君、君は外科の神様に見込まれてしまったんだ。
逃げることは私が許さない」
う~ん何だかありきたりなスポ根マンガを
読んでいるような気分。妙に大仰なんだよね。
リーダビリティは高いけれど
読み終えると空疎な感触が残る。
渡海医師と佐伯教授との因縁話も
ここまでこじれない方法がいくらでもあったのに
何でこんなにも救えない話になっちゃうの
ああ渡海の腕がもったいないと思ってしまった。
「ブラックペアン」には深い意味があったのですね。
若き日の速水、島津、田口公平が出てきます。
それぞれが持つおなじみの個性は
当時から一貫していて清々しいです^^
ジェネラル等々での飄々としたキャラからは考えられない
若き日の高階院長でしたが、3人のキャラは当時から確固とした
ものだったのね・・・・とその辺りが楽しかったので、もっと3人の
若き日の姿を読んでみたくなりました。
今はイノセントゲリラを読んでいらっしゃるのね。
私は途中何度も挫けそうになりながらもようやく読み切った感じでした。
今度ジーンワルツが映画化されるそうですね。
ちょうど先日のニュースで代理出産の話題が流れてて
難しい問題ですが、考えるにはいい時期なのかもしれません。
映画も楽しみです。
by 綺華 (2009-12-07 11:32)
>綺華さん
高階院長、とんがってましたね^^
同期三人組の登場は嬉しかったです。
先日やっとジェネラル・ルージュのDVDを見ました。
イメージ通りの速水にうっとりでしたわ。
『ジーン・ワルツ』急いで読まなくては!
nice!とコメントありがとうございました♪
by miyuco (2009-12-08 14:28)
無一物中無尽さん、nice!ありがとうございました。
by miyuco (2009-12-18 19:46)
蒼竜窟さん、nice!ありがとうございました。
by miyuco (2010-02-07 22:24)