『ザ・万遊記』 万城目学 [読書]
万城目学が、世界を日本を駆けめぐる。
北京で五輪を堪能し、ロンドンでサッカーの醍醐味を味わい、
バルセロナで不遜にもピカソに共感!?
全国の湯治場でアキレス腱のリハビリに励み、
国会議事堂で大物代議士をちらり見する…。
世界のあちらこちらでの驚きや感動を綴ったエッセイ集。
「湯治と称して温泉地を訪問し、
然るのちにスポーツ観戦をする」
連載エッセイ
「鹿男あをによし」の打ち上げ
「本屋大賞授賞式」でのできごと
映画「鴨川ホルモー」撮影現場から
などなど盛りだくさんですが
何より印象に残るのは
「今月の渡辺篤史」
テレビ朝日系列で平成元年より放送されている
「渡辺篤史の建もの探訪」
この番組の大ファンだという万城目学が
愛情をこめて綴ったエッセイが楽しい^^
一時期はよく見ていた。
何か見たい番組があってその流れで見ていたのだと思う。
実は今でも放送されていることを知らなかった。
スイマセン
そうなのかあ
最近の洗面台の流行は、
蛇口を二つ並べるツーボウル式なのね。
「見えるバスルーム」だけは断固としてお断り!!!
家のなかに「曲線」というものは意外に少ない。
そこに曲線を存分にアピールした階段が登場すると、
手すりをさすり「このアールがいいねえ」と
篤史はしみじみご満悦の表情だ。
実は、私はこのアールの意味を未だ正確に理解していないが、
それでも篤史がよろこんでいると、こちらも何だかうれしい。
陽気なこだわりは人に伝播する。 (182P)
「このアールがいいねえ」
名ゼリフ^^
こんな調子で「ダ・ヴィンチ」にて
一年間にわたって連載していたそうです。
そして番組放送二十周年記念の特集本に
エッセイを書いて欲しいと依頼があり快諾。
「渡辺篤史の建もの探訪BOOK」に
「篤史フォーエバー」を寄稿。
「『建もの』ファンとして、これを“あがり”と言わずして
何を“あがり”と言おうか!」
ガッツポーズで快哉を叫ぶ万城目氏。
よかったね。
ダウンタウン松本さんも「建もの」愛好家だそうです。
日曜の晩、午後七時半から放映されていた
「世界名作劇場」
一年間妹の隣で見ていた「小公女」
ラストの爽快さ(?)をまちわびて見ていたのに
あろうことか原作とは違うラストだった。
「ストーリー改変の裏にある
大人の教育的配慮というものを
心底軽蔑した。」
「小公女」は見てなかったけれどそうだったんだ。
なんとも無粋なことをやってのける。
マキメ氏の怒りはよくわかります。
そんなこんなの楽しいエッセイです。
コメント 0