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『オール・マイ・ラビング』 小路幸也 [読書]

ページが増える百物語の和とじ本、
店の前に置き去りにされた捨て猫ならぬ猫の本…。
不可思議な事件に潜む「あの人の想い」とは?
笑いと涙の下町ラブ&ピース小説、待望の第5弾。

「“偉大なるマンネリ”を指向する物語ですが
新鮮な驚きも与えたい」
と作者が語っています。
今回も気楽な心持ちで楽しく読みました。

子どもたちの成長がほほえましい。
やっぱり子どもは自然体で生きている人が好きなのね。
我南人さん、大人気^^
最年長の勘一さん、相変わらずお元気でよかった。
シリーズ五作目となると登場人物たちが
とても身近に感じられます。
家族やおなじみのご近所さんたちが
仲良く和やかに暮らしている様子に今回も安心しました。

我南人(作中ではGOD OF ROCK)の身に起こった
アクシデントに清志郎(KING OF ROCK)の姿が重なって
「All My Loving」を唄って復活したところで
グッときてしまいました。よかった!

シリーズものを書き続けることは難しいはず。
楽しみにしている読者の期待に応えるためには
あまり冒険ができないという縛りがあるし
となると新鮮味を出すのが困難になる。
でも、もう少し「東京バンドワゴン」をめぐる人々と
会っていたいと私のようなファンは思っています。
いつか出るであろう次回作を楽しみにしています!


 

 

<夏・あなたの笑窪は縁ふたつ>
【藤島ハウス】への引越と納戸の改装が重なって
堀田家は大忙し。
亜美さんは弟・修平を手伝いに呼びます。
最近悩み事があるらしい修平くん。
我南人が何か知ってるようですが…
ページが増える百物語の和とじ本の謎解きは
本にくわしい人たちには簡単なことでしたね。

<秋・さよなら三角また会う日まで>
かんなちゃんと鈴花ちゃんは10月で一歳。
誕生日には一生餅を背負わす習わしです。
「おーじゅ」なんて呼ばれたら
勘一さんがめろめろになるのもよくわかります。
店先に置いてある本の謎。かわいいです。
東京バンドワゴンの蔵は宝の山だと知ってましたが
なんだかスケールが大きくなってます。
今回は藤島さんの力を借りたくないようですが
どうなることでしょう。
「あったかい日溜まりをしっかりと守ってほしい」
そう言って助けてくれる人がまた現れました。

〈冬・背で泣いてる師走かな〉
にぎやかなクリスマス。
紺の気持ちも軽くなったようです。
心の内に秘めていたわだかまりが
やっと溶けていきました。
しかし、蔵にはとんでもないお宝が
眠っているんですね。

〈春・オール・マイ・ラビング〉
体育館に響き渡る「All My Loving」
かっこいい幕切れでした!

オール・マイ・ラビング 東京バンドワゴン

オール・マイ・ラビング 東京バンドワゴン

  • 作者: 小路 幸也
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2010/04/26
  • メディア: 単行本






タグ:小路幸也
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miyuco

もりんさん、nice!ありがとうございます!
by miyuco (2010-05-25 18:46) 

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